第196号 

1998年(平成10年)5月6日発行    1994年(平成6年)11月 1日創刊

目 次●com/j1998/05a.txt next (j1998/05b) previous (j1998/04c)
新聞簡訊
安全保障●中日間防衛交流
中米関係●「天安門制裁の解除を検討」
祝賀式典●北京大学100周年式典
国際評価●アジア安定の貢献者か報道の敵か
市場経済●住宅を個人資産として認める
報道放送●活動家王丹氏へのインタビュー要旨
香港事情●民主活動家が新華社を提訴
留学制度●入学OKでも日本入国NO
行政改革●失業官僚にリクルート合戦
歴史残影●自民党訪中団初めて「南京大虐殺記念館」訪問へ
歴史残影●話題の書「南京虐殺」
社会之窓●日本に密輸の覚せい剤、大半が中国製
社会之窓●列車盗賊頻発、保険会社も拒否
文芸情報●崔健アルバム新発売及びビデオ上映会のご案内・・・・・・・毛丹青
訪中寄稿●日本人から見た中国の「七不思議」
【新聞簡訊】

★[05/06] 中国人民銀行6日発表の元レートは次の通り。(単位、元)
 日本円(100円)       6・2309
 米ドル(100ドル)    827・8100
 香港ドル(100ドル)   106・9000

★[05/04] 日本で性描写が多いことで話題になったテレビドラマ「失楽園」の原 作(著者渡辺諄一氏)が北京の文化芸術出版社と香港の天地図書出版公司が共同 で版権を取得して国内に出版された。赤裸々な性描写も「基本的にそのまま翻訳 している」(同出版社)という。法制日報では、「大団円の愛情物語を読み慣れ た中国の読者にとっては、全く新しい愛情の解釈となるかもしれない」と、この 本の書評を掲載した。

★[05/02] 米ワシントン・タイムズ紙は、米中央情報局(CIA)の新しい秘密 報告書によると、中国が保有する戦略核ミサイルCSS4(射程約一万二千八百 キロ)十八基のうち十三基が米国内の都市に、残り五基がロシアなど近隣諸国に それぞれ照準を合わせていると報じた。AP通信も同日、同じ内容を報じた。米 政府は昨年、中国政府に双方の核ミサイルの照準を外し合うよう提案したが、中 国側は核の先制不使用を逆提案し、合意はできないままとなっている。

★[05/02] 米政府当局者は、六月に中国を公式訪問するクリントン大統領の歓迎 式典が、北京の人民大会堂前の天安門広場で開かれる事を明らかにした。同広場 は、一九八九年六月の民主化運動弾圧の現場で、人権問題を重視する米国は難色 を示していたが、中国側が同広場での歓迎式典を慣例として強く求め、米国が折 れた形となった。

★[05/01] 時事通信によると、四月二十八日から釣魚島(日本名:尖閣諸島)付 近で、日本が主張している「排他的経済水域内や領海内」で海底測量をしていた 中国の海洋調査船「奮闘七号」は一日午前、同水域外に出た。日本海上保安庁の 巡視船がこれを確認し、引き続きレーダーで監視している。

★[04/30] 韓国の聯合通信によると、韓国を訪問中の胡錦濤国家副主席は、訪問 先の済州島で記者会見し、中国人の渡航制限が緩和される海外旅行自由地域に韓 国を指定することについて「積極的に検討するよう、関係機関に指示した」と述 べた。済州島は四月から、中国人観光旅行者へのノービザ制度を実施しており、 観光収入増を目指す韓国政府は、韓国を中国人の海外旅行自由地域に指定するよ う働き掛けていた。

★[04/30] 時事通信によると、ダライ・ラマ十四世は二十八日、ニューデリー中 心部の公園で二十七日に中国政府に抗議して焼身自殺を図ったチベット系住民の 男性を見舞った。この後、ダライ・ラマは記者団に「チベット系住民の間に欲求 不満が高まっている」と述べ、非暴力主義でチベット自治政府樹立を求める運動 に住民が不満を抱いているとの認識を示した。男性は二十九日未明、死亡した。

★[04/30] エイシャン・ウォールストリート・ジャーナル紙が関係筋の話として 中国人民銀行は、合理化のため年末までに早期退職などで本店の2000人余り の職員のうちの45―50%を削減する方針にあるという。また他部門と担務が 重複する調査統計局など一部の部門は廃止される予定という。香港の経済専門家 の間には人員の削減は必要だが、市場経済の推進に人民銀行の機能は更に強化が 必要との声がある。

★[04/29] 毎日新聞によると、全人代常務委員会は、来年12月のポルトガルか らのマカオ返還の準備作業を行う「マカオ特別行政区準備委員会」の委員100 人を選出した。委員の内訳は大陸側40人、マカオ側60人。代表である主任は 銭其シン副首相、同準備委は5月に発足する。

★[04/29] 時事通信によると、人権団体「中国人権」(本部ニューヨーク)は、 活動家で強制労働施設に収容されている劉念春氏が重病にかかっているとして、 劉氏の妻と母が「治療のための仮釈放を求めて五月四日に天安門広場でデモ行進 をしたい」と、北京市公安局に申請したことを明らかにした。今回のデモ申請を 公安局がデモを許可される見込みはないが、魏京生氏や王丹氏の出国で、北京訪 問中のオルブライト米国務長官に他にもまだ政治犯がいることをアピールしたい ものと見られている。

★[04/26] 新華社電によると、人口抑制のための産児制限政策で「一人っ子」時 代を迎えている国内で、少年の犯罪や非行を防止し、健全育成を目指す少年違法 行為予防法案が全人代常務委員会第二回会議に上程された。少年を対象にしたこ の種の法律制定は初めて。十四歳から十八歳に適用され、法案では、家庭や学校 の教育責任を定めているほか、両親の離婚など特殊な事情で進学できなかった少 年への支援措置や、違法行為をした少年の教育と更生措置なども規定されている

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【安全保障】
中日間防衛交流

 今年2月に遅浩田国防相が訪日したに続き、日本の久間章生防衛庁長官が中国 を訪問し、中日間の防衛交流が一歩前進した形となった。

 今回の久間防衛庁長官の訪中ではやはり新しい日米防衛協力のための指針(ガ イドライン)が焦点となった。

 久間長官が「日本の平和と安全への影響を考え、ガイドラインの実効性を確保 するための法案だ」と理解を求めが、遅国防相は「台湾は中国の内政問題であり、 台湾海峡を日米安保協力の範囲に組み入れるのは主権の侵犯だ」と、強い調子で 懸念を表明し、台湾や台湾海峡を周辺事態(有事)の対象とすべきでないとの立 場を鮮明にした。その上で、「台湾への日本の態度や立場を明確にするよう希望 する。(法整備に)留意していきたい」と周辺事態措置法案などの行方を注意深 く見守る姿勢を強調した。

 ガイドラインは極東有事に備え、日本の軍事協力をより高く引き出すため、ア メリカの意向に従ったものだが、当初は朝鮮有事を想定したものと言われながら も、これをはっきりすると関係諸国を刺激することになり、また事実的に「周辺」 の範囲について日本の外務、防衛官僚の本音としては「台湾はもちろん入る」で あっても、これには中国政府の強い反発を受けるため、日本政府はずっと「周辺 有事かどうかは日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうか、事態の性質に 応じて判断する」(久間章生防衛庁長官)。とこれまで地理的に境界を引くよう な言い方を拒んできた。

 しかし、「周辺有事」の見解めぐり 日本政府内にも足並みの乱れがあり、先 月16日のアジア調査会主催の講演で、柳井俊二日本外務事務次官は「周辺地域」 を「日米安全保障条約の『極東』の範囲と概念的には同じ」と説明、波紋を広げ た。

 柳井氏が触れた「極東」は日米安保条約6条にある地理的概念で、1960年 の日本政府統一見解で「大体においてフィリピン以北、日本及びその周辺の地域 で、韓国や台湾地域も含まれる」と解釈を示している。最終的に日本外務省は、 「周辺地域と極東は密接な関連があるが、範囲は同じではない」(竹内行夫条約 局長)と柳井発言を修正し、橋本龍太郎首相も先月30日の国会答弁で「あらか じめ地理的に画定し得るものでない」と改めて釈明した。日本国内に対しては 「戦略的に(地域を)あいまいにしておく方がいい」(加藤紘一自民党幹事長) と説明し、外交上の思惑から、地域的にはグレーゾーンにしている。

 こうしたガイドラインにめぐる動きに対し、解放軍報は二日、日本政府が閣議 決定したガイドラインの関連法案について、「国内外の潮流に逆行したやり方」 と題する評論文を掲載、同紙は海峡で紛争が発生した場合、周辺事態に相当する かの判断を日米両国が行うことを問題視し、「このような表現方法は、事実上、 台湾海峡を日米防衛協力の範囲内に含めるものだ」と批判した。

 久間長官も会見で「ガイドラインと、(一つの中国を認めた)日中共同声明と は両立しうる」と述べたが、同時に「(中国側は)これで分かったとはなかなか ならない点もある」と、十分な理解が得られていないことも認めた。

 しかし、今回の防衛交流によって、双方は更に交流を深めていくことで一致し、 傅全有総参謀長の年内の訪日と夏川和也統合幕僚会議議長の訪中、秋山昌広日本 防衛事務次官の年内訪中―などの防衛交流を促進することを確認した。また、久 間長官からは「日中いずれかの艦艇の早期訪問を実現したい」との意向表明があ り、遅国防相も「あらゆるレベルで交流を積極的にしたい。さらに調整させてほ しい」と答え、一応「おつきあいをしましょうという形」(日本防衛庁幹部)だ けはできたが、日本側が「話をする機会を作ることを目標にしてきたが、何を話 すのかはまだ、だれも考えていない」(日本防衛庁幹部)というのが本音と見ら れ、東アジアの安全保障問題を巡って中国と日本の駆け引きはこれからが幕開け となりそうだ。

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【中米関係】
「天安門制裁の解除を検討」

 時事通信によると、中国訪問の公式日程を終えたオルブライト米国務長官は4 月30日北京で記者会見した。オルブライト長官は、一九八九年の天安門事件以 来残されている対中制裁について「関連するさまざまな問題を再検討している」 として、人権状況の改善などを見ながら段階的に緩和を進める考えを示した。

 同長官はこの日、中国に進出している米企業代表との朝食会でも、「原子力利 用や衛星打ち上げなどの制裁はこれまでも一部緩和しており、今後も中国側の対 応次第でさらに検討していく」と述べた。

 政府のスポークスマンも同日、「制裁は両国関係にそぐわない」とし、「制裁 は中米間の経済貿易関係の発展に不利」として全面解除を要求した。

 朝日新聞は米政府高官の話として、解除を検討しているのは対中制裁のうち、 海外投資保険など通商関連の一部。米国はその条件として、政府に国際人権B規 約(政治的市民的権利)の早期署名や、昨年廃止された「反革命罪」に問われた 民主化運動関係者らの処遇の見直しなどを求めている。

 オルブライト長官は同日、江沢民国家主席と会談し、同長官はクリントン大統 領からの親書を渡し、訪中時に「戦略的パートナーシップ」の確立に向けて、両 国間の関係を一層強化する決意を伝えた。一方、宗教活動の自由やミサイル関連 技術の拡散などへの懸念を表明し、政府の対応を求めた。

 中米関係はこの「全面的な戦略的パートナーシップ」を目指して、六月末のク リントン大統領の訪中まで、両政府間で駆け引きが続く。

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【祝賀式典】
北京大学100周年式典

 北京大学の創立百周年を記念する式典が4日人民大会堂で行われ、江沢民国家 主席、李鵬全人代常務委員長(国会議長)、朱鎔基首相ら指導者のほか、世界各 地の大学学長ら八千人以上が参加した。

 新華社電によると、江主席は式典で演説し、その中で一八九八年設立の「京師 大学堂」に始まる北京大学の歴史を振り返り、学生らが帝国主義反対などを訴え て起こした一九一九年の五・四運動にも言及した。「五・四運動の最も根本的な 精神は中華民族の愛国主義精神である」と強調して若者達に愛国主義精神を抱く よう訴えた。

 しかし、演説では北京大学が発火点の一つとなった天安門事件(89年)や大 学の自治については言及がなかった。

 北京大学は、五・四運動記念日のこの日に祝賀大会を設定したほか、「世界大 学学長フォーラム」など多彩な記念事業で百周年を盛大に祝っている。

 その一つに、北京大学と広告分野の交流を行っていた日本の電通が、中国側か ら開校百周年記念事業への支援を求められたことがきっかけで、四四年に北京大 学の前身の学校を卒業した名古屋鉄道の谷口清太郎会長らが発起人となって、財 界に寄付を呼び掛け、日本企業六十五社から寄付金約二億六千万円が集まり、キ ャンパス内に北京大学の歴史を振り返る校史博物館が建設されることになった。

 同博物館は校内の未名湖のほとりに建てられる予定で、二階建て延べ約三千平 方メートル。展示ホールには五・四運動はもちろん、日本の中国侵略で北京大学 が湖南省長沙市、雲南省昆明市に移転していたころの資料も展示される。博物館 は来年の五・四運動八十周年記念日にオープンする予定。

 一方、人民日報をはじめ、ほとんどの新聞や報道で北京大学を礼賛する記事が あふれている中で、中国経済時報は江主席の北京大学視察に触れず、大学批判の 評論を載せた異例な報道を掲載した。

 30日、中国経済時報は開校百周年を迎えた北京大学について特集し、「独立 の精神も自由の思想もない。論争がなければ、一門一派の思想理論の偏見養成所 になるだろう」と大学の現状を痛烈に批判する評論を掲載した。

 同紙はまた、国文科を専攻する大学院生の「北京大学を冷ややかに見る」とい う評論も掲載し、院生が「教師と学生のための北京大学、人文科学の北京大学で はもはやなくなった。権力の北京大学、生物学とコンピューターの北京大学に変 わってしまった」と、官僚主義がはびこり、自然科学を偏重する実態を嘆いた。

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【国際評価】
アジア安定の貢献者か報道の敵か

 共同通信によると、米国の民間団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ) は四月三十日、江沢民国家主席やインドネシアのスハルト大統領ら世界の十人の 指導者を「プレスの十人の敵」とする声明を発表した。

 五月三日の「世界報道の自由デー」を前に、同委員会は「十人は、いずれもジ ャーナリストに対し、身体への攻撃、投獄、検閲、嫌がらせ、殺害などあらゆる 手段を行使し、自由な報道活動を妨害している」と批判した。

 一方、北京大学主催の大学学長フォーラムに出席するため、北京を訪れた早稲 田大の奥島孝康総長は二日、記者団に対して、今年九月に日本を初めて公式訪問 する江沢民国家主席に対し、アジア・太平洋地域の安定に大きな貢献をしたとし て早大の名誉博士号を授与したい意向を中国側に伝えたことを明らかにし、奥島 総長は「早大は北京大学と学術交流の協定を結んで二十年近くになり、日本の大 学の中では中国との交流が最も深い。江主席の訪日時には早大で講演をして、名 誉博士号を受けていただきたいと中国側に要請している」と語った。

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【市場経済】
住宅を個人資産として認める
 国内では、国有企業が労働者に福利厚生の一環として低家賃で住宅を貸与して きた。市場経済化が進む中、朱鎔基首相は就任直後の記者会見で、国有企業改革 の推進や住宅産業の育成を通じた内需の大幅拡大を狙い、「住宅の商品化」を訴 えた。

 この方針に沿った形で、政府は住宅を個人の資産として認め、売買の自由化を 促進する政策を始めた。そのため、北京などの大都市部では、住宅の建設ブーム が起きている。

 共同通信の取材によると、政府関係者のAさんは、「政府は、低く抑えられた 家賃と実際の経費の差額を補助金で穴埋めしてきた。今回の政策変更で、この差 額分が給与に上乗せして支給され、住宅も購入できるようになった。五年後には、 売却もできます」と説明する。

 Aさんの住居は床面積が四十平方メートルほどの北京市内の集合住宅。購入額 は一平方メートル当たり約千元(約一万六千円)を基準に、住宅の築年数、賃借 者の勤続年数などを考慮して算定される。購入額の三分の一を頭金に支払うこと を条件に、十五年の住宅ローンが受けられるという。努力すれば家の買い替えに も道を開く政策変更は「労働意欲の向上に効果がある」とAさんは力説する。

 国有住宅の売却とともに、新規の住宅建設が活発になっている。その背景には、 市場化の進展に伴う富裕層の登場がある。しかし、新規住宅の販売価格は既存の 住宅の約五倍。住宅販売のチラシを手にした二十歳代の未婚の男性は「高すぎて 手は出ない」でも、「とりあえず今住んでいる家が自分たちの財産になるのはう れしい」と話した。

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【報道放送】
活動家王丹氏へのインタビュー要旨

 毎日新聞の記者は28日、ニューヨークで活動家の王丹氏にインタビューでき 以下のような内容を発表した。

 まず中国の民主化運動の目標を聞かれた王丹氏は「複数政党による競争を有す る健全な社会」を目指すべきと答えた。市場経済の導入に対しては「できるだけ 早く市場経済に移れる」ことを期待し、これを支えるために、「人々が自由に意 見を表明できる」ことが重要だとの見解を示した。

 または天安門事件を振り返り、「責任は政府にある」としながらも、事件で亡 くなった仲間達に対しては「責任を感じ、もっとうまく政府と交渉できたら」と 話し、仲間達の理想を受け継いで行きたいと意見を述べた。

 更に日本政府に対しての要望については、「中国が繁栄し民主的な国になるこ とが日本の安全保障を最も確実にし、(日本政府が)中国の民主化に関心を持つ ことが日本の国益にとって重要だと思う」と述べた。

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【香港事情】
民主活動家が新華社を提訴

 共同通信によると、香港の民主活動家で、劉慧卿氏は一日までに、返還前、大 陸政府の事実上の代表部だった新華社香港支社が、個人データの開示請求に対す る回答期限を守らなかったとして、プライバシー法違反で提訴した。裁判所側も 「訴えに理由がある」として受理する方針を決定、早ければ四日にも一回目の審 理日程が決まる見通し。

 訴えによると、劉氏は返還前の一九九六年十二月、プライバシー法に基づき、 民主活動家の個人データを収集しているとされる新華社香港支社に対し、自分の データの開示を請求。同法は、請求から四十日以内に回答するよう義務付けてい るが、新華社は十カ月後の昨年十月に「データはない」と答えた。

 公の監視機関であるプライバシー委員会は今年一月、検察当局に新華社を訴追 するよう勧告したが、訴追は見送られた。香港政府は見送りの理由について「技 術的な違反にすぎない」「公共の利益を考慮して」などと見解を二転三転させ、 最終的に「そもそも新華社は適用対象外だった」と結論付けていた。

 今回、裁判所が訴えを受理したことは、政府と異なる判断を下す可能性もある ことを示しており、有罪が確定すれば、新華社は最高で三千香港ドル(約五万二 千円)の罰金を支払うことになる。

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【留学制度】
入学OKでも日本入国NO

 共同通信によると、新学期に入り大学に付属する留学生のための日本語教育コ ース「留学生別科」で、入学を許可されていながら入国管理局から在留資格を認 められず、来日できない外国人が増えている。

 留学生別科は日本の学校教育法で認められた私立大学、短大の付属施設で、日 本の入管難民法は、大学や留学生別科で学ぶ「留学生」と、一般の日本語学校へ 通う「就学生」を区別。就学生は不法残留が問題となり以前から審査が厳しくな っていたが、東京入国管理局は「就学生として在留資格を認められなかった外国 人が、留学生別科で再び申請して認められないケースも多い」と話している。

 日本文部省によると、日本の大学などで学ぶ留学生は約五万一千人。国別では 中国が全体の約四四%を占めている。

 慶応大は募集人員約九十人、拓殖大定員百三十人など三十四の私立大学、四つ の短大に留学生別科は設置されているが、慶応大では、入学を許可されながら、 在留資格を申請して認められたのは、大学側が把握している限りで約半数。他の 大学も「当局との無用のトラブルは避けたい」として具体的な数などを明らかに していないが、在留資格を認められたのが三分の一から半数のところが多いとい う。そのため、中には急きょクラス数を減らしたり、再申請の結果待ちとして入 学時期をずらしたりカリキュラムを変更するなどの対応策に追われる大学も出て いる。

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【行政改革】
失業官僚にリクルート合戦

 読売新聞によると、国務院の行政改革により公務員の半数削減を決めたのを受 け、失業する官僚を目当てに企業のリクルート合戦が目立っているという。

 専門知識に富み、官庁へのコネもきく公務員を民間企業が招聘する「民招官」 の新現象が、社会の話題をさらっている。

 「民招官」の先陣を切ったのは、貿易、不動産などを営む四川省の私有企業集 団「四川方舟グループ」。三月の全国人民代表大会で行政改革案が採択された二 日後の三月十二日に新聞広告で「政府の機構改革で<下崗>(一時解雇)する公 務員のみなさん、熱烈歓迎」と呼びかけた。

 同社は「国家幹部は長年の鍛錬で組織調整能力に秀で、企業が欲する管理職に 向いている」(法制日報)として、幹部社員二十八人を募集したところ、百五十 人の応募があり、これまでに国務院職員を含む九人の採用が決まった。

 広東省の総合家電メーカー「美的グループ」は、「国家、地方政府に三年以上 勤務した公務員」を対象に、法律、金融、証券などの専門家四十一人を募集。応 募してきた約八十人のうち、半数は国務院関係者だったという。

 また、村営企業である郷鎮企業の成長で豊かになり、“中国第一村”の異名を 持つ江蘇省華西村の「華西グループ」は四月初め、北京に首脳陣を派遣し、人材 獲得に乗り出した。呉協東社長は「行政改革は村にとってまたとないチャンス」 (北京青年報)と、畜産分野の技術者らの獲得を目指している。

 読売新聞は報道の中で、公務員のリストラをめぐるこの「民招官」現象が、民 間蔑視の風潮が強い中国社会に新風を吹き込み、改革の深化で高揚する私有企業 の地位向上ムードを後押しする動きとして、注目を集めていると報じているが、 民間企業がもし「専門知識」よりも「官庁へのコネが聞く」ことを目的としてい るならば、今後の行政改革の中で、適当な処置を併せて整備して行かなければ、 「民招官」という日本の「天下り」と似た現象は、行政と民間企業の癒着、腐敗 を生む温床となる危険性をも生むことになる。

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【歴史残影】
自民党訪中団初めて「南京大虐殺記念館」訪問へ

 毎日新聞によると、自民党の野中広務幹事長代理を団長とする同党議員団が7 日から3日間、中国を訪問する。胡錦涛国家副主席、曽慶紅・党中央弁公庁主任 ら政府要人と会談するほか、南京の「南京大虐殺記念館」を訪ねる。自民党幹部 が同記念館を訪問するのは初めてという。

 南京大虐殺記念館への訪問は、「戦争世代としてけじめをつけたい」という野 中氏の強い希望で実現することになった。旧日本軍による虐殺数を示すレリーフ や写真などが展示されており、野中氏は献花で犠牲者を哀悼する。

 昨年9月の橋本龍太郎首相の訪中では、野中氏が首相に南京訪問を進言した。 しかし、虐殺の被害者数などを巡って日本国内で異論が出ていることもあり、政 治問題化を避けるため、南京訪問が見送られた。

 又、共同通信によると、昨年暮れから日本での公開が始まった、旧日本軍によ る一九三七年十二月の南京侵攻を描いた中国と香港の合作映画「南京1937」 (九五年制作、呉子牛監督)の上映の輪が徐々に広がっている。

 二日から東京・中野武蔵野ホールでも上映され、仙台、横浜、福岡などでも夏 にかけて上映予定が入っている。

 悲惨な内容から、右翼団体などの妨害を恐れ、これまで上映を敬遠する劇場が 多かったが、市民団体などの努力で評判が口コミで伝わり、名古屋、大阪など主 に関西地方での上映会に約一万人が足を運んだという。

 映画は南京を舞台に、中国人医師と女優の早乙女愛さんが演じる日本人妻の一 家の運命を中心に、中国人民解放軍の全面的な協力の下、事件を描いている。

 上映権を購入したシネマスコーレ(名古屋)の支配人で「南京1937」全国 上映実行委員会の木全純治さんは「事件から六十年が過ぎた。国家間で早く決着 をつけるひとつのきっかけになってくれれば」と話している。

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【歴史残影】
話題の書「南京虐殺」

 米国でベストセラーになっている中国系米国人女性ジャーナリスト、アイリス ・チャン氏の著書「南京虐殺」(レイプ・オブ・ナンキン)について、斉藤邦彦 日本駐米大使が「事実誤認や曲解が多く、この種の本の出版は好ましくない」と 批判し、中国系団体から「大使の発言は米国と中国への重大な侮辱だ」と反発し、 物議を醸している。

 二十一日斉藤邦彦日本駐米大使は記者会見で、「南京虐殺」について「非常に 不正確な記述が多い」と批判したが、具体的根拠には言及しなかった。これに対 し、ロサンゼルスのユダヤ系団体は、同大使に説明要求を兼ねた抗議書簡を送っ ていた。

 斎藤大使は二十八日の記者会見で、「『日本政府が責任を認めず、謝っていな い』とか、『事実を隠そうとしている』という記述は明らかに間違いだ。日中共 同声明で日本は(南京事件を)『反省している』とし、深く謝罪してきた。また 大部分の教科書は事件についてきちんと書いている」と述べ、日本政府の対応に 関する記述に事実誤認があると指摘した。

 斉藤大使はまた「学者や研究家が自分の信じるところを発表するのは自由で、 その一部が日本政府の考えと異なるとして、文句を言うべきではない。しかし、 (事実誤認に基づき)日本政府の行為について非難されたら反論はする」と述べ た。

 フォーリー米国務省副報道官は一日、「世界で起きた残虐行為を繰り返さない ためにも、過去の行為を全面的に検証することが重要だ」と述べた。論争につい てコメントを求められた同副報道官は「わたしは本を読んでおらず、歴史的問題 への論評は避ける」とかわしながらも、「米国は論争の自由な場を提供している」 と語り、暗に論争を奨励した。

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【社会之窓】
日本に密輸の覚せい剤、大半が中国製

 朝日新聞によると、日本に密輸された覚せい剤の大半が福建省周辺の密造工場 で製造されている可能性の高いことが、日本警察庁など捜査当局の調べで分かっ た。

 ここ数年、これまで韓国や台湾からとは異なる密輸ルートが目立ってきた。日 本警察庁の調べでは、過去五年間で、一度に一キロ以上が押収された覚せい剤の 総量は約千百四十五キロ。うち七割近い約七百八十キロが中国で密造されたもの と判明した。

 九六年七月、神奈川県警が、福建省の馬尾港を出港、横浜港に入っていた貨物 船の荷の缶詰に大量の覚せい剤が隠されているのを発見。逮捕した二人の自宅か らも計五百二十八キロの覚せい剤を押収した。一回の押収量としては過去最高だ った。また、昨年四月には、宮崎県・細島港で、朝鮮民主主義人民共和国籍の貨 物船の積み荷から覚せい剤約五十九キロが押収されたが、逮捕された暴力団幹部 らの供述で、福建省から持ち込まれていたことが明らかになった。

 覚せい剤は、九州沿岸での洋上取引や、コンテナに隠して輸入され、日本の暴 力団に引き渡される。さらに、外国人グループが路上で通行人に声をかけたり、 携帯電話を使ったりして組織的に密売しているとみられている。

 上杉光弘・日本国家公安委員長は三日から訪中し、中国からの密輸ルートが確 立され、新たな供給地になっているとして、公安相と閣僚レベルとして初めて薬 物対策などについて協議し、協力を要請した。

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【社会之窓】
列車盗賊頻発、保険会社も拒否

 1日付の中国消費者報によると、山の中を走っているためスピードが落ちる個 所が多い成昆本線(四川省成都ー雲南省昆明)沿線では「金持ちになりたいと思 ったら列車盗賊に」と言われており、被害が続発、他地方の保険会社が保険の引 き受けを拒否する騒ぎになっている。

 被害が多いのは四川省で生産している砂糖で、昨年は420トンが被害に遭い、 270万元の損失を出している。今年は1月だけで283トンが盗まれている。 今年1月には軍用列車までが被害に遭い、バズーカ砲の砲弾4箱が盗まれ、また 線路脇に置いてあったレール78トンも盗まれた。

 四川省の西昌保険会社は、1995年が保険収入220万元、支払いが120 万元だったが、96年には収入が246万元なのに支払いが380万元に上り、 さらに昨年は収入が260万元で支払いが500万元に達しており、責任者は 「このまま続くと破産だ」と困りきっている。

 西昌以外の保険会社では既に、保険の引き受けを拒否しており、よその地方か ら商品を仕入れている商人などは頭を抱えているという。

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【文芸情報】
崔健アルバム新発売及びビデオ上映会のご案内

毛丹青

 近く、2年ぶりに崔健さんの新アルバムは中国大手レコード会社より発売され ることになりました。タイトルは『無能的力量』(英訳:The power of powerless)。ドラムリストの一人は日本からイズミさんも参加している。アル バムの表紙デザイナーは同じく『紅旗下的蛋』の旺忘望氏が担当する。

 新曲の多くは現代中国社会に向けて強いメッセージを含め、メテファー的によ り多くの解釈空間を与える作品になっています。私は、制作過程において香港月 刊誌の取材依頼を受け、崔健さんから数回渡ってお話を伺ったが、新作による反 響を期待しています。

  なお、崔健ビデオ上映会スケジュールは次の通りご案内します。

時期:5月9日(土曜日)
主催:長征倶楽部関西支部
場所:大阪市北区中ノ島3−2−18住友中之島ビル5F
   第一セミナー室
電話:06−444−1011
連絡:清水園子
   電  話:06−381−9447
   携帯電話:020−19−58993
時間:10:30〜17:00(11:30〜12:30 昼食)

 崔健さんの韓国コンサートや貴重な国内ライブを含むビデオを上映し、また先 日(4月25日)石家荘崔健大型コンサートを参加に行った東京在住の川村裕加 さんも昼からご来場の予定があります。

 このごろ、YAOGUN MLには崔健コンサートの最新報告がアップされま した。御興味のある方はご覧ください。  http://www.ml.nnf.ne.jp/lists/yaogun.html

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【訪中寄稿】
日本人から見た中国の「七不思議」

 日本法務省の統計によると、昨年中国大陸に渡航した日本人は1,018,62 1人に数えられる。以前と比べて近年この数字は飛躍的に増えているし、日本で は訪中経験者の累積人数はその数倍になっていることは想像される。そのなかで、 中国に訪れた日本人は滞在中、多かれ少なかれ様々な戸惑いを感じているようで ある。先日、日本ある大学の教授は学術活動のため一ヶ月ほど中国を訪問してき たが、その中国滞在(ほとんどは上海市)で見聞した現象を「七不思議」にまと めてCOM編集部に寄せてきた。それらは、中国生活の長い日本人にとっては 「古典的」な問題でそれぞれの経験や価値観で解釈をつけているかもしれないが、 はじめての人には常に新鮮で不思議に思うもののようである。

『華声和語』編集部

1)赤信号で止まっている車の後ろの車がクラクションを鳴らすこと。
2)警官のいる前で、殆どの人が赤信号を平気で渡ること。
3)赤信号を無視しても殆どの交通整理のお巡りさんが注意しないこと。
4)公安(警察)に捕まる車は、殆どがタクシーであること。
5)赤信号では車は止まるが、青信号にならない内に殆どの車が発車すること。
6)日中、道はいつも自転車と人の洪水であること(何の仕事をしているのか)。
7)日中歩いている殆どの人が、赤信号を無視してでも急ぐこと(特に、忙しい
  仕事をしているとは思えない)。
8)車道を平気で渡る人が五万といても交通事故が殆ど起こらないこと。
9)船が着岸すると、何の目的もなく兎に角走る人がいること。
10)ホテルの消毒済みのコップのラベルは、飲めない水道水で洗ったコップで
   あること。
11)レストランのビールが冷やしていないこと。
12)大学の先生が、自分の研究よりもコンサルした建設工事を自慢すること。
13)年寄りの先生より若い先生方が威張っていること。
14)静かなところでも大声で話す人がいること。
15)チェックインカウンターの前で並んでいる列を無視して先頭に行く人が多
   いこと。
16)人との約束を変更することが多いこと。
17)収入ではとても払えないようなレストランに人を招待すること(大学の先
   生の給料は月収1,500元=¥22,500〜3,000元=¥45,
   000程度とか)。
18)レストランで挨拶程度の簡単な英語で話しかけても返事しないこと。
19)外国人に対して、ウェイトレスが無愛想なこと。
20)朝早く(7時前)から騒音を出しながら建設工事が始まること。
21)中国ではとてつもなく高価な携帯電話を多くの若い人が持っていること。
22)食べ物の量が多く(1皿分)、半分の量の注文を受け付けないこと(皆、
   必ず余すほど注文する)。
23)塩辛い食べ物が多いこと。
24)食事のメニューに甘い物があること。
25)大学のゲストハウスではファックスを受けても料金が掛かること。
26)立派な建物の建設現場に説明用のパンフレットがないこと。
27)ホテルからの市内電話が無料であること。
28)ホテルで、NHKの衛星放送が見られること。
29)立派なホテルでシャワーが付いているが、シャワーを出すコックがないこ
   と。
30)海の魚より真水の魚を好んで食べること。
31)列車の待合室が軟座(1等)と硬座(2等)に分かれていること。
32)外人は、硬座の切符でも軟座の待合室に入れること。
33)上海人は、上海以外の地方の人に優越感を持っていること(反対に、他の
   地方の人は上海人を嫌っている)。
34)上海では、上海語を喋る人には、一般的に親切であること。
35)列車の乗員は多数いるが、何もしないこと(最初に乗る号車が間違ってい
   ないかを確認し、走り出して中国茶のサービスを10分くらいで済ませれ
   ば、後はお喋りで上海までの2時間半を潰し、他に何もしない)。
36)食事の時に、テーブルに肘をついて食べる人が多いこと。
37)ホテルの値段が、交渉によって変わること。
38)ホテルの部屋に、朝1番にポットのお湯を入れ替えに来ること。
39)建設中の建物で、外壁工事が最上階から下に降りてくること(建設費が安
   くなるとのこと)。
40)上海駅のタクシー乗り場が、広場の離れにあること(不便この上ない)。
41)百貨店で、買う物を店員に示しても何も反応しないこと(他の店員が来る
   まで何もしないこと)。
42)レストランで、とても自分では食べないと思うような料理を出すこと(フ
   ライの衣が真っ黒で食べられない)。
43)何処に行っても店員の数が客の数より多いこと(よく経営が成り立つこと)。


    今週華声和語 編集担当:徐  剛            校正担当:許 革、劉 軼            HP作成:劉 旻、徐 挺            編集局長:郭 桑            連 絡 先 com-l-request@come.or.jp            無料購読 Subject: subscribe-com            自動脱退 Subject: unsubscribe-com            HELP Subject: help            既刊購読 HELP参照
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(C)www-admin@www.come.or.jp (F.Qian),         May.6 1998