
第240号
1999年(平成11年)2月23日発行 1994年(平成6年)11月 1日創刊
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新聞簡訊●
中日関係●歴史問題にめぐる中日関係についての諸意見
中米関係●朱首相が四月に訪米、WTO加盟が焦点
中ロ関係●朱首相が24日から訪露し、貿易促進で合意へ
歴史問題●「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」の日本語版が出版延期
経済交流●日本政府が中国の脱フロンを支援
海峡両岸●台湾海峡に海底トンネルの建設計画
海外華人●政治参加への期待膨らむインドネシアの華人社会
国内見聞●新春の爆竹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・韓東剣
文化生活●性開放は中国の伝統?
文化生活●コーヒーの飲み方
【新聞簡訊】
★[02/22] チャイナ・デーリーによると、中国は、ベトナムと雲南省、広西チワ
ン族自治区との国境地帯で行っていた自衛反撃戦(1979年)当時の地雷撤去
作業で、これまでに6万6500個を撤去した。年内には国境地帯の地雷すべて
を撤去する。撤去作業は人民解放軍が昨年11月から、約120キロに及ぶ国境
地帯で実施。地雷撤去により同地帯に約3300ヘクタールの耕地ができたほか、
通信施設や道路などの整備も進んだという。
★[02/20] 時事通信によると、米国防総省が今年、計80件に上る大規模な中米
軍事交流を計画し、両軍首脳の相互訪問をはじめ、米空母の初の中国寄港や米国
の高度軍事技術公開が予定されていることが、19日明らかになった。同日付の
ワシントン・タイムズ紙が同省の内部文書を基に報じ、同省当局者も概要を認め
たという。同タイムズ紙によれば、米側からシェルトン統合参謀本部議長が3月
に訪中するのをはじめ、コーエン国防長官(4月)、クルラク海兵隊司令官(5
月)らが相次いで訪中する。中国側からは于永波人民解放軍総政治部主任(5月)、
石雲生海軍司令官(6月)らの訪米が予定されている。
★[02/19] 香港各紙によると、朱鎔基首相は湖北省武漢市の視察を終えた後、1
6日に広東省深セン市入りし、地元政府関係者に密輸の取り締まり強化をあらた
めて指示した。朱首相は、昨年10月にも広東省を訪れ密輸摘発にげきを飛ばし
た。今回の訪問は中央政府の厳しい姿勢が短期的なものではないことをアピール
する狙いがあり、分散化する傾向にある密輸グループを徹底摘発するよう要請し
た。
★[02/19] 新華社電によると、中国共産党中央対外連絡部のスポークスマンは十
九日、ベトナムのレ・カ・フュー共産党書記長が江沢民党総書記兼国家主席の招
きで近く中国を公式友好訪問すると発表した。ベトナム共産党書記長の訪中は一
九九七年七月、当時のド・ムオイ書記長以来、約一年半ぶり。フュー書記長は九
七年十二月の書記長就任以降、初の中国訪問となる。
★[02/19] 共同通信によると、「裏ビデオ」を宅配していたとして、東京警視庁
保安課と竹の塚署は十九日までに、わいせつ図画販売目的所持の現行犯で中国人
留学生の晏偉容疑者(32)を逮捕した。葛飾、足立両区で裏ビデオ宅配のチラ
シを配布し、竹の塚署長の公舎にまでそれとは知らず配っていたという。調べに
「学費を得るため、知り合いの中国人から販売方法を教えてもらい、昨年八月に
始めた」と供述しているという。
★[02/19] 共同通信によると、日本たばこ産業(JT)はジャスミン茶、ウーロ
ン茶など中国産茶葉だけの7種類をブレンドした「飲茶楼(ヤムチャロウ)」を
3月1日から発売する。500ミリリツトルペットボトルが140円。中国産素
材のみのミックス茶は珍しく、脂っこい料理に合うすっきりした味わいという。
★[02/18] 米誌タイム最新号(15日発売)によると、江沢民国家主席は先週、
同誌とのインタビューで、内外の圧力にもかかわらず、元切り下げを当面行う意
思がないことを言明した。江主席が元切り下げの可能性を否定したのはことしに
なって初めて。主席はパールスティン編集長に対し「中国の通貨は安定状態が続
く。今のところ自信がある。」と述べた。
★[02/18] 毎日新聞によると、旧日本軍の関東軍防疫給水部隊(731部隊)が
中国大陸で細菌戦や人体実験を行ったとされる問題で、野呂田芳成防衛庁長官は
18日午前の衆院予算委員会第1分科会で「(防衛庁保管の)文書がないか探す
ように督励したが、具体的な生体実験などの史料は確認されていない。情報公開
法もできるので、このようなことも隠すことがないように心していきたい」と語
り、旧日本軍の史料も今後、積極的に公開していく考えを表明した。これは田中
甲氏(日本民主党)が「731部隊関連の史料が米軍から返還されているはずだ」
とただしたのに答えたものである。
★[02/18] 光明日報によると、農業省は今年の沿岸海域での漁獲量を前年並みに
維持し、これ以上増加させない計画を定めた。国内の水産業は、乱獲で漁業資源
の枯渇が問題となっており、今回の漁獲制限は資源保護と長期的な漁業発展が目
的。
★[02/17] 共同通信によると、広東省広州市の沈副市長はこのほど、同市傘下の
ノンバンク、広州国際信託投資公司(GZITIC)の破産が認められそうだと
示唆したことを労働日報が16日伝えたという。同市はGZITICの対外債務
返済を支援するため、1997年末から98年始めにかけて総額30億元の融資
を行ったが、依然として残債務の返済に苦しんでおり、副市長は破産申請だけが
問題解決の唯一の方法のようだと示唆した。
★[02/17] 時事通信によると、大阪府警警備部などは17日までに、不法滞在中
国人から本国への送金を請け負う「地下銀行」を開設していたなどとして、外為
法違反などの疑いで、張敦松容疑者(30)と李依芳容疑者(44)を、
偽造有印公文書行使などの疑いで逮捕した。また、送金を依頼した中国人ら8人
を入管難民法違反などの疑いで逮捕した。張容疑者は「香港のボスの指示で送金
していた」と供述。大阪以外に東京、愛知など7都県にも、送金依頼者からの入
金用口座があったといい、同部は年間200億円以上が「地下銀行」経由で中国
に不正送金されたとみているという。
★[02/17] 時事通信によると、中国から贈られた国際保護鳥トキのペア、雄のヨ
ウヨウ(友友)と雌のヤンヤン(洋洋)が飼育されている新潟県新穂村の佐渡ト
キ保護センターで、飼育担当の近辻宏帰参事らが17日会見し、2羽の近況につ
いて明らかにした。初めての雪を体験、寒波の到来など厳しい寒さの中でも健康
状態は良好で、食欲もおう盛で抵抗力を付けているという。
★[02/17] 17日付の国内各紙によると、昨年1年間の海外から中国への直接投
資契約は総額521億3200万ドルで、前年比2・21%増となり3年ぶりに
増加に転じたという。投資契約は1996年が約20%減、97年が約30%減
と大幅減少傾向にあった。また98年の実行ベースの直接投資額は前年比0・6
7%増の455億8200万ドル。これにより98年末までの累計で、直接投資
の契約額、実行額はそれぞれ5725億2000万ドル、2674億5000万
ドルになった。98年の直接投資は欧米からが大幅増となり、契約額では、欧州
連合(EU)からが前年比約40%増の59億1000万ドル、米国からが約2
6%増の62億1000万ドルだった。
★[02/17] 読売新聞によると、千葉県銚子市の中国人研修・実習生受け入れ団体
「全国生鮮食品ロジスティクス協同組合」が約二百人の中国人実習生から総額約
一億円の賃金をピンはねしていた事件で、元実習生ら六十人が十七日、同組合と、
受け入れ先の水産加工会社十五社を相手取り、賃金など計約三千八百万円の損害
賠償を求める訴えを千葉地裁八日市場支部に起こした。
★[02/16] 日本各紙によると、神戸、長崎などの中華街で旧正月を祝う祭りが開
催された。神戸では神事が行われた後、商店主らが伝統の服装で身を飾り、縁起
物の水ギョウザと紹興酒を観光客にふるまった。長崎ではランタンフェスティバ
ルが催され、獅子舞や雑技などが会場をにぎわせた。
★[02/16] 共同通信によると、本田技研工業は16日、2001年度末までに国
内各地に約100店の四輪車専売店を開設することを明らかにした。広州市の合
弁工場で今年秋から乗用車「アコード」を本格生産することに伴うもので、国内
での四輪車の販売店網の本格展開は、日本の自動車メーカーとしては初めて。販
売車種は広州で生産するアコードのほか、販売状況に応じて日本からも輸出する。
広州市の工場では、日本から輸出した部品によるノックダウン生産を2月から開
始し、秋からは現地調達した部品を使った本格生産を始め、2001年には年産
3万台のフル稼働にする計画。
★[02/16] 時事通信によると、野中広務官房長官は16日午後、衆院予算委員会
の行革・経済対策に関する集中審議で、在日外国人に地方参政権を付与する問題
について「在日韓国人からは(導入を求める)話があるが、朝鮮総連には反対の
意思がある。全体としてどうあるべきかについて、前向きに検討しなければなら
ない。(同時に)慎重に対応するということで、もう少し時間をいただきたい」
と述べ、導入に向け慎重に検討作業を進めていく考えを示した。
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【中日関係】
歴史問題にめぐる中日関係についての諸意見
毎日新聞によると、江沢民国家主席が離日して1カ月あまりたった今年1月1
2日夜、来日中のキャンベル米国防次官補代理主催の夕食会が、東京都内のフォ
スター米駐日公使の私邸で開かれた。招かれたのはアジアに詳しい日本の学者た
ち。出席者の耳目を集めたのは中日首脳会談にからむキャンベル氏の極秘情報だ
った。
「人民解放軍の兵士ら200人が連名で江主席に手紙を送ったという。歴史問
題にこだわりすぎて、戦域ミサイル防衛(TMD)や日米防衛指針(ガイドライ
ン)など、大事な安保問題の論議が十分でなかったということらしい」
日本は、昨年8月の朝鮮民主主義人民共和国のテポドン発射後、TMDの日米
共同技術研究参加を決めた。政府はこれに繰り返し反発した。首脳会談で大きな
テーマになると身構えた日本外務省は膨大な資料を作成したが、「驚いたことに
一切、議題にならなかった」(日本外務省幹部)。
その代わり、江主席は日本の軍国主義化への懸念を繰り返し語った。だが、日
本政府は、侵略の「おわび」を文書に盛り込むようにという中国側の要求を突っ
ぱねた。台湾問題についても、米国が中国に配慮して打ち出した「二つの中国は
認めない」など「三不政策」の表明を拒んだ。
歴史認識をめぐる批判と謝罪の繰り返しに終止符を打ち、中日は新たな段階に
入ったとみる日本の外務省だが、田中明彦・東京大学教授は、主席の公式訪日と
いう外交機会が当分ないことを考えれば、今回の訪日は結果的に中日関係の分水
嶺(ぶんすいれい)となる可能性があると指摘する。
江主席の離日から間もない昨年12月12日夜、河野洋平・元日本自民党総裁
が上海大劇院に招かれ、平和友好条約締結20周年を記念した中日合作バレエ
「鵲(かささぎ)の橋」の初演を楽しんだ。観劇に先立ち、河野氏は汪道涵・中
国海峡両岸関係協会長と会っている。
台湾問題の大陸側責任者である汪氏は江主席の前の上海市長で、江主席の「後
見人」という顔を併せ持つ。汪氏は歴史問題に関する江主席発言を「中国人民の
気持ちの代弁」と擁護しながらも「中国人は心中では、中日の明るい未来を期待
している」と強調した。
中日首脳会談直後の昨年11月30日には、中国問題を研究する日本のシンク
タンク「アジアフォーラム・ジャパン」(AFJ)が調査団を上海に送った。上
海の学者たちとの交流の場で中国側有力者の一人は「歴史問題はもう少し努力す
ればよかった。野中広務官房長官の南京訪問や教科書など、日本の取り組みは進
歩してきた。その実態を研究して指導部に上げれば説得力がある」と発言した。
入江昭・米ハーバード大学教授は「帝国主義の犠牲になったという中国人の被
害者意識は、アヘン戦争にまでさかのぼる。これは中国の国家としてのアイデン
ティティーにかかわる問題だ」と指摘する。中国が歴史認識問題を対日外交戦術
や駆け引きだけに使っているという近視眼的な見方から脱しない限り、中国側の
「反日」ムードは再生産されていく、と入江氏は見る。
現代中国に詳しい国分良成・慶応大学教授は「今後は日本がムキにならないこ
と」と語る。中国は日本の出方を探りながら、次に何をすればいいか真剣に考え
始めた。日本も中国の多面的な対日観を踏まえ、対中姿勢を考え直す機会にすべ
きだというわけだ。
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【中米関係】
朱首相が四月に訪米、WTO加盟が焦点
朝日新聞によると、今年の中米関係の最大の行事である朱鎔基首相の四月の初
訪米の日程が固まった。中国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉を加速させて、
朱首相の訪米時の「目玉」にするのが目標だ。外交筋によると、朱首相は四月六
日から米国訪問を開始する予定で、西海岸で時差調整をしたあと、八、九両日ワ
シントンを訪問。クリントン大統領との会談や、ゴア副大統領と共同議長を務め
る中米環境エネルギー開発会議の開催が予定されている。
クリントン大統領の昨年六月の訪中で「戦略的パートナーシップ」を目指した
はずの中米関係だが、人権、安全保障で問題が山積しており、クリントン大統領
の弾劾審議を終えた米議会も次の標的を「中国」に絞りつつある。朱首相の訪米
準備のため、オルブライト国務長官らも来月から相次いで訪中する。
朱首相は六日間の米国滞在中、ニューヨークのほか、農業視察で中部の州など
を訪問することも検討しているという。米国の後はカナダを訪問する。
WTO交渉では、農業、サービス分野を中心に「商業的に意味のある合意」を
求める米国に対し、中国も経済の先行きに不安が広がっており、朱首相の経済改
革への抵抗も強まっている。
だが、二〇〇〇年からWTOの新しい貿易自由化交渉が始まるため、米国は今
回を逃すと加盟条件はいっそう厳しくなる、と警告している。「(首相訪米は)
中国にとって、たぶん最後のチャンス」(バーシェフスキ通商代表)と「首相の
決断」を呼びかけている。
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【中ロ関係】
朱首相が24日から訪露し、貿易促進で合意へ
読売新聞によると、朱鎔基首相は、ロシアのプリマコフ首相との定期首相会談
に出席するため、二十四日から四日間の日程で公式訪露する。
会談では、良好な政治・外交関係に比して不振が際立つ経済・貿易関係の立て
直しが主要テーマとなる。両国は、天然ガスなどロシアでのエネルギー資源共同
開発やモスクワに中国の貿易センターを設立し、ロシア産木材の中国への輸出増
を図るなど、政府主導の貿易、投資の促進で合意する見通しだ。
中国側統計によると、昨年の両国の貿易額は、前年比10・5%減の五十四億
ドルにとどまった。「ルーブル切り下げが輸出に響き、ロシア経済混乱と政治の
不安定化で中国企業が投資に慎重になった」(中国のロシア専門家)影響が続い
ているため。
北京のロシア筋によると、朱首相は、エリツィン大統領とも会談する予定。両
国は、コソボやイラク問題で武力行使反対を表明するなど、米国に批判的な立場
で一致しており、朱首相訪露中も、そうした国際問題で意見交換し、パートナー
シップを確認するものと見られる。
また、タス通信は22日、24日からの朱鎔基首相のロシア訪問の際、中国で
建設中の実験用高速炉に対する燃料供給などロシア側の協力を盛り込んだ協定に
ついて協議する予定だと報じた。同協定は昨年末に開かれた中ロ間の原子力協力
委員会で提案されたもので、朱首相の訪ロ時にはさらに中国でのウラン濃縮工場
建設問題なども協議される予定という。
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【歴史問題】
「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」の日本語版が出版延期
朝日新聞によると、一九三七年末から翌年にかけて、旧日本軍が多数の南京市
民らを虐殺、暴行した「南京大虐殺」を告発し、米国内でベストセラーとなった
「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」の日本語版の出版が延期された。原作の掲載写
真の信ぴょう性や直接な描写に対して批判があり、東京の出版社が改訂を打診し
た。しかし、著者側が原作に忠実であるよう求めて応じず、出版交渉が暗礁に乗
りあげたためだ。この間、出版社が日本の右翼勢力に脅迫されるなど不穏な動き
もあった。
著者は六八年生まれの中国系米国人ジャーナリスト、アイリス・チャンさん。
原作は九七年末に出版され、米紙大手の書評やテレビで激賞された。これまでに
約五十万部が売れているという。大陸と台湾でも翻訳されている。
冒頭で「身の毛のよだつ数々の物語も、その残酷さで比較できるとすれば、第
二次世界大戦中の南京大虐殺ほど大規模で苛烈(かれつ)な残虐行為も歴史上ま
れだろう」と記し、南京陥落までの経過や虐殺の模様を、元兵士の回顧録や内外
の学者の見方などを交えながら描写している。
一方、昨年春ごろから、記載の犠牲者数やその根拠、掲載写真の真偽について
日本の月刊誌などが批判を始めた。「首切り」のシーンや性犯罪に関する十枚以
上の写真が「事件に関係ない」との分析もあった。四月には、斉藤邦彦日本駐米
大使が「不正確で一方的な見解だ」などと発言。中国の在米大使館が「南京大虐
殺は歴史的事実」と反論する事態にも発展した。
出版元の柏書房によると、チャンさんは固有名詞の間違いなど約十カ所の修正
には応じたものの、訳注や解説を付けることについて「原著にない」などの理由
で拒否したという。
そこで柏書房は、日本国内の南京大虐殺の研究成果や、月刊誌に登場した批判
を転載して別の本にまとめて同時に刊行し、英語版も出そうとした。
出版予定がチラシなどで広まると、柏書房に出版取りやめを要求する電話が寄
せられるようになった。二月初めには「出版すれば何らかの行動を起こす」など
と、右翼団体を名乗る差出人から脅迫状が届いた。
そんな中で、チャンさん側が最近、「別の本が出ることは承知していなかった」
と出版差し止めを求めてきたため、柏書房は「不十分な形では出したくない」と
二月末に予定していた刊行を延期した。朝日新聞はチャンさんに経緯を問い合わ
せたが、十八日夜までに回答はなく、関係者には「(柏書房側から)解釈に関し
て書き直したい個所があると言ってきたので、翻訳の枠を超えていると返事をし
た」と説明しているという。
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【経済交流】
日本政府が中国の脱フロンを支援
共同通信によると、日本政府は20日までに、中国が、成層圏のオゾン層を破
壊するフロンから脱却するための事業を、民間企業と協力して支援することを決
めた。オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書の基金に毎年拠出してい
る資金の一部を二国間事業に使える制度を活用する。昨年と今年の2年分を合わ
せ最大12億円規模で、中国の新たな工場建設などを支援する。同基金への拠出
金を日本が二国間援助に利用するのは初めてだという。
テレビのブラウン管や液晶製造プラントの部品洗浄剤を、フロンから純水系に
転換する事業や、冷蔵庫などの冷媒の回収、再利用技術、オゾン層を破壊しない
代替フロンのハイドロフルオロカーボン(HFC)を使うコンプレッサーの製造
工場などが候補に挙げられている。
日本政府は、事業選定について既に中国側と折衝に入った。同時に、通産省を
中心に、事業に参加する国内の関連企業や商社を募っている。
オゾン層破壊物質の削減スケジュールを決めているモントリオール議定書は、
発展途上国の脱フロン支援のために先進国による基金を設置した。拠出金は、2
0%を上限に、拠出国と途上国との二国間の事業に活用できる。
日本政府筋によると、日本が二国間事業に使えるのは年間約6億円。既に二国
間に使うことを表明している1998年分と、これから表明する99年分を合わ
せ、約12億円を使うことができるという。
日本政府はこれまで「国際的な枠組みの中での協力が基金の基本」などとして、
二国間事業を検討してこなかった。しかし、途上国のフロン削減が今年から始ま
ることや、途上国の環境対策を支援する姿勢をアピールするとの考えから姿勢を
変更した。
ただ、事業の候補の一つに挙がっているHFCは強力な地球温暖化物質であり、
国内では、同じ基金を利用してドイツが、温暖化作用のほとんどない炭化水素を
冷媒に使った冷蔵庫の製造プラントを建設している。このため、日本によるHF
C関連プラントの協力事業には環境保護団体などからの反発も予想される。
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【海峡両岸】
台湾海峡に海底トンネルの建設計画
毎日新聞によると、台湾海峡に海底トンネルの建設が計画されているという。
台湾海峡の20世紀後半は分裂と対立の半世紀だった。大陸と台湾。「国共内
戦」に敗れた国民党が台湾へ逃れてから今年でちょうど50年を数えるが、世紀
の変わり目を迎えても内戦状態は終結していない。清華大学21世紀発展研究院
の呉之明教授(58)はその台湾海峡に海底トンネルを建設する計画を進めてい
る。最短部分で全長150キロという壮大な事業の完成目標は2030年。「2
1世紀最大の建造物」になるのか、それとも机上の空論に終わるのか。そして、
もしトンネルが開通した時、両岸関係はどのような展開を見せているのだろうか。
ドライブウエーのカーブを曲がると、フロントガラスに穏やかな海が広がった。
北緯24度。アモイ島東部。2月だというのに、路肩の花壇には初夏を思わす鮮
やかな色彩の花が咲きあふれている。
「あれを見て下さい」
同行のアモイ市政府職員の指先をたどると、4キロほど沖合に小島があった。
台湾が実効支配する大担島。看板に書かれた「三民主義、中国統一」の文字がか
すかに見える。車をさらに進めると、今度は道端に「一国二制、平和統一」の看
板が大担島に向かって立っていた。大陸と台湾がそれぞれに「統一」を訴えてい
るのだ。
その海峡間をトンネルで結ぼうという呉之明教授の巨大プロジェクトのきっか
けは英国訪問だった。
1995年暮れ、大学間交流でロンドンに滞在して間もないころ、呉教授は英
仏間のドーバー海峡トンネルを駆ける「ユーロスター」に乗った。海底数十メー
トルを走る特急列車のシートに体を沈めながら、思いついたのが台湾海峡トンネ
ル構想だった。
「欧州連合(EU)が1本のトンネルによって結びつきが強まった。台湾海峡
にも同じようなトンネルを通すことができないかと研究を開始したのです。欧州
は異なる言語を話す異なる民族が住むが、大陸と台湾は同じ中華民族。ドーバー
海峡より、もっと意義があるはずだと」
「現在、直行貨物船で12時間かかる両岸の往来がトンネル開通後は2時間た
らずに短縮される」。帰国後、呉教授はある学術会議で構想を発表した。
「正直言って『千夜一夜物語』と一笑に付されるかと心配していたが、国内外
の建築学者から賛同を得ました。これに勇気づけられました」
97年9月、自身が所属する清華大学21世紀発展研究院内に「台湾海峡トン
ネル論証センター」を開設、代表(主任)に就任し、プロジェクトを具体化させ
た。
ナポレオンが欧州に君臨した19世紀初頭。一人の技術者が思いついたドー
バー海峡トンネル構想は26回に及ぶ計画中断を経て87年に着工され、発案か
ら実に約200年後完成した。最短区間でもそのドーバー海峡の3倍の長さとい
う台湾海峡トンネル。呉教授は「21世紀初めに工事をスタートさせたい」とを
ぶち上げた。
「大陸と台湾の間に克服すべき問題があるのは認識している。しかしトンネル
は両岸の関係を発展させ、安定した将来を構築できるのです」
昨年11月25日、呉教授はアモイで開催された「台湾海峡トンネル論証学術
検討会」(清華大21世紀発展研究院、台湾大学土木文教基金会共催)でこう論
じた。両岸の二つの名門大学が手を握り合う形で開いたこともあって、両岸はも
とより香港、米国、フランス、シンガポールや日本の学者、研究者らが参集した。
それを契機に、大陸メディアをはじめ、香港の親北京系紙が争うように相次い
で呉教授のもとへ取材に訪れ、一躍「時の人」となった。と同時に、背景には台
湾統一への機運を盛り上げようとの当局の計算も、におい取れた。
福建省の沿岸各都市を歩くと、地元政府や両岸関係研究者の多くからは「(ト
ンネル構想は)知っているが、実現性となるとちょっと……」という共通した声
が返ってくる。海峡間の「3通(直接の通航、通商、通信)」が実現していない
現状に加え、統一問題のタイムテーブルも見えてこない。
それでも呉教授の思いは熱い。「20世紀の終末に描いた計画を次世紀には現
実にするのが、われわれの次の世代への責務です」
かつて軍の管制下にあり、民間人の立ち入りは厳しく制限されていた大担島を
はじめ、金門島など、今や「台湾を間近に望める」観光スポットに化し、緩和
ムードも肌で感じ取れる。
「海峡トンネルができたら、このあたりはもっと変わるのか」。海岸沿いのド
ライブウエイは夕焼けの時刻となった。そんなことを考えながら、カーラジオを
つけると、台湾の放送局から流行歌が流れてきた。
――それにしてもスケールの大きな台湾海峡トンネル構想ですね。
「最高水準の技術で、最高の作品を残したい」。技術者はだれもそんな夢を
見ます。既存の海峡トンネルの3倍の長さというトンネル建設を思いついた時、
まさに生涯の夢にふさわしいと感じました。
――概要を説明して下さい。
鉄道と道路の両用トンネルを掘りたい。私の案では福建省と台湾島の間に四
つのルートを策定してみました(別図)。このうち最北の平潭―新竹間が最有力
です。トンネルの地下部分は114キロで最短。このルートは台北と福州(福建
省の省都)に近く、高い利用率が望める。
――採算は合いますか。青函海峡トンネル(54キロ)やドーバー海峡トンネ
ル(50キロ)は当初の見込みを下回る利用実績ですが。
97年に深セン(広東省)を通って香港から大陸に渡った人数は延べ600
0万人を超えた。台湾海峡トンネルができれば、流動はこれをはるかに超え、台
湾資本の対大陸投資や物流も便利さから飛躍的に伸びるだろう。
――技術的な障害も少なくないでしょう。
その通り。台湾海峡の地層は比較的新しく、地質構造も複雑。地下断層の活
動もあり、地震多発海域も含まれる。工事に当たっては両岸の一層の協力が必要。
先進技術を持つ日本の協力も求めたい。
――肝心の建設資金は。
双方の民間、また公的組織で「台湾海峡トンネル基金」の創設を考えている。
それに国外からの借款、株券の発行を加え、大まかに見積もって総投資額は1兆
4400億元(約13兆円)。工期は事前準備、試験走行を含めて約16年。開
通後は通行料などで年間2200億元の利益が出る計算で、6〜7年で投資は回
収できる。
――呉教授の構想に対する当局の評価は。
公式の支持や反応はありませんが、アモイでのフォーラムでは福建省の指導
者も出席、賛同の言葉を贈ってくれた。計画がさらに具体化すれば、支援してく
れると信じている。
――大陸と台湾の間の政治的問題が最大の障害だと思いますが。
難しさは十分に認識している。だが、民間窓口同士のトップ会談も昨年10
月に再開されるなど関係改善の流れはトンネル建設にも大きな作用をもたらす。
何より「両岸は一つ」という最大の象徴になる。
――台湾側の反応はどうでしょう。
フォーラムには台湾から9人の学者が参加、何より夢のある計画と評価してく
れた。同時に21世紀には台湾経済を取り巻く国際競争の激化も考えられる。
それがトンネルにより大陸沿岸部と結ばれると、市場や生産拠点を今以上に大陸
に求められるわけだ。トンネルは台湾側にも大きな利点がある。
略歴
呉之明 1940年8月、上海生まれ。18歳の時、北京の清華大学水利工程
学部に入学後、現在まで40年間、同大で研究生活を続けている。この間長江
(揚子江)中流に建設中の世界最大のダム、三峡ダム工事にも水利技術者として
携わった。清華大は朱鎔基首相、胡錦濤国家副主席が学び、中でも「中国の次世
代の指導者」と目される胡錦濤副主席は同じ水利工程学部の2年後輩に当たる。
「学生時代からよく知っていますが、今はあまりに立場が違いすぎて…」(笑い)
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【海外華人】
政治参加への期待膨らむインドネシアの華人社会
共同通信によると、インドネシアの華人系住民は十六日、民主化政策を進める
ハビビ政権下で初めての春節(旧正月)を迎えた。華人差別は依然根強いものの、
スハルト前大統領時代と異なり、華人政党が誕生するなど変化の兆しも見え、華
人社会にはタブー視されていた政治参加への期待が広がっている。
ジャカルタの仏教寺院、金徳院では同日、朝から多数の華人系住民が参拝した
が、タイなどほかの東南アジアの中華街でみられるような祝賀行事のにぎわいは
なかった。インドネシアでは人口の約三%の華人が経済の半分以上を支配すると
いわれる。経済的に裕福な華人は頻繁に攻撃対象となり、前大統領退陣の引き金
となった昨年五月の暴動でも華人商店の略奪や華人女性への暴行が多発した。
スハルト前政権時代から中国語による民族教育や文化活動は禁じられ、政官界
の進出もごく限られている。しかし、ハビビ政権誕生後の政治の自由化で、華人
政党が誕生したほか、昨年十月には華人以外のインドネシア人を区別して表現す
る「プリブミ」という言葉を廃止する大統領令が出された。大統領諮問機関の最
高顧問会議の一員である華人ユヌス・ヤハヤさん(71)は「スハルト前政権は
華人に経済活動の自由しか与えず、華人側もインドネシア社会に入ろうとしなか
った」と過去を総括する。
華人人口が少ないため華人政党では議席を獲得できないと疑問を示した上で
「総選挙では一般政党を支持することで、華人はインドネシア国民として初めて
本格的に国づくりに貢献できるだろう」と期待を表明した。
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【国内見聞】
新春の爆竹
韓東剣
明日は旧正月、車一時間半はで北京にある私の実家に着ける。しかしこ
んな忙しい時期に休むわけにはいかない。偽「ジャパニーズ・ビジネスマン」の
私は正月気分一色の天津市街を去って、日本への帰途−−空港に向かった。
外環線を90キロで車を走らせる運転手、タバコに火を点け、にやりと笑って
私に声をかける。
「先生、幼いごろ爆竹が好きだっだでしょう。」
「そうですね・・・」とうなずく私。
「北京は爆竹禁止となったのは残念ですね。」
「とても残念です。」
「昨日楊村行って買ってきた。どう?やろうか。」
私の答えを待たずに道路のど真ん中に車が止まった。
「ま、まさかここに駐車するじゃないよね!」
「大丈夫さ。」と運転手はサンタナ2000のトランクを開く。私がさらにビック
リしたのはトランクの半分がさまざまな爆竹に埋められている。これが爆発した
ら車はきっと空まで飛んでいく!
「こいつはどうですか。」と運転手が一番大きいのを手にした。正直に言って
これは爆竹ではなく、爆弾しか言いようがない。なんと太さは缶ジュース1個分
で、長さは缶ジュース2個分の豪快ぶり。
運転手が爆弾をセットしている間に、何台かの車がとまってきた。(道路のど
真中だよ)皆が笑顔でこっちに向かってくる。
私は車を降り、道路脇に退避してタバコを一服する。
「ドーン」
爆弾は昇天していった・・・・・・
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【文化生活】
性開放は中国の伝統?
共同通信によると、最近、中国を訪れる外国人が驚くのは、デパートや薬局の
ショーウインドーに、大量の「大人のおもちゃ」が陣取っていることだ。幼児が
バイブレーターを指さして「お母さん、あれ何?」と尋ねている。
人文科学の殿堂、中国社会科学院の李銀河研究員は、広東省の新聞「南方周末」
に寄稿、「中国と西洋の性文化の相違の反映だ」と分析した。
西洋価値観の源流であるキリスト教は性を罪悪視する。一方、中国では伝統的
に「性は自然で、陰陽の調和」とみなされてきた。性を隠す必要はない、との高
説だ。
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【文化生活】
コーヒーの飲み方
16日付けの毎日新聞に、次のように金子秀敏氏による記事が掲載されている。
知り合いの中国人と北京のホテルでお茶を飲んだことがある。ボーイがコー
ヒーを運んできた。知人は砂糖をかき回す小さなスプーンでコーヒーをチューッ
とすすった。少し前の中国では、そう珍しいことではない。
だが、いかにも飲みにくそうだ。気になるが、知り合いだけに「その飲み方は
違う」などと注意しにくい。わざとカップを口に当てそのままにしたりしたが、
相手は一向に動じない。
ある時、北京で有名な中華レストランの支配人が「日本人は良い身なりをして
いるのに、やることはダサいね」と笑っている、という話を耳にした。
中華料理のスープは、受け皿に付いてくるレンゲを使って飲まなければならな
い。スープわんにじかに口をつけるのは御法度だ。ところが日本人客は、高級な
フカヒレスープなどを注文するくせに、わんからじかにスープを飲む。礼儀作法
がなってない、というわけだ。
日本人は、みそ汁を飲むのにスプーンなど使わない。それと同じ感覚なのだが、
中国人にはレンゲを使わないのがとても奇妙に見えるらしい。
そうか。あの時、コーヒーをスプーンで飲んでいた中国人は、きっと心の中で
やきもきしていたのだ。「スプーンがあるじゃないか。カップに口を付けて飲む
なと教えてやりたいが、言いにくいな」と。
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