
1999年(平成11年)3月2日発行 1994年(平成6年)11月 1日創刊
★[03/02] 中国人民銀行が3月2日発表した元レートは次の通り。(単位、元)
日本円(100円) 6・9458
米ドル(100ドル) 827・92
香港ドル(100ドル) 106・92
★[03/01] 共同通信によると、日本政府は中国に対し、昨年大きな被害を出した
大洪水の復興などのため限度額27億7700万円の無償資金協力を決め、1日、
谷野作太郎駐中国大使と中国側代表との間で書簡を交換した。今回の資金協力で
は、政府の「長江堤防補強計画」に必要な建設機械や資材調達のために限度額1
4億5700万円の援助を行う。また、洪水被災地の江西省や黒竜江省などの農
業増産援助のために13億2000万円の援助を行う。
★[03/01] 毎日新聞によると、訪中していた日本自由党の小沢一郎党首は2月2
8日、人民大会堂で尉健行政治局常務委員(中央規律検査委員会書記)と会談し
たが、希望していた江沢民国家主席との会談は結局実現しなかった。日米防衛指
針(ガイドライン)の周辺事態に大陸や台湾が含まれると言明した小沢氏に対す
る中国の反発が表れた格好だ。
★[03/01] 香港の明報によると、朱鎔基首相は、香港の投資会社、粤海企業集団
(広東エンタープライゼズ、GDE)など広東省が直轄する窓口企業の再建を支
援するため、四十億人民元(約六百億円)を同省に投入する方針だと伝えた。
★[03/01] 共同通信によると、上海証券取引所の幹部は、ダウ・ジョーンズ・ニ
ューズワイヤに対し、上海、深セン両証券取引所と証券各社が2月、コンピュー
ターの2000年問題を想定した4日間にわたる大掛かりなシミュレーションを
実施し、誤作動がなかったことを明らかにした。
★[03/01] 新華社電によると、著名な女性作家、謝冰心さんは、2月28日午後
9時、病気のため北京市の病院で死去、98歳。中国文壇の最長老の一人で晩年
は病気がちで長期入院中だった。五四運動の起きた1919年に最初の作品を発
表後、小説や児童文学、叙情的な詩や散文など幅広い領域で活躍。代表作に小説
「超人」や児童文学「陶奇の夏休み日記」、詩集「繁星」があり、93年に全8
巻「冰心全集」が出版されている。
★[02/26] 毎日新聞によると、国家統計局が発表した昨年の経済統計では、国有
製造業の赤字総額は1023億元(約1兆4300億円)に達し、前年よりも2
1.9%増加した。国有企業改革のかけ声にもかかわらず、経営悪化が一段と進
んでいることが裏付けられた形だ。発表によると、昨年の工業生産全体の伸びは
8.9%だったが、国有企業では4.9%にとどまった。製造業全体の赤字総額
は1556億元で国有企業が3分の2を占める。
★[02/26] 時事通信によると、米上院本会議は中国の人権状況悪化を非難し、3
月22日からのジュネーブでの国連人権委員会で中国非難決議案を提出するよう
米政府に求める非拘束の決議を全会一致で採択した。下院も来週、同様の決議案
を可決する。
★[02/25] 毎日新聞によると、浙江省瑞安市近くで墜落した西南航空のツポレフ
154型旅客機の搭乗者が乗客51人、乗員13人の計64人だったと報じた。
生存者は見つかっていない。同電は当初、61人が搭乗し、全員が死亡したと伝
えていた。
★[02/23] ニューヨーク・タイムズによると、米政府は22日、政府と関係のあ
る企業連合への4億5千万ドルに上る米航空宇宙企業ヒューズ・スペース・アン
ド・コミュニケーションズ社製の商業人工衛星の売却を認可しないことを決めた。
★[02/26] 共同通信によると、全日本空輸は東方航空との間で、互いの座席を融
通し合う共同運航を大阪−上海線と大阪−青島−北京線で、3月8日から開始す
ると発表した。中日航空企業間の共同運航は初めて。共同運航は大阪−上海が1
日2往復。大阪−青島−北京が週4往復だが、うち2往復は大阪−青島のみの運
航となる。大阪では関西空港を使用する。両社は昨年11月に提携契約を結んで
いる。
★[02/25] 共同通信によると、横浜市磯子区の工事現場で昨年二月、切断された
中国人女性の遺体が見つかった事件で、殺人と死体損壊、遺棄の罪に問われた横
浜中華街の元調理師で中国籍の李建山被告(36)の判決公判が二十五日、横浜
地裁で開かれ、仲宗根一郎裁判長は「自己中心的な動機の残忍な犯行で刑事責任
は重い」として懲役十四年(求刑懲役十六年)を言い渡した。
★[02/25] 読売新聞によると、世界気象機関(WMO)の元総裁で、中国人民政
治協商会議常務委員の鄒競蒙氏(70)がさる二十二日夜、北京市内で強盗に襲
われ、殺された。事件の状況や背景は明らかでないが、国内では失業増などを背
景に治安の悪化が問題になっている。鄒競蒙氏は軍の気象部門を経て国家気象局
長を務めた気象の専門家。事件発生まで、気象局名誉局長も務めていた。
★[02/23] 毎日新聞よると、NECは上海華虹集団公司と合弁で設立した半導体
生産工場「上海華虹NEC電子有限公司」が本格操業を開始したと発表した。国
内では最大・最先端の半導体工場で、64メガビットDRAMの生産に乗り出す。
8インチウエハ単位で月産5000枚規模でスタートし、将来は2万枚まで量産
する。
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日本の報道によると、第9期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が、5日
から北京で開催される。市場経済化の進展に合わせ、私有経済の位置づけを明確
にするため、憲法を改正するのが最大の目玉だ。同時に、発足1年を迎えた朱鎔
基内閣の評価を問う大会にもなる。
今回の全人代は朱鎔基首相の就任後一年間の成果を問う大会にもなる。朱首相
は昨年3月、「地雷原や深い谷があろうとも前進する」と語ったが、金融危機の
世界的な広がりや昨夏の全国的な洪水など予想以上の難題が続いた。社会の安定
と、公約した改革の実行をどう両立させるか、難しい舵取りを迫られている。
朱首相は2月15日の春節(旧正月)祝賀会でのあいさつで「改革、発展、安
定にとって新たな任務が必要になっている」と述べ、3者のバランスを取る難し
さを認めた。昨年、公約した国有企業、金融、政府機構の3大改革には、いずれ
も社会の安定を乱しかねない要素がある。
政府機構改革は中央からスタートしたが、今後は地方に焦点が移る。公務員の
リストラには地方の抵抗も予想される。金融改革では、広東国際信託投資公司
(GITIC)など経営が悪化した金融機関の整理に踏み切った。しかし、対外
信用の低下という代償が残る。
最大の問題は国有企業改革だ。国家統計局によると、昨年の国有製造業の赤字
総額は1023億元(約1兆4300億円)に達し、前年よりも21・9%増加
した。昨年末の工業製品の在庫総額も5・5%増えて6094億元(約8兆53
00億円)に達するなど経営効率は悪化している。
昨年、改革に伴って「下崗」(シアカン=一時帰休)の対象となった労働者の
うち、609万人が再就職したが、なお1000万人以上が残るといわれる。リ
ストラを進めない限り、国有企業の活性化は困難だが、失業者の増大は社会の不
安定化につながる。
6月の天安門事件10周年や10月の建国50周年を前に江沢民主席は「安定
がすべてに優先する」と強調している。改革のペースもスローダウンせざるを得
ないとの見方が広まっている。
年初以来、国内では爆発事件が相次いでいる。22日には中国人民政治協商会
議常務委員で雛家華前副首相の実弟の鄒競蒙氏が北京で強盗に襲われ、殺害され
る事件も起きた。個別の事件ではあるが、国内に広まる不安感や不満を象徴して
いるともいえる。
朱首相は昨年、軍や司法機関の企業経営を禁止したり、密輸取り締まりを強化
するなど、幹部の腐敗や特権に対する不満解消を目指した改革も進めてきた。し
かし、公共事業の悪質な手抜き工事が相次いで発覚するなど、体質改善には相当
な時間がかかる。
昨年の全人代では、最高人民検察院の活動報告に45%の批判票が投じられた。
これまで全人代は、政府の政策に承認を与えるだけといわれてきたが、監督権の
強化が叫ばれるようになり、地方代表も大衆の不満を代弁する傾向が強まってい
る。
朱首相は会議冒頭に読み上げる政府活動報告の推こうを重ねたといわれる。断
固たる改革の決意と政府の信頼確保に向けた努力を示すことで、求心力を高める
ことができるかどうかが、今後の改革の行方にも影響してくる。
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毎日新聞によると、北京を訪れているオルブライト米国務長官は1日午前、唐
家セン外相と会談し、中国訪問の公式日程を始めた。外相会談では、米民間企業
による中国政府系企業への通信衛星売却問題や、中国の世界貿易機関(WTO)
加盟、人権問題などについて意見交換されている模様だ。会談は朱鎔基首相の4
月訪米を控え、ぎくしゃくしている両国関係をどう修復するかが焦点となる。
外相会談の内容は明らかではないが、オルブライト長官は、米国政府が中国人
民解放軍との関連が指摘される政府系企業への通信衛星売却を「軍事転用が可能」
との理由で認めなかった経緯を説明するとみられる。政府は「米国の対中封じ込
め政策の一環」と反発しており、唐外相も会談で不快感を表明するのは確実だ。
また長官は大陸の人権状況の改善を改めて取り上げるとみられる。当局が野党
「中国民主党」の活動家30人以上を拘束したことも指摘し、活動家らの釈放を
求めそうだ。
WTO加盟問題では、長官は、米政府の前向きな方針を伝えるとみられる。米
政府高官はすでに、朱鎔基首相訪米時に中国のWTO加盟問題での基本合意を図
りたい意向を表明している。
一方、米政府が戦域ミサイル防衛(TMD)など弾道ミサイル防衛構想の開発
を急ぐ姿勢を明確に示したことに対して、政府は台湾へのTMD配備を念頭に置
きながら、警戒を強めている。中国のミサイル関連技術輸出規制(MTCR)加
盟とも絡み、MTCRをどこまで進展できるかが注目される。さらに、外相会談
では、朝鮮半島問題についても意見を交換し、朝鮮民主主義人民共和国のミサイ
ル発射や地下核施設疑惑などがテーマに上がる見込みだ。
同長官は1日午後、朱鎔基首相、銭其シン副首相と個別に会談、2日朝には江
沢民国家主席と会談し、帰国する。
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毎日新聞によると、マケドニア駐留の国連予防展開軍(UNPREDEP)の
任期延長が25日、中国の拒否権行使で否決されたことは、マケドニアにとって
台湾との外交関係樹立による予想外の波紋だったと言える。コソボ紛争の波及を
懸念し、北大西洋条約機構(NATO)主体の平和維持活動の受け入れを進めて
いる最中に、大きなつまずきになった。
1992年から始まったマケドニアへの国連軍駐留は従来の平和維持活動と異
なり、初の紛争予防活動となった。人口の2割強を占めるアルバニア系住民とマ
ケドニア政府との衝突を未然に防ぐことにある。同時にユーゴスラビア連邦コソ
ボ自治州のアルバニア系住民の独立の動きの拡大を止める狙いもあった。
しかし、昨年秋、初の非共産系中道右派政権が発足、積極的な外資導入策を推
進し始め、今年1月に15億ドルの投資の見返りに台湾との国交樹立に踏み切っ
た。グリゴロフ大統領は新政府の台湾承認に反対し、「取り返しのつかない結果
をもたらす」と警告していた。
国連軍とは別に、NATOはすでに欧州安保協力機構(OSCE)コソボ検証
団の避難援助のため、緊急展開部隊2300人をマケドニアに派遣。このNAT
O部隊が国連軍の役割を肩代わりすることが考えられる。
その際も国連安保理の決議を必要とするかどうかが議論になりそうで、バルカ
ンの地域安定確保をめぐり、中国の拒否権が重くのしかかる状況になった。
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米国防総省は二月二十五日、二〇〇五年までの大陸と台湾の軍事力を比較した
報告書「台湾海峡の安全保障」を米議会に提出した。増強を続ける大陸のミサイ
ル戦力が台湾にとって「深刻な脅威」になっていることを指摘、二〇〇五年まで
には「圧倒的な優位に立つ」としている。大陸の海軍は台湾を海上封鎖する能力
も持つとの見通しも示した。
報告書は、台湾海峡の現状について「差し迫った敵対行動のおそれはない」と
しつつ、大陸と台湾双方の軍拡が続いていると指摘。圧倒的な数量を誇る解放軍
軍に対し、台湾軍は海空戦力の質で対抗しているが、ミサイル戦力や潜水艦など
の分野では大陸が優位、とみている。
解放軍のミサイル戦力について、衛星誘導などで精度を高めた短距離弾道ミサ
イルと対地巡航ミサイルを二〇〇五年までに配備するだろうと予測。台湾の指令
統制系統や軍施設に「深刻な脅威」と指摘している。台湾も、パトリオットミサ
イルなど防空システムの整備を進めているが、十分ではないと結論づけている。
潜水艦についても、ロシアからのキロ級潜水艦の購入などもあり、現在の大陸
の圧倒的な優位が二〇〇五年まで続くとし、大陸は潜水艦発射の巡航ミサイルも
近く配備を開始するだろうと予想している。一方で、台湾侵攻のための揚陸攻撃
力は、歩兵一個師団の輸送能力にとどまっており、増強の兆候はないとみている。
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米国のコーエン国防長官とシェルトン統合参謀本部議長が三月以降、相次いで
中国、日本などを訪問する方向で日程調整していることが二月二十二日明らかに
なった。
軍事筋によると、まずシェルトン議長が三月に、その後四月にコーエン長官が
それぞれ中国、日本などを訪れる予定。また五月以降にはクルラク米海兵隊司令
官や中国人民解放軍首脳の相互訪問も計画されている。
日本では中米間の会談内容を説明するほか、日米防衛協力のための新指針(ガ
イドライン)関連法案の早期成立や国会承認問題についても協議。また沖縄の普
天間飛行場や那覇軍港の移転、ミサイル発射で緊張の高まる朝鮮民主主義人民共
和国(北朝鮮)情勢なども議題になる見通し。
コーエン長官、シェルトン議長の中国訪問は昨年のクリントン米大統領の訪中
を受けて、机上軍事演習など「中米間の軍事協力を具体化、強化する」(軍事筋)
ことに狙いがある。
同時に中国が強く反発している米国の戦域ミサイル防衛(TMD)のアジア配
備や、北朝鮮情勢、台湾への武器売却問題などについても協議される。
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昨年7月に本田技研工業が広東省広州市に中日合弁で設立した広州本田自動車
が生産したアコード(雅閣)が、国賓など要人専用の送迎車として採用されるこ
とになり、2月26日北京で納車式が行われた。
米国タイプの2000CC。昨年10月末から試験的に生産開始したうちの3
0台でほとんど輸入した部品を組み立てたもの。広州本田では今後、国産化率を
上げていきたいとしている。
購入したのは国賓など要人の専用車の運用業務を委託されているタクシー会社
で、担当者はセレモニーで受け取った大きなキーを手に「まもなく全人代が始ま
るので、さっそく使用したい」と期待を語った。
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共同通信によると、バーシェフスキ米通商代表は25日、中国の世界貿易機関
(WTO)加盟問題について「中国は年末からの新ラウンド(多角的貿易交渉)
に完全に参加したいと言っている」と述べ、年内加盟を目指し中国と協議を進め
ていることを明らかにした。
しかし「話し合いはほとんど進展していない。もっと積極的に取り組んでもら
いたい」と述べ、中国が市場開放など必要な措置を取り、加盟条件を満たすよう
促した。
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香港の人権団体「香港クリスチャン工業委員会」は二月二十五日までに、米ウ
ォルト・ディズニー社と契約してミッキーマウスなど人気キャラクターの子供服
や靴を製造している広東省の工場で、女性工員が長時間勤務や賃金未払いなど劣
悪な労働条件下で働いているとの調査報告書を発表、ディズニー側に改善を求め
た。
同委員会は昨年七月から今年二月にかけ、広東省の広州などにある四カ所の工
場で三十人以上の女性工員の聞き取り調査を実施した。
その結果(1)閑散期の月給は三百人民元(約四千五百円)で、最低賃金水準
を下回っている(2)三カ月分の賃金が未払いで旧正月の休みにも帰省できなか
った(3)繁忙期には連日十五、六時間の長時間労働を強制された―などの実態
が分かった。
工員の大半は、四川省や湖南省から出稼ぎに来た十八歳から二十五歳の若い女
性で、ほとんどが工場側と正式な契約書を取り交わしていなかった。就職の際に
「保証金」名目で百―五百元を徴収されたり、出勤の必要がない日にも宿舎で休
むことを禁じるなど労働法違反の事実も発覚したという。
同委員会は、ディズニー側に対し、契約している工場の責任者に工員の権利保
護を周知徹底させ、工員も参加した形で労働環境を監督する制度を設けるよう求
めている。
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「中国の病院に入院した」と偽り、日本の生命保険の入院給付金や簡易保険の
入院保険金をだまし取る不正請求が横行していることが二月二十二日、読売新聞
社の調べで明らかになった。生保十数社などの調査によると、国内での入院を理
由に支払いを求めたケースは、判明しただけでもこの二年間に約千件(請求総額
約二億七千万円)を超えるが、このうち不正が発覚して支払いを拒否したケース
が約百八十件あった。残りの八百件以上に対してはすでに保険金が支払い済みだ
が、関係者はその半数近くは不正請求で、計一億円以上がだまし取られた疑いが
強いとみている。日本埼玉県警もこうした事実をつかんでおり、保険金詐欺容疑
で近く強制捜査に踏み切る。事態を重視した郵政省や生保各社も国内に調査員を
派遣するなど、実態把握に乗り出している。
日本埼玉県警は、中国人の不法入国事件の捜査の過程で入院保険金の不正請求
疑惑の端緒をつかみ、昨年秋、郵政省や生保各社に捜査協力を要請。これに対し、
大手八社を含む十数社が「該当案件あり」と回答した。
九七、九八の二年間の中国絡みの請求約千件のうち、昨年の約五百件(請求総
額約一億二千万円)の中から約二百五十件を抽出して各社が調査した結果、六割
にあたる約百五十件(同約三千五百万円)が入院事実がないなどの不正請求と判
明し、支払いを拒否した。
また、簡保でも、昨年一年間に、「東京事務センター」の管内だけでも、こう
した中国絡みの保険金請求が百件前後に上ることが判明した。郵政省では全国の
他のセンターでも同様の請求がないかどうか調査しているが、埼玉県警ではこの
中にも多数の不正請求が含まれているものとみている。
大手生保や郵政省は昨年十二月と今月初旬、中国にそれぞれ調査員を派遣。こ
うした中から保険金を支払い済みで、さらに金額が多かったり、同じ人間が複数
回、請求したりしているなどの案件について、入院事実の有無や診断書の真偽な
どの調査を実施した。
その結果、申請書類に添付された診断書のカルテ番号が別の患者のものだった
り、入院証明書の病院名と押された印の病院名が異なっていたりするなど明らか
に不正とみられる請求書類が多数見つかった。生保側は今後、民事訴訟などで返
還を求めていく。
生保などによると、不正請求の多くは中国から永住帰国したり、帰化したりし
た人やその家族によるものだったというが、こうした中国での入院絡みの不正請
求が初めて分かったのは九七年十月ごろ。診断書の内容がずさんなことから、一
部で「要注意」案件とされるようになった。しかし、前例がないことなどから調
査されたのは同年中の約五百件のうちわずか五十件余りだった。それでもその半
分が不正と判明し、支払いを拒否していた。
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