
★[10/08] 読売新聞ニュース速報によると、機密解除された米外交文書によっ て、ケネディ政権下の1963年、米と台湾が中国の核開発施設攻撃を首脳間で 協議したことが判明。台湾側が「共同除去したい」と提案したが、米側は参画を 拒否したという。
★[10/06] 懲役20年の判決を受け服役していた「4人組」の一人姚文元氏は2 年前に病気で仮出獄していたが、6日、刑期を満了した。
★[10/05] 香港紙・明報は権威筋の話として、民主化運動で学生の指導者を務め た王丹氏が来週にも、北京市検察当局から正式に「反革命宣伝・扇動罪」で起訴 され、懲役5〜7年の判決を受ける見通しだと報じた。起訴の理由は、香港や外 国の雑誌・新聞に社会主義制度を攻撃し共産党をひぼうする文章を発表したほ か、民主活動家、魏京生氏と謀議したことという。
★[10/05] 香港特別行政区準備委員会の第5回全体会議は、特別行政区の初代長 官と臨時立法会議員のを決定して5日終了した。選出方法は新華社通信による と、11月1、2日に開く第六回全体会議で推薦委の選挙を実施し、同委が長官 らを選出する。定数400人の推薦委には香港の各界から5789人が立候補し ている。
★[10/04] 時事通信によると、経済特別区の珠海にF1世界選手権を開催可能な 中国初の常設自動車サーキットが完成し、31日から行われる耐久レースで初め て使用される。同コースは1周4・32キロで、国際自動車連盟からF1レースの 開催公認も受けているという。
★[10/04] 台湾の中央通信社によると、台湾はフィジーと「相互承認」協定に調 印した。フィジーは北京政府とも国交がある。相互承認協定は台湾当局が編み出 した大使交換の外交関係を含まず、経済や文化、社会分野などでのつながりを強 める準公式関係樹立策。
★[10/03] 新華社電によると、中国石油天然ガス総公司は、新疆ウイグル地区の 3大盆地(タリム盆地、トルファン・ハミ盆地、ジュンガル盆地)で40を超え る石油ガス田を発見し、全体の石油ガス確認埋蔵量は20億トンで、年間石油生 産量にして合計で1500万トン規模と発表した。
★ 中国人民銀行発表今週の元レートは次の通り。(単位、元) 通貨 10/3 10/4 10/7 日本円(100円) 7・4834 7・4295 7・4335 米ドル(100ドル) 830・17 830・15 830・07 香港ドル(100ドル) 107・27 107・3 107・28
★[10/02] 来年九月下旬、中国・四川省の成都市で「パンダ祭」が開催されるこ とをチャイナ・デーリーは伝えた。パンダ祭のテーマは「生命、環境、発展」。 パンダは現在、約千頭しかおらず、その八割以上が四川省の森林や山間部に生息 している。祭では、パンダなどの野生動物の保護状況を紹介するとともに、この 分野での対外交流を促進するのが狙いという。
★9月30日
北京、人民大会堂、建国47周年祝賀晩さん会の李鵬首相の演説で、「日本が中 日共同声明の原則を守ることを強く要求する。中国人民の感情を傷つけるいかな ることもよい結果をもたらさない」と強い口調で警告した。「最近、日本のごく 少数の右翼勢力と軍国主義分子らがいくつかのごたごたを起こし、中日関係を妨 害、破壊した」とも述べ、釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題のほか、国会議員ら による歴史認識問題にも強い不快感を示した。
★10月1日
香港紙「りんご日報」は、沖縄県石垣市の市議会議長が8月23日に市議1人を 伴い釣魚島に上陸し「上陸は同島管轄区域の責任者として初の行政視察だ」と述 べていた、と報じた。
香港各紙は、釣魚島問題に武力行使を辞さない強硬方針で臨まない中国政府を非 難する民主運動活動家の王希哲、劉暁波両氏の共同宣言を報じた。同宣言は、政 府が釣魚島問題を棚上げにしたことで日本の支配を黙認したと攻撃し、台湾との 統一について即刻、政治会談を始めるよう大陸、台湾双方の当局者に呼びかけた。
日本橋本竜太郎首相は、首相官邸で記者団の質問に対し、島の領有権問題につい て「(尖閣諸島は日本固有の領土であり)日本政府としては領土問題は存在して いないと言っている」と述べ、「(マスコミが)ことさらクローズアップするこ とが国にとって得策かよく考えてほしい」と強調した。
★10月2日
台湾夕刊紙・聯合晩報が報じたところによると、台湾高雄市の旅行社が、釣魚島 海域に船による団体旅行を計画、参加者を募集している。日程は1泊2日、参加 費用は1人1500−2000台湾元(約6000−8000円)。
台湾国防部の傳慰孤・作戦室次長補佐は、「事故の発生を防ぐために、台湾軍は 救援の準備を進めている」と述べ、軍出動の可能性を示唆した。但し、「あくま でも救援であり、護衛とは違う。主権の問題には介入しない」と語った。
日本共同通信は、陳毓祥さんが死亡した時、ただ一人同船した日本人記者の島直 紀氏が同通信に語ったものとして、「船が島に行っただけで抗議の目的は果たし たはず。何のための死だったのか」と話した。同氏は抗議船に参加した人は海に 不慣れな人が大半で、計画自体に無謀な点が多かったと指摘し、同行した香港の 記者にも「英雄扱いする報道はやめるべきだ」と訴え、一部の記者は「(行動を あおった)マスコミ側の問題もあった」と認めたという。
★10月3日
台湾内政部(内務省)の楊宝発次長(次官)は、保安警察第7総隊艦隊を待機さ せ、突発的な状況になればすぐに出動し救援活動を行うと述べた。台湾国防部 も、抗議船に事故が起きた場合の救援目的に限って軍艦を待機させることを明ら かにした。
読売新聞は総選挙に臨んだ自民党が発表した公約の要旨掲載した。それによると、 自民党は「平和と繁栄の創造のための自立的外交の展開」を図ろうとし、外交・ 安保については、以下の方針を定めた。国連改革、安保理常任理事国入りを目指 す。日米関係を基軸に中・韓・ロシアとの関係強化。靖国神社への公式参拝実現 を期す。専守防衛と日米安保体制の堅持。北方四島の領土問題の解決と日ロ関係 の完全正常化に努力。「尖閣諸島」はわが国固有の領土で、中国とは領土問題は 存在しない。竹島は、わが国の領土であることを一貫して主張。平和的解決に向 け外交努力を継続する。
日本、兵庫県県警は政治結社「日本青年社」相談役、長谷川正男容疑者(54) を銃刀法違反の疑いで逮捕し、同日、東京の日本青年社本部事務所など四か所を 捜索した。逮捕容疑は、同容疑者長女の家(大阪府)に、中国製ピストルのトカレ フ(38口径)一丁と実弾十発を隠していたもの。日本青年社は、釣魚島に灯台 を立てるなどの行動で知られている。
日本毎日新聞は、北京の一部学生が北京大学や人民大学及び周辺の大学で始まり、 18日未明まで続いた抗議運動を報道し、学生の要求が「釣魚島奪回」だけでな く、日本の経済侵略批判など多方面に及んでいたことから、運動の背景に、釣魚 島問題への批判だけでなく、反日感情や民族主義意識が存在すると指摘した。学 生たちのスローガンには「釣魚島を返せ、国土を分割させるな」、「日本製品排 斥、日本の経済侵略に反対」、「民族工業保護」「日本の軍備更新反対」「打倒 橋本竜太郎首相、橋本は戦犯だ」「対日戦争賠償を改めて要求せよ」などがあっ たという。
外務省の沈国放・報道局長は、自民党が首相・閣僚の靖国神社公式参拝と、釣魚 島領有権主張を衆院選の選挙公約に盛り込んだことに対し「誤った決定に強い憤 りを感じる」、との談話を発表した。中国政府が同公約に対し、公式にコメント したのは初めてという。又、徐敦信・駐日中国大使は、自民党の加藤紘一幹事長 に電話し、「遺憾であり、公約を撤回してほしい」と抗議したが、加藤氏は「公 約全体は日中関係全体を考えたもので、柔軟な表現だ。島も政府の公式的な立場 を書いたものだ」と反論、公約撤回の意思がないことを伝えた。
香港の立法評議会(国会に相当)議員3人が北京の日本大使館を訪れ、橋本首相 あての抗議書を提出した。中国国内ではこの問題に対する表立った抗議行動は事 実上封じ込められており、同大使館に対する正式抗議は初めてという。
香港で、「警告。釣魚島に上陸する外国人には発砲する」−−という日本橋本竜 太郎首相名のニセ投書が、抗日活動家が設けているインターネットのホームペー ジに掲載されていることがわかった。橋本政権は「最近、インターネット上で、 橋本首相や首相官邸の名を使って、ニセのメッセージを発信しているものが出現 していますが、これらは当首相官邸とは一切かかわりがないことを、念のため、 お断りします」というメッセージを英語と日本語で用意し、同日、首相官邸のホ ームページに掲載した。
台湾の農業委員会(農水省)当局者は、釣魚台防衛運動団体が6日、台湾北部の 基隆港から漁船や釣り船で同島に向かうことを違法行為だとして、規制する方針 を表明した。それに対し、台湾釣魚台防衛行動グループの発起人、台北県議員金 介寿氏は抗議行動は予定通り6日午後8時に船を出すと述べた。台湾の規定、娯 楽漁業管理法によると、釣り船に水上スクーターやゴムボートを乗せて出航して はならない、漁民以外の人を乗せた漁船は台湾から24カイリ以遠の水域に出る こともできない、違反した場合は最大15万台湾元(約60万円)の罰金や漁業 免許取り上げなどの罰則が適用されるという。
★10月4日
香港、パッテン総督が就任にしてから毎年1回開かれる総督と香港市民との対話 集会で、総督は釣魚島問題に触れ「領土問題で日本に訴えることと、香港の日本 人社会やそこで活躍するビジネスマンの活動、日本人観光客との間には何も関係 がないことをわかってほしい。」と訴え、抗議活動を慎重に行うよう要請した。 対話集会は今回が最後となる。
日本の各紙は、日本政府が釣魚島に政治結社が灯台施設を設置し認可申請してい た問題で、「処分保留」を決定。事実上の不認可となった。同日、中国政府など にこの決定を伝達し、同時に「わが国の領有権に影響は及ぼさない」との見解を 示した。
香港紙は、10/22に行われる予定のサッカー、アジア・カップウイナーズ選 手権準々決勝第2戦、サウスチャイナ(香港)―日本名古屋グランパスの試合で、 香港サッカー協会、地元警察当局、スタジアム運営企業の協議した結果、日本人 と分かるファンに特定の区画を割り当て、フェンスで分けて、日本と香港のファ ンを分離することを明らかにした。
自民党の橋本竜太郎総裁(首相)は日本の報道各社とのインタビューで、今月に 計画していた靖国神社への参拝について「国際的に日本に対する疑惑を呼んだ り、国に迷惑を掛けるのであれば、私自身がこれから心して行動しなければなら ない」と述べ、対外的な配慮から中止する意向を明らかにした。一方、自民党の 選挙公約に「わが国の領土」と明記した釣魚島(日本名:尖閣諸島)、竹島(韓 国名:独島)の領有権問題に関しては「尖閣諸島、竹島の領有権についてのわが 国の立場は一貫している。これからもその立場に変更はない」と強調した。
日本と台湾との漁業協定締結に向けた民間ベースの第二回非公式協議が東京で日 本側は中村晃次元水産庁次長ら、台湾側は荘銘耀駐日台北経済文化代表事務所代 表ら、いずれも民間人が出席して開かれた。釣魚島の領有権問題について、台湾 側は「領土の一部」と主張、日本側も「日本に領有権がある」と反論したが、漁 業問題をめぐる協議を今後も継続することでは合意した。
★10月5日
「釣魚島問題に関するアピール」(華声和語107号を参照)の発起人代表によ ると、アピールには87の署名があり、五日に橋本日本国首相と徐中国駐日大使 に書留郵便で送付された。 香港紙「明報」によると、台湾で釣魚台防衛を叫ぶコンピューター・ウイルスが 発見された。ウイルスは、ウィンドウズ95などに入り込み、今月以降毎月5日 と20日になると「釣魚台は中華民国の一部分である」などのスローガンが自動 的にパソコン画面に現れ、データの保存ができなくなるという。
台湾、急進的台湾独立派らが組織した「建国釣魚台防衛連盟」ら数千人が、台北 市内でデモを行い、「釣魚台は中国領土ではなく台湾の領土だ」などと、香港の 活動家と台湾の独立反対派による釣魚台防衛の抗議行動に反対した。デモ隊は 「香港人は口出しをするな」などと叫びながら、統一派野党・新党の事務所に投 石、突入をはかり警官隊と衝突、少なくとも2人が負傷した。
★10月6日
時事通信によると、中日友好を目指す北京在住の日本人と中国の人たちが毎年行 っている「北京かち歩き大会」が今年で16回目を迎えるが、釣魚島問題で、例 年参加している北京市内の大学生らが大会ボイコットし、参加者は例年の5,6 百人から今年は、中国約百人、日本35人に激減した。またコースも例年の北京 市郊外での21キロから河北省の金山嶺から約5キロの道の4往復に変更となっ たという。
台湾からの報道によると、釣魚台上陸を目指す香港、マカオ、台湾の釣魚台防衛 団体の抗議船約40隻が6日夜、台北県の2漁港から出発した。同島に上陸した ら台湾の青天白日満地紅旗と香港側から託された「中国領土釣魚台」「日本軍国 主義打倒」「陳毓祥氏に哀悼をささげる」と書かれた旗を立て、香港・マカオ側 は日本の右翼団体が設置した灯台などの撤去を目指すという。
★10月7日
時事通信が8時14分に報じたニュース速報によると、香港・台湾の抗議団約 300人を乗せた台湾漁船・遊漁船40数隻が7日午前、釣魚島付近に到着、日 本海上保安本部の退去勧告を無視して、抗議団のメンバー四人が同諸島に上陸。 約十分後に船に戻った。
抗議船団の漁船一隻は、航路をさえぎろうとした日本海上保安庁の巡視船と衝突、 漁船の燃料タンク部分が大破し、同船は浸水が激しく、台湾に向かった。衝突時 に死傷者が出たとの報道はない。
日本海上保安庁によると、釣魚島の岩礁に立てた旗は、中国の五星紅旗と台湾の 青天白日満地紅旗など三本だった。中国国旗と黄色い旗の二本は海に流され、台 湾の旗は上陸した同庁職員が撤去して巡視艇に保管したという。
帰港した台湾、香港の抗議船団台湾市民から英雄並みの歓待を受けた。市民は爆 竹を鳴らしたり、シャンパンを開けたり、台湾の旗を振ったりのお祭り騒ぎ。島 に旗を立てた活動家にお金の入った包みを渡した。台湾側リーダーの一人は「わ れわれは日本側の封鎖を打ち破ることができた。団結は力なりだ」と語った。
民間抗議船団の香港側リーダーで、立法評議会議員の何俊仁氏は、魚釣島の上 陸、中国と台湾の旗を立てるのに成功したのは「非常に象徴的な意味があった」 と話し、「今後は中国と台湾がどうやって主権を守るかにかかっている」と双方 の政府当局に決断を促す姿勢を示した。
★10月8日
台湾、香港の活動家が釣魚島に上陸した件で、日本政府は中国に対し、遺憾の意 を伝えると同時に再発防止への協力を求めた。台湾、香港に対しても、協力を求 めることを明らかにした。
香港紙・明報は4日、司法関係筋の話として、来年三月の全人代(中国全国人 民代表大会)全体会議に刑法改正案を上程するため、全人代常務委員会の法制工 作委員会がその作業を進めていると伝えた。
草案では、刑法や刑事訴訟法にある反革命罪は取り消され、代わりに「国家安 全危害罪」になる見込み。
さらに最近国内全土で売春がまん延していることから、司法省が法制工作委に 提案して「売春罪」が盛り込まれたという。売春罪は香港・台湾などの同胞や外 国人と交渉を持った場合や、一回に五千元(約六万五千円)以上の利益を得た場 合を特に悪質なケースとみなすとしている。
香港の月刊誌「争鳴」は、中国建国の1949年以来、「大躍進」や「文化大 革命」などで76年(文化大革命終了)までの27年間で、処刑や餓死などで、 合わせて2600万人が死亡したと報じた。これまで中国国内では政治運動によ る犠牲者の具体的な数字が明らかになったことはほとんどなかった。
同誌によれば、情報は中国共産党党史研究室、党宣伝部などが「建国以来の数 次の政治運動史実」というタイトルでまとめ、党書記局に提出した報告書によ る。
同誌が報じたその報告書によると、52年2月までは「反革命分子」として8 7万3千余人が処刑された。58年から始まった「大躍進」運動では、餓死など が原因で2215万人が死亡したことがわかったという。さらに、「文化大革 命」では、13万5千人が反革命罪として処刑されたほか、172万8千人が自 殺などの「異常な死」を遂げたという。
同誌は、これらを合わせて、故毛沢東主席が実権を握っていた76年までの2 7年間に犠牲者は2600万人に上り、当局の調査であることを考えると、実際 はもっと多いはずと指摘している。
党書記局は社会的影響を考えて、報告書を非公開とする指示をしたが、中国社 会科学院などの研究者22人は、「党は自信を持って政策の錯誤を認めるべき だ。史実を公開できない理由はない」と、異議を唱える書簡を提出しているとい う。
共同通信によると、甘粛省の敦煌の莫高窟(千仏洞)で、科学者たちが壁画や 仏像をコンピューターに記憶させることに成功したことを中国新聞社(華僑向け 通信社)電が2日に伝えた。
それによると、1993年から敦煌研究院や中国科学院氷川凍土研究所などが 共同で研究を進め、盛唐時代の壁画や仏像で知られる第45窟を実験の対象に し、撮影した映像をデジタル処理してコンピューターにインプット。その後、色 彩や距離感が本物とそっくりに再現できるようシステムに改良を加えていった。 今後は最も価値のある80個の石窟を対象にコンピューターによる保存作業を進 め、その後、すべての石窟にまで作業を広げていきたいとしている。
科学者たちはこれまでの模写に代わる新技術として、世界的な文化遺産を永久 に“保存”でき、今後、自然損壊が進んでも元のままの姿に再現できると喜んで いるという。
莫高窟には4世紀ごろから14世紀までにつくられた約500の石窟があり、 内部には壁画や仏像が多数残されている。仏教芸術の貴重な宝庫として知られて いる。
朝日新聞によると、日本政府は3日、元従軍慰安婦へ償い金の支給事業を行っ ている「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)に対し、「償い 金の受け取りは、裁判を通じて日本政府に補償を求める権利を妨げるものではな い」との見解を示した。
「償い金」の支給は、今年8月に始まり1人あたり2百万円。すでに三人のフ ィリピン女性に渡されているが、韓国・台湾では、政府による個人補償以外は受 け取らないとして拒否している。
今回の日本政府の見解は「受け取ってしまえば、裁判で日本政府の責任を問う ことができなくなる」との警戒感を考慮したもので、基金では、この日本政府の 見解を元慰安婦らに示すことで、受け取りを促したいとしている。
但し、日本政府はこれまで、個人が裁判に訴える権利の存在は認めながらも、 「賠償問題は法的に解決済み」として、政府による補償はできないとの立場を取 り続けている。
時事通信によると、香港紙・明報は、消息筋の話として、中国共産党指導部 は、オリンピックの開催申請について討議し、最終的に第9次経済5カ年計画 (1996年−2000年)中に、世界的な大型イベントは開かず、さらに5年 −10年の期間、五輪のような世界的な規模の競技大会の開催を積極的には申請し ないことを決めたと報じた。
それによると、先の2000年五輪開催誘致でオーストラリアのシドニーに敗 れた理由を中国指導部は敗因が政治的な要因であると認識。指導部内では、経済 建設や貧困地域の解消に注力すべきであるとの考えに傾いているという。
さらに同筋によると、2000年五輪開催誘致の失敗後、国際オリンピック委 員会のサマランチ会長の2004年開催を目指したらどうかの勧めに対し、党政 治局はえん曲にその申し出を断ったという。
国家間の問題の処理は普通は政府がプレイヤーだが、時には、民間がかかわっ てくる。
靖国神社には日本のA級戦犯も祭られているため、日本の首相や閣僚が参拝す ると、中国や韓国では猛反発が起きる。では、そのA級戦犯たちを外したらいい のではないかとなると、日本政府は、神社は民間団体だから、干渉できないと答 える。もちろん外国政府は直接靖国神社に交渉するわけにはいかないし、交渉し ても応じてくれるはずがないので、靖国神社の問題はいつまでも問題でありつづ ける。
今回の灯台問題でも、事情は似ている。灯台を作ったのは民間の右翼団体であ る。中国政府は日本政府がこの団体を「放任し、慫慂している」と批判する。し かし、日本政府は、灯台は「私有地」に立てられたものであり、政府は国内法で はどうしようもないという。
多少日本のことを知る人は、日本は建て前と本音の社会であることが分かる。 法的には政府が干渉できなくても、見えないところで根まわしなどによってかな りの影響力を行使できることは否定のしようがない。沖縄の「私有地」に対する 政府の明の、暗の工作が凄かったのは周知の事実である。灯台を立てた右翼団体 に対して日本政府が根回ししたのかしなかったのかの事実は我々には分からな い。しかし、日本政府が明確に反対を表明しないなら、本音では支持していると 外国人に疑われても仕方がないであろう。
中国は日本と異なり、民間は公に政府に異を唱えることは殆どなかったし、今 でも稀だ。日本に対する戦争賠償の放棄は、国民の支持があったとは思えない が、最近まで異を聞くことがなかった。これは勿論国民に考えがないわけではな い。最近の事情が多少異なってきた。一部の国民には多少の余裕と自由ができ て、中国でも情報が入手しやすくなった。日本に補償を直接に求める民間団体が できた。中国政府も、政府の請求権は放棄したが、民間には請求権が存するとの 立場をとっている。これは勿論理にかなったものであると同時に、中国政府の対 日交渉の立場を強めるものであった。中国政府も民間の力を借りるところまで 「成長」したのだ。
ところが、対日問題に限って、このカードは怖いものがある。中国国民の対米 感情が基本的に好意的なのに対して、対日感情は基本的に良くはなく、火をつけ ると、収まりがつかない恐れがある。政府としては、日本の経済協力はとても重 要であることが分かりきっており、民間の運動に「あうんの呼吸」があれば、 「国益」を助けるが、一人動きしだすと、中日関係がたちまち悪化し、順調に発 展してきた経済関係が崩れてしまうと心配する。民間請求にせっかく表明した支 持も、結局のところ運動を阻止する羽目になってしまった。この辺はまだまだ日 本人には及ばない。
問題はこれには止まらない。中国で一旦抗議運動が許されると、それが最初は 何に向けていようとも、たちまち反政府運動に発展してしまう恐れがある。76 年の天安門事件も、89年の天安門事件も最初は周恩来と胡耀邦の死を痛むもの であったが、結末は周知の通りである。今回の釣魚島の件で、中国政府は北京の 抗議の動きを素早く徹底的に封じる姿勢を見せている。政府の恐れにはそれなり の根拠があり、海外の論調には既に政府の「弱腰」を批判するものが多く出てい る。
ここまでは私のような素人でもすぐに分かったが、ここ二三日の新聞等を読む と、政府を困らせるため、或は政府内の権力闘争のために、この問題が利用され るとの情報や推測が出ている。毛沢東が田中角栄に「日本の侵略がなければ共産 党は国民党に勝てなかった。日本に感謝する」と言ったことを思い出す。
問題がここまで発展するかどうかは今の所まだまだ闇の中の話であり、現実と ならないことを望む。しかし、もしこれが本当ならば、恐らく中国政府と言えど も、自分の立場を守るため、発展を犠牲にしてでも、日本に対して強硬な姿勢を 示さざるをえないであろう。その後の始末はどうなるか予想もつかない。
「民間」から始まる動きがここまで二つの大国を動かしてしまうのだろうか。
子供の頃読んだ、中国の昔話にこんなのがありました。
「古代の秦の始皇帝は不老不死を求め、全中国を旅した。占い師の徐福と言う男 が、東方の島に蓬莱山というところがあり、そこに薬があると言った。始皇帝は 船を造らせ、国内の賢い少年少女を乗せた。徐福も船に乗ったが、戻って来なか った。彼が行き着いた先は日本で、蓬莱山は富士山である。彼と優秀な同乗の少 年少女の子孫が日本人となった。だが、長期に渡って船に揺られ、満足に栄養を 得ることがなかったから子孫の日本人も賢いが背が低いのだろう 」
不正確な箇所もあるでしょうが、大筋でこういう話でした。昔の中国の人の、 本人への見方が出ていると思います。そして、昨今の中日関係を考えるに当た り、この話が頭をよぎりました。
日本人が優秀かどうか。廃墟の中から、アメリカに次ぐ経済大国になったので すから、優秀なのだと断ずる人もいるでしょう。私は少し違う見方をします。
日本人は、おそらく他国の人々と比べ、どこか民族として未成熟なところがあ る、と感じます。戦後の復興も、負けた理由を捜し、それが科学力であると気づ いたときから一瀉千里に学び続けた結果だと思います。ですが、負けた理由につ いての他の理由、多面的な反省、これがあったかどうか。私には疑問に思えま す。あらゆる可能性を推理し、検討し結論を出す。それができるかどうかが、大 人と子供の差だと思います。今回、この問題を考える日本人の姿勢はおよそ多面 的とは言えません。小賢しく「存在しない」などとも放言する外務官僚もいまし た。やはり成熟しきらぬ、幼稚さが抜けきれてない民族なのでしょうか。上記の 昔話を、私なら次のような一文を付け足したい。「そして、背が低いだけでな く、徐福というどこかエキセントリックな人間に彼の地で育てられたせいか、日 本人は知識はあるが、どこか振る舞いに躾の足りなさを感じさせる」と。
成る程、尖閣諸島の帰属に当たっては、不明確なところがあります。日本側 は、わが国の領土としてきましたし、また中国の外務省も、一度は追認した文書 があります。(大正年間に、尖閣諸島付近で遭難した中国人漁船員を救助した島 の住人に、中国政府が感謝状を渡しています。この時には日本領だと示す箇所が 文中にあります)昭和19年には、大審院で沖縄県から台北州台北県に帰属先を 移す旨の判決が出てますが、これについては結局戦争の激化と敗戦でうやむやに なってしまった経緯があります。そこに今回の紛争と、痛ましい悲劇の発端があ ります。 サンフランシスコ講和条約、中華民国との国交回復と断絶、沖縄返 還、中華人民共和国との国交樹立、中華民国政府との断絶。見直す機会が日本に はありましたが、深刻に考えませんでした。物事を深刻に考えない日本人の特性 と言えましょう。
そして、私が残念に思うのは、こうした往年のツケが今、最悪の時期に爆発寸 前にあると言う点に尽きます。これはわが国を含めた近代の列強の侵略による心 の傷がそうさせているのでしょう。しかし、正義と愛国心が声高に語られる時、 人はかえって選ぶべきでない肢を取る場合があります。ハーグの国際司法裁判 所。国連の安保理。こうした領土紛争を審議解決する機関はあります。私はそこ へ訴える事こそが、最良の肢であると信じて疑いません。
私は小さな二流の日本のメディアで働く者です。アジテーションの恐ろしさに ついては多少とも知っているという自負はあります。中国の同業の方には、敢え て言いたい。あなた方の正義感、中国人としての怒りは分かる。が、ここは冷静 な論調を貫いてくれないか、と。「『出るところに出て話し合おう。そう日本に 呼びかけよう』と社説に書け」と。現在のようなアジテーションは、やがては武 力による挑発か緊張状態に発展するでしょう。悪いことに今日本は選挙期間中で す。両国関係の緊張が武力衝突に発展した際には、きっと軍国主義の台頭を見る ことになるでしょう。幼児にありがちな、怒りを抑えられないのが日本人です。 一旦切れてしまった時、抑える自信はありません。我々のメディアの論調が冷静 に見えるのは、この「恐れ」に尽きるのです。
悠久とも言える両国の歴史で、この1世紀は流血の、忌むべき時代でした。も うこれ以上、悲劇を繰り返してはいけません。「忍耐は力の強さに勝り、自制の 力は街を占領することに勝る」(聖書、箴言16章32節)。我々とは違う文明 圏で到達した偉大なこの智恵を、中日両国民は噛みしめるべきではないのでしょ うか。
釣魚台の問題で死者が出た。日本のマスコミは相変わらず「冷静に」、「冷静 に」とばかりで、香港で騒いでいるのは近々の中国返還に民族主義が台頭してき たからと賢くものを見極めているかのように「冷静」対応している。
そして犠牲者が出た今も「香港のマスコミは騒ぎ過ぎ」、「抗議船は一種の売 名運動で、返還された後の再選挙のための点数稼ぎである」と知ったかぶりに話 す評論家までいる。
釣魚台問題は日本の右翼団体が火を付け、香港で燃え上がったのは日本の香港 領事が「あれは小さな問題」との発言によるもので、更に閣僚のお偉いさんが 「領土問題は存在しない」などの発言が油を注いできた。相手を怒らせて置きな がらただ「冷静に」、「冷静に」と呼びかけることがこの怒りの火を沈静化でき るのだろうか?
中国の人々はアメリカと日本が私的な授受のうちに釣魚台を日本は占拠したも のと見ている。そして、当のアメリカも日本へ移管したのは施政権のみで、日本 の釣魚台領有を認めないと言明している今、中国人にとって、カイロ宣言とポツ ダム宣言に従って島を中国へ返還しない日本に対しては戦争が終っておらず、今 でも日本に侵略され続けていると感じている。
中日戦争が50年以上経ち、日本では敗戦国ではなく、経済大国となった独立 国として国際的な地位を求めようとする動きが活発になってきているが、果たし て日本は終戦できたのであろうか?
犠牲者の陳毓祥氏は70年代から香港の釣魚台防衛運動を続けてきた。彼は自 分自身の書いた文章の通り、「命を以って釣魚台を守ろう」とした愛国心に満ち た熱血漢であり、そんな彼に対し「売名行為、選挙のための点数稼ぎ」の言葉は 死者を冒涜するものであり、許されるものではない。陳さんの死はどの政府にも 責任があり、そう認識して欲しいと思う。
以下は陳毓祥氏の1972年学生時代に書いた文章である。彼の死が無駄にな らないよう、そして更なる犠牲者が増えないことを祈る。 - ------------------------------------------------------------------------ 釣魚台と中国の統一運動
70年代初頭海外で始まった「保釣運動」(釣魚台防衛運動)は、アメリカが 「沖縄条約」をもとに釣魚台を日本に移管するのを機に終わりに近づいた。青年 学生達は何度ものデモや抗議運動を繰返しても、依然として、釣魚台が日本人の 手に落ちる事実を変えられず、当時の学界では意気消沈し、失望に満ちた雰囲気 に包まれていた。「保釣運動」はどの方向へ進むべきか?これはすべての運動に 参加した人の心を悩ます問題となった。私は同窓との討論と自分の思考の後、運 動は中国に対しての再認識とその統一運動を促進することで運動の意義を認め更 なる発展を求めるべきと考えた。そこで学連報に以下の文章を書いた。当時私は 香港大学社会科学院の一年生で、香港大学学生会レクリエーション秘書及び学連 事務秘書の両方を兼務していた。−−− 陳 毓 祥
始めに 海外中国人が心を一つにして始めた「釣魚台防衛運動」は、既に2年を経過し て来た。この運動は海外各地の中国人社会に於いて何らかの影響をもたらしてい る。特に香港、アメリカ、カナダの各地では、「釣魚台防衛運動」の展開によ り、その地域の中国人同士の団結を促進した。そこから「中国の再認識と中国統 一」への一致した願いが引き出された。
しかし、「釣魚台防衛運動」が海外中国人社会に大きな影響を及ぼしたとは言 え、我々の目の前にはまさに歴史的な決定が下されようとしている。即ち「釣魚 台群島」は果たして5月15日の「日米冲縄返還協約」の満期時に、日本政府に 落ちるだろうか?「釣魚台」は失われるだろうか?無くして良いだろうか?本当 に失われるのか?もしも不幸にも本当に失った時、海外の中国人達はどのような 態度でその残酷な事実に向き合ったら良いだろうか?またもし「釣魚台」は又し ても日本人に取られるべきでなければ、この「保釣運動」に参加してきた海外の 同胞達は、この短い一ヶ月の内に、どのような有効な方法と行動を以って、我が 命を以って「釣魚台」を守ったら良いだろうか?一度は冷めかかった「保釣運 動」であったが、「日米冲縄返還協約」の近づく今、また息を吹き返し、活動始 めようとしている。
「釣魚台運動」の発展を理解するために、我々は過去2年間の「保釣運動」が 進んできた各段階について検討し、分析する必要がある。
「運動」発展の趨勢:過去と未来
「運動」初期の目標は簡単かつ鮮明なものであった。専ら釣魚台列島の防衛に 注力した。従って、当時は左右の路線の違いを問わず、すべてが「運動」に対し 積極的な支持を表明した。「釣魚台運動」は香港での覚醒運動として、即ち自分 自身に対しての再認識と肯定を与えるものとして始まった。そのため「海外華人 団結せよ」のスローガンを声高く叫んだ。しかしこの連合陣営は、その論理と現 実が一致できず決裂を告げ、長くは続かなかった。「運動」の進む道も数本に別 れた。その一つは「植民地政府」への不満が高まり、「七・七」維園大デモでの 港英皇家警察の血生臭い鎮圧に起因して、「運動」は「釣魚台防衛」から「反植 民地政府」運動へと性質が変わってしまいそうになった。もう一方では、それぞ れの政治背景と立場の違いから、理論を現実への実践に進めた段階で、矛盾は必 然として生じたため、「保魚」団体間で互いに攻撃し合い、運動そのものに大き な打撃を与えた。
「運動」発展の第3段階、それは「釣魚台防衛」から「中国統一」へのレベル アップである。そして「中国統一」はこの「運動」を支える主流となるものとな る。5月15日はもうすぐやって来る、人々はまた「釣魚台防衛」のスローガン を叫び始めた。これは「運動」を当初の起点へ戻すだけのものになる。いづれに せよ、中国が5月15日に釣魚台の領土主権を確保できるかどうか、これは各方 面の客観的な情勢の分析による。
現在の状況分析
(一)香港 「釣魚台運動」始めは一種の覚醒運動であった。目的は香港で中国同胞に釣魚 台問題の関心を高めようとし、そこから各個人の中国への再認識を誘引しようと していた。「運動」初期の各種デモ行動は十分その効果を果たした。しかし、香 港の特殊な政治環境下で、「保釣運動」は植民地政府との衝突を避けることはで きず、そのために「運動」は非常に簡単に変質してしまう。従って、香港で「保 釣運動」を継続することは現実的でなく、余り効果も得られないであろう。
(二)日米−−日本は釣魚台海床下の豊富な石油資源欲しさに、ずっと策略をめ ぐらし、釣魚台を手に入れようとしてきた。かつて日本はマラッカ海峡を日本の 「生命線」と表現したことがある、その主な理由はマラッカ海峡は日本が中東か ら石油を輸送するのに必ず通らなければなからない経路であり、しかも石油はこ の天然資源の乏しい国に取っては重要なエネルギ源となるためである。もし日本 が釣魚台を自分のものにできれば、日本は釣魚台海底の豊富な油田によって、中 東の石油に頼りエネルギ問題で他国に制されるという難題を解決できることは間 違いない。従って日本政府は釣魚台主権問題に於いては、ずっと力を注いでき た。例えば、日本政府はずっと釣魚台獲得の決心を強硬な姿勢で示すだけでな く、更に必要であれば武力を持ってしてもこれら小さな島々を占拠すると言明し ている。その一方でアメリカに支持するよう声明を発表することを要求し、国際 世論の圧力を借りて目的を達そうと企てている。日本の野心は確かにはっきりし ているが、致し方もない。日本の今の姿勢には強硬な態度でしか通じず、その貪 欲さには境がなく、目的を達するには手段を選ばないものとなっている。
アメリカは釣魚台の主権問題に於いては、ずっと日本寄りの態度を示してき た。「日米沖縄返還条約」の中でも、「釣魚台列島」は沖縄と一緒に日本に返 還すると記している。しかも最近のアメリカ国務院は日本の要求に従い、「釣魚 台」は日本に属されるだろうとの論調を示している。従って「釣魚台列島」の主 権紛争に於いては、日本は事実上既に強力な支持者を獲得している。
(三)台湾−−台湾政府は没落中の「王朝」である。蒋介石は再度連任して第5 期の総統となり、台湾政府が依然として「元老政治」を続けることを示した。こ れは「不動を以って動を制す」と言わんばかりのようなもので、大陸が他の国々 と国交を結んでも、こっちでは断交するばかりである。一方では、毎年のように 声を張り上げて「光復」を叫び、同時に他人が自分達の領土を割き取るに任せ て、まるで文句を言わない。こんな軟弱な外交手段で、ただ単に自分を早く滅亡 の道に追い立てるだけである。本来、歴史的にも法理的にもいづれの角度で見て も釣魚台は台湾省の一部分であり、もし台湾政府が強硬な態度を示し、日本政府 に理を以って主張すれば、日本はけっして強く出れなくなるはずである。必要で あれば派兵して釣魚台に駐屯し、必ずや中国人の支持を得られるであろう。それ に事実上、中国の二つの政府の内、派兵して国土を守ることではやはり台湾がも っとも大義名分を持っている。なぜなら釣魚台は台湾省の一部である。しかし、 これまでの国民党政府の外交上の軟弱無能な状況から、台湾が派兵して釣魚台を 守る幻想の可能性は極めて薄い。例えば、かつて大陸の共産党政府が連合国に加 入する際も、もし台湾政府に自らの立場、状況をわきまえていたならば、自ら先 に連合国を退出し、さすれば、多少の面子も残り、大国としての風格を示せた。 しかし、台湾当局はずっと幻想を持ち、一縷の希望にすがり、結局慌てて旗を納 め、惨めな様で帰ることとなった。このような例から、例え台湾で最近開かれる 国民大会に於いて再度釣魚島の主権を主張するのが通過できても、5月15日の 日に、派兵して釣魚台を守ることを期待することは難しいであろう。
(四)中共−−中国共産党政権はまさに成長し続けている。中共が派兵して釣魚 台を防衛することに期待を寄せる人もいる。しかし、中共がいくら国力が上がっ てきたとは言え、どうしても直接介入することは難しい。なぜなら台湾問題が解 決されない限り、中共には釣魚台に手を出すすべがない。これは法理上の問題が 係わっている。従って、中共は連合国で声明を発表し、日米双方が私的な内で釣 魚台を授受していると非難する以外は、唖が苦い黄蓮を食らうが如く、その苦衷 を訴えることもできず、何の策も講じることはできない。従って中共が派兵する ことを期待すること、その可能性は更に薄い。もし中共が出兵すれば、必ずや激 変が発生し、日本とアメリカは強く反発し、ただ徒に世界情勢の緊張を生み出す だけとなろう。
釣魚台を失っても、統一運動は継続すべし。
国際情勢を分析すると、釣魚台は5月15日に法理上日本に渡されるであろう ことはもはや避けられそうにないようだ。すると釣魚台は絶対に失ってはならな いと考え出す人が出てくる。釣魚台運動の最初の目的は海外中国人の民族感情を 刺激し、心を一つに国土を守ろうとしたもので、その後は「中国を再認識し、中 国を統一する」という目標に発展した。従ってもし釣魚台を守りきれなければ、 間違いなく今まさに芽生え始めた「中国統一運動」に対して大きな打撃となろ う。そして、人々に現在の両方の政府に対し自信を失わせるものとなり、更に海 外の中国人の団結運動に大きな危害を与えることとなろう。
このような憂慮は、一定の確実性を持っているが、しかし、もし我々が視線を もう少し遠くへ移して見れば分かると思うが、釣魚台がもし失われればそれは一 つの歴史的な要素となるであろう、まさに台湾と香港が未だに中国の版図に納め られていないように、やはり一つの歴史的な要素である。釣魚台は台湾の一部で ある。台湾政府に国家の領土を守る力が無ければ、後は中国共産党が台湾問題を 解決した後、国際ルールに則って、釣魚台の問題を解決してもらうしかない。筆 者は、中共が既に国連に加入し、安保理の常任理事国となった以上、決して日本 にすぐに釣魚台列島の海底油田を開発させないであろうと信じている。
「釣魚台防衛運動」、本質的には中国の統一を促進する運動である。かつて 「五・四運動」の爆発も、目的は屈辱的なパリ条約の署名に反対するものであっ た、同じように一種の国家を守る愛国運動であった。結果的にパリ条約は結局締 結されたが、しかし、「五・四運動」は中国の政治文化史上、大きいな影響をも たらしている。同様に、釣魚台もしばらく失われる可能性がある、しかしそれは 「運動」そのものの精神を少しも損なうものではない。
別の角度からこの問題を見れば、もし釣魚台が本当に失われれば、それは中国 の統一運動を更に促進させる可能性がある。なぜなら中国は統一して始めて、一 致団結して、外侮に立ち向かうことができる。
「釣魚台防衛運動」は「中国統一運動」を促進する酵母である。今、我々は一 つの逆流に臨んでいる。この逆流は「統一運動」に打撃を与える可能性は大き い。如何にしてこの課題に対処し、「中国統一運動」を継続するか、これは我々 が対応すべき急務であり、そして今期学連の新幹事に取ってのチャレンジと試練 であると信じる。
(原載《 学 聯 報 》1972年 4月 陳毓祥)
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