第98号 

1996年(平成8年)8月7日発行    1994年(平成6年)11月 1日創刊

目 次●com/j1996/08a.txt next (j1996/08b) previous (j1996/07e)
新聞簡訊
経済関係●中国系航空会社ドラゴン航空が初の台湾便
香港返還●「協調」アピール?記念封筒に中英両香港部隊司令官
関税信息●持ち込み関税を引き下げ
国際関係●CTBT査察で情報収集手段の提出を提案 
医薬顧問●糖尿病の「特効薬」愈消散を開発
在日外人●永住外国人らの保管指紋抹消
国内情勢●建軍69年に江沢民カラーを強める
国内情勢●北京のアルバイト探しは暑い  
国内情勢●高まる民族意識
就職問題●外国人留学生も就職戦線
スポーツ●小山ちれのショック
スポーツ●中国の若いコーチたち ----------------------------- 南 文
体育芸能●オリンピック・メダル獲得一覧
【新聞簡訊】

★[08/05] 共同通信によると、雲南省で2月に起きた大地震で両親を亡くし、大 けがをした五歳の少年らを助けようと、岡山県の華僑総会は12日、岡山市内で コンサートを開き、売上金をAMDAなどを通じて祖国に送るという。 

★[08/05] 4日の人民日報は、農業部は小麦を含む中国の夏期収穫農作物につい て、1993年の1億840万トンを上回り、史上最高の豊作になるとの見通し を明らかにしたことを伝えた。但し、夏期に収穫する作物は年間に収穫する作物 全体の3分の1に過ぎないため、農業省筋は早稲(わせ)と秋収穫作物の状況を みなければ年間の状況は分からない、としている。  

★[08/03] 3日香港紙・大公報によると、正体不明の大型動物がたびたび現れて いる中国北部の吉林省にある山上湖・長白山天池で7月14日朝、「怪物」が二 百人余りの観光客に目撃された。怪物は四匹で黒っぽい色をしており、湖面を 五、六分間泳ぎ回り、やがて水中に消えたという。

★[08/02] 共同通信によると、卓球男子シングルス決勝は中国選手同士の間で争 われ、劉国梁が3―2で王濤を下し、金メダルを奪った。これで中国は卓球の男 女シングルス、ダブルスの4種目すべてを制し、合計8個のメダルを獲得した。

★[08/01] 1日の中国英字紙チャイナ・デーリーによると、中国衛生部は日本で 流行している病原性大腸菌「O157」による中毒を防ぐため、全国の衛生検査 部門に対し監視を強化し、感染兆候が発見される場合すぐに報告するよう指示し た。中国では現時点での感染者は報告されていないが、大雨と洪水で南部の衛生 状態が悪くなっていることもあり、衛生部は警戒を強めている。

★[08/01] 共同通信によると、中国の国営メディアが1日今年の年間貿易額は、 輸出入合わせて2810億ドル(収支はほぼ均衡)という目標を達成できるとみ られていることを伝えた。今年上半期の貿易額は、前年同期比0・6%増の12 72億ドルで、昨年の年間貿易額は2809億ドルで、収支は167億ドルの黒 字 だった。

★[07/31] 新華社電によると、中国国家統計局による1万社企業景気調査の景気 指数は、第2四半期(4―6月)にプラス0・04となり、前期のマイナス0・ 03から上昇して、景気の底入れを示した。産業別の景気指数は、工業がプラス 0・04(前期マイナス0・03)、建設業がプラス0・06(マイナス0・1 0)、第3次産 業がプラス0・05(プラス0・04)となった。

★[07/31] 朝日新聞によると、中国広東省思平市江洲鎮の鎮長が、カジノ賭博で 公金1600万元(約二億円)を失ったことが発見され、このほど死刑判決を受 けた。当鎮長は、公用と称して、30数回もマカオのカジノに入り、鎮営企業の 取引を装って公金を持ち出してつぎ込むほか、持参した村の公印を押した白紙の 借用証書で高利で借金し、賭博資金に流用した。被害は鎮財政収入の九年分にも 上るという。

★[07/31] 31日の上海ラジオによると、寧夏回族自治区の彭陽県で27日大規 模な地滑りが発生し、これまでに18人が死亡、5人が行方不明となっている。 事故当時、大雨で地盤が緩んでいた。人民解放軍などが現場に出動、救出活動を 続けている。

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【経済関係】
        中国系航空会社ドラゴン航空が初の台湾便

1日の共同通信経済ニュース速報によると、香港ドラゴン航空は1日から、香 港と台湾高雄を結ぶ定期便の運航を開始した。同航空は中国民用航空局直系の中 国航空(香港)が6月に株式の36%を取得、香港で初の中国系航空会社になっ ており、台湾への中国系航空会社の乗り入れが本格化した。

香港と台湾間の航空路線についての協定は、昨年春の更新を契機に、従来のキ ャセイ航空と中華航空との2社に加え、香港側からドラゴン、台湾側からエバ航 空の2社が新たに参入するこのになった。そのうえで、キャセイの親会社スワイ ヤ・グループがドラゴンの経営権を中国航空に譲渡することにより、中国大陸の 台湾路線参入も実現することになった。

 ドラゴンは今後高雄線で週21便を運航、エバ航空も同日から週16便の台北 ー香港線運航を始めた。中国大陸と台湾間の航空路線については、マカオ航空が 昨年暮れからマカオ空港経由で同じ機体で便名だけ変えて台北と北京を結ぶ事実 上の「直航便」を運航している。 

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【香港返還】
      「協調」アピール?記念封筒に中英両香港部隊司令官

 1日付の中国系香港紙・文匯報によると、人民解放軍創設記念日の同日、深セ ン市郵便局は二種類の記念封筒を発売する。返還後の香港に駐屯する解放軍部隊 設立を祝うのが主旨だが、このうちの一つには7月16日に初めて香港を訪れた 同部隊の劉鎮武司令官(少将)と、英香港駐屯部隊のダットン司令官(同)が並 んで写った写真がカラーで刷り込まれている。

 香港市民の解放軍に対するアレルギーは根強く、中国はこれを解きほぐそうと 「進駐部隊の規律正しさ」を宣伝中。中英協調をイメージさせる封筒にもこうし たアレルギー解消の狙いが込められていると見られる。

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【関税信息】
          持ち込み関税を引き下げ

 31日の人民日報などは、中国は国務院決定に基づき、8月1日から個人持ち 込みの一部工業製品の関税率を20―100ポイント引き下げると伝えた。これ は中国の世界貿易機関(WTO)加盟に向けた調整措置の一環とみられる。

 中国は4月にすべての輸入関税対象品目の76・3%、4994品目の関税率 を引き下げている。今回は紡績製品、電気器具、照明器具、自転車、腕時計の関 税率を現行50%から30%に、ビデオテープレコーダーを同100%から80 %に、たばこ、酒類を同200%から100%にそれぞれ引き下げた。これらは いずれも中国が競争力をつけてきた製品だ。

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【国際関係】
       CTBT査察で情報収集手段の提出を提案 

 2日の共同通信ニュースによると、中国の沙祖康・軍縮大使は1日、包括的核 実験禁止条約(CTBT)の最後の争点の一つである違反核実験の疑いに対する 現地査察開始要件で、各国が独自に違反情報を収集する手段の一覧表を、CTB T機構事務局に提出するよう提案した。

 このほか、現地査察開始の条件で中国として、CTBT機構執行理事会(51 カ国で構成する予定)の過半数同意を30カ国の同意に引き上げること、各国の 独自情報についてもスパイなど人が集める情報は検討材料として認めず、衛星な ど「技術的」なものに限定するなどを、要求した。

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【医薬顧問】
       糖尿病の「特効薬」愈消散を開発

 共同通信によると、北京の医学博士が開発、認可を受けた健康食品「愈消散( ゆしょうさん)8805」は、中国で糖尿病患者50万人が服用した結果、85 %の人に効果があり、欧米やアジアでも販売し、売り上げ好調とのこと。

 180もあった血糖値が、「8805」を飲み始めてから1カ月で124に下 がり、その後は90台で安定、中国の健康食品こそ糖尿病の「特効薬」、と体験 談を語るのは大手テレビ番組制作会社「フルハウス」代表の佐藤竜彦さん(55 )。今は仕事やゴルフを目いっぱいやる生活に戻ったという。

日本ではこの薬の認可を受けていないが、佐藤さんにとっては救世主とあっ て、同じ悩みを持つ知人、友人に勧めている(120粒入り、1万3000円) 連絡先ベルダ03(3584)0560)という。

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【在日外人】
        永住外国人らの保管指紋抹消

 朝日新聞によると、日本法務省は7月26日、国や地方自治体が保管している 永住者と在日韓国・朝鮮人ら特別永住者の指紋を来年4月以降抹消すると通達を 出した。

 今回の対象となるのは、日本人と結婚するなどして永住資格を得た者と、戦前 から日本に住んでいる朝鮮・台湾人とその子孫である特別永住者。これらの人々 に対する指紋押なつ制度は、1993年施行の改正外国人登録法で廃止された が、それ以前に作成した外国人登録原票には指紋が押されており、その取り扱い が日本で問題になっていた。

 この問題にめぐって、外登法改正の際に日本の参院法務委員会は「法改正の趣 旨を踏まえ、今後の措置を速やかに検討すること」という付帯決議をしたほか、 各自治体からも改善を求める声が多数出ていた。一方、95年2月には、大阪と 東京に住む在日韓国・朝鮮人ら十人が「指紋を保管し続けるのはプライバシーの 侵害だ」として、指紋欄の廃棄と慰謝料の支払いを求めて大阪地裁に提訴した。

 日本法務省によれば、指紋が残っている原票は全部で約51万人分ある。これ までに約6万人分を5年に一度の回収によってマイクロ化したが、指紋欄を抹消 するには技術上の検討が必要なため、作業にかかれるのは来年4月以降になると いう。一方、まだ回収されず、市区町村が原本のまま保管している場合は、通達 の中で「住民らの要望を考慮して、来年4月を待たずに市区町村の判断で抹消の 措置をとって差し支えない」としている。

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【国内情勢】
       建軍69年に江沢民カラーを強める

 共同通信は、1日に建軍69周年を迎えた中国人民解放軍で、江沢民カラーを 強める動きが活発化していると報じた。

 優秀兵士には江沢民中央軍事委主席(国家主席)の文字入り記章が配布され、 解放軍では過去2年余りに80万人近い優秀兵士が選出されているが、今年から は江主席の文字入りの記章が渡されることになる。

解放軍報社説によると、中央軍事委は江沢民主席の重要指示を故毛沢東主席、 トウ小平氏と並べ、部隊などに張り出すことを決めた。

 共同通信は、これまでの上将の多数任命やこまめな部隊視察などから、軍歴の 無い江氏が、ポストトウ時代に向けて、軍での権威確立を急いでいるとみれるこ とを伝えた。

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【国内情勢】
          北京のアルバイト探しは暑い  

 毎日新聞によると、北京で夏休みに入った大学生が、暑さに負けずに、大学街 に近い百貨店の前で、家庭教師のアルバイト探しに精を出しているという。

 日本以上に受験競争の厳しい中国では、可愛いわが子の将来を考える親たちは 早くから、習いごとを勧める風潮は都市部で強い。長い休暇の間、多くの学生は ふるさとへ帰省するが、大学寮に残る者もいる。外国語系や経済・貿易系の学生 にとって、空いた時間は学費の足しに、小遣い稼ぎにと、家庭教師は人気のアル バイトになっている。

バイト代は「1時間15元(約200円)」だという。

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【国内情勢】
        高まる民族意識

 毎日新聞によると、中国では最近ナショナリズム高揚の動きが活発になってい る。

6月から「光明日報」がキャンペーンを展開した反植民地文化運動が、全国に 波及し、レストランや商店に西洋風の名前をつけない、「自分たちの民族文化に 誇りを持つべきだ」、国産品愛用、外国製品崇拝を批判する。こうした動きの背 景には、米国や日本へ反発する国内情勢にある。と毎日新聞は伝えた。

 米国への不満は、2000年北京五輪をつぶされたことから、世界貿易機関 (WTO)加盟を妨害されるまで、すでに一部では強まっていた。今年3月の台 湾総統選挙の際に、米国は空母を台湾海峡に派遣した。これは中国国民の反米感 情を一挙に煽ることになった。日本は中国の核実験への反発から、対中無償資金 協力を一部凍結した。中国では日本の援助を戦争賠償を相殺するとの見方もあ り、反日感情が高まっている。

 更に、毎日新聞では、すでに、事実上のポストトウ小平時代に入った中国で、 トウ小平氏のようなカリスマ性を持たない江沢民にとって、米国に対抗すること で、権威を高めようとしているのではないかとみており、また、市場経済の導入 に伴い、拝金主義の氾濫、共産党幹部の汚職及社会の低下が際立っている中、国 民の不満を外の敵にそらすことも指導部の狙いの一つのようだとしている。

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【就職問題】
       外国人留学生も就職戦線

 共同通信によると、外国人留学生が日本で就職するために奮闘苦闘している。 1日からは民間企業の採用試験が正式に始まり、大学生の就職戦線もいよいよ終 盤に入る中、OB訪問、リクルートルック…、日本流の就職スタイルに戸惑いな がら、会社訪問する外国人留学生の姿が目立つ。

中国の男子留学生(27)は大手企業から内定を一つ取った。「どこが留学生 を取ってくれるか分からないから大変。ギャンブルで当たったみたい」と苦笑 い。大手企業十社以上を回って、「雰囲気や考え方が全部違う。いろいろ経験で きたのはプラス」と日本式の会社訪問を評価した。

 東京の私立大のマレーシア人留学生(31)は5月に紺のスーツを購入、履歴 書の書き方も勉強して二十社近くを回った。だがまだ内定をもらっていない。「 日本人は制服集団だからスーツの方が落ち着いていいですよ」と笑う。学校で求 人票をめくったが、留学生も可という企業は二百社に一社あるかないか。「留学 生も就職難。チャンスが少ない」とため息をつく。ある商社の面接で「外国人は いらない」「女性は営業に向かない」と言われ、声が出ない留学生もいる。大阪 市の東南アジアからの女子留学生(23)の経験である。「もうびっくり。母国 では考えられない。国際化、国際化とよく言うがもう言わないでほしい」と訴え た。                           法務省によると、留学生の日本企業への就職希望者は1990(平成2)年の 千百九十九件から94年は二千五百五十五件と倍増。企業の留学生への需要は海 外進出で増えているというものの、求人そのものは決して多くない。留学生支援 の活動をしている財団法人「内外学生センター」(東京都新宿区)の担当者は「 企業は留学生を採っても1人か2人。日本人と同じくバブル崩壊後は厳しい」と 指摘する。「卒業するとビザが切れる。就職しないと就労ビザがもらえないか ら、焦りがある」と、別の中国人留学生(25)が打ち明けたように、彼等の悩 みが深刻化している。

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【スポーツ】
        小山ちれのショック

 朝日新聞によると、金メダルを目指していた小山ちれ(池田銀行)は、卓球女 子シングルス準々決勝で中国の喬紅に0―3で敗れ、青ざめた顔で無言のまま控 え室に消えた。

 上海生まれ三十一歳の彼女は、日本に帰化前の中国名を何智麗という。卓球が 初めて五輪に採用された八八年ソウル五輪当時は、彼女が24歳だった。その前 の年、インドのニューデリーで世界選手権シングルスチャンピョンの座に着いた 彼女にとって、最初の五輪はソウルのはずだった。が、何は結局「若返り策」の 名目で代表から外された。そのほんとの原因の一説には中国選手同士の試合で、 コーチが勝ちを譲るように指示したのを無視して勝ってしまったため、という話 もあるそうだ。

 失意した何は英之さんと結婚し、日本に帰化した。日本選手として卓球試合に 臨んだのは、1994年の広島アジア大会。そこで、昔の隊友喬紅、トウ亜萍を 連破して、優勝を飾った。

 その後中国では、練習場に小山の新聞記事を張り、雪辱に闘志を燃やしてきた という。今回の試合はその執念に押し切られたようなものだった。

第1ゲームから積極的に打ちまくる喬に対し、小山は粘り強いバックで対抗し た。第2ゲームでは小山のドライブがさえて19―14とリードし、チャンスが 来たが、ここから喬に連続7点を奪われ、逆転負けした。結局小山にはこの劣勢 を盛り返す力はなかった。彼女にとって、初の五輪は悔しい思い出しか残ないも のとなったようだ。

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【スポーツ】
           中国の若いコーチたち

                南 文

 中国の体育界はしベルの高いコーチ陣に恵まれている。とくに嬉しいのは、一 部に著しい実績をもつ若いコーチたちが重責を背負って活躍していることで、彼 らはみんなから「若い将帥」と呼ばれている。例えば、卓球のさい振華、バドミ ントンの李永波、女子バレーボールの郎平などで、彼らは中国の体育界に鋭気を もたらした。

1)男子卓球をよみがえらせたさい振華

 中国男子卓球チームの主任コーチさい振華は今年三十四歳、もともと優秀な卓 球選手で、かつて中国を代表して第三十六回、三十七回、三十八回の世界卓球選 手権大会に参加し、いろいろな種目で世界チャンピオンになった。現役引退後 は、イタリアへコーチとして招かれた。一九八九年、連続四回もスウエイズリン グ杯を獲得していた中国男子卓球チームがドルトムントで敗れた。ヘッドコーチ の許紹発さんは、男子卓球の再建ができるのはさい振華しかないと思い、彼に帰 国しコーチをしてくれるように頼んだ。さいは何も言わずにただちに荷物を片付 けて、妊娠している妻の黄勝さんとともに祖国に帰つた。「今日の僕があるのは 国のおかげだ、今こそ国に恩返しをする時が来た」と彼は言う。

 九一年、中国男子チームは第四十一回世界卓球選手権大会で第七位となり、三 十年釆の最低の成績となった。正にこのような時に二十九歳のさい振華が男子チ ームの主任コーチに任ぜられた。彼がコーチに就任した時は実に厳しい情況にあ った。スウェーデンチームが卓球の王座に座って、フランス、ベルギー、ドイツ などのチームが覇権争いに加わっており、中国選手は「ヨーロッパ恐怖症」にか かっていた。まずこの「ヨーロッパ恐怖症」を消し、選手に自信を持たせなけれ ばならなかった。

 彼は直ちにいままでのしきたりを改め、なるべく選手たちがヨーロッパのクラ ブへ練習に行けるようにした。馬文草、主演、孔令輝らが次々とヨーロッパや日 本のクラブと契約を結んだことがある。だが、「かくし玉」である劉国梁、丁松 らは絶対に出稼ぎには出さなかった。

 チーム管理の面で、さいコーチは少なからず心血を注いだ。賞罰制度を厳しく 実行し、世界チャンピオンといえどもチームの規定に違反すればみんなと同様に 罰された。彼自身が遅刻したときなど、自分に罰金を課した。毎月、チーム内の 競技芸を実施し、ずば抜けた成績を挙げた者には奨励金を与え、優先的に海外の 試合に参加させるが、成績の悪い者はニ軍に落とし、奨励金を減額する。さいコ ーチの優れた指導により、男子チームは最近連続してよい成績をあげた。とく に、昨年五月の第四十三回世界卓球選手権大会では、六年ぶりにスウエイズリン グ杯を奪回し、若いさいコーチの名前が世界に知られるようになった。さいコー チは暖かい家庭を持つている。妻の黄勝さんはかつて北京紅旗越劇団の俳優であ り、美人でやさしく、ニューモードのデザインと製作に熱を入れている。六歳に なる息子のさい意は腕白坊主で、名コーチの彼もこの息子には手を焼いている。

2)バドミントンのヘッドコーチ李永波  中国バドミントンチームのヘッドコーチ李永波は今年三十三歳、中国スポーツ 界では最年少で資格やキャリアは最も浅いが、最も高い位置にいるコーチの一人 である。

 彼は大連の労働者の家庭の出で、十四年間の競技生活で合計六回も世界チャン ピオンになり、バルセロナ・オリンピックを最後に引退すると、すぐに多くの国 から高い報酬でコーチに招かれた。だが、李氷波が「今日の僕があるのは中国の おかげだ、いくら賃金を貰っても外国の選手を養成して恩を仇で返すようなこと はできない」と妻に言つた。

 九三年九月、中国バドミントンチームが低迷しはじめた時、国家体育運動委員 会が李氷波をバドミントンチームの副ヘッドコーチに任命した。彼は一般コーチ の経験がなく、選手からいきなり副ヘッドコーチになることに不安を感じたが、 「コーチになれば、きっと充実するわよ上という妻の三目が勇気付けた。

 就任すると直ちにいくつかの改革を実行した。例えば競争原理を海外試合の参 加者選抜に活かしたり、選手を成績順に並べ、賞金の分配や試合の参加資格と関 連づけるなど、チーム内の緩んだ規律やだらだらムードの追放に取り組んだ。彼 は、個人を犠牲して国のために全力投球しようと考えている。夜遅くまで働いて も、翌朝いつも一番にコートこ現れる。練習では身をもって教え、選手と同じよ うに練習する。祝祭日や二日の週休、それに晩の時間はほとんど選手やほかのコ ーチと一緒に過ごし、家事と息子の世話はすべて妻に委ねている。

 良妻の謝穎さんはかつて新体操の選手で、自分の仕事も持っている。しかし夫 の仕事を支えるため車の免許をとって、空いている時間には夫の運転手を勤めて いる。いつも妻と息子済まなく思つている李氷波は、結婚記念日や家族の誕生日 には花束やケーキで祝福する。

 李コーチはとても選手たちを可愛がり、いつも鶏のスープ、ブタの肋骨肉の煮 込みを用意して選手たちの栄養に気を配り、時には食堂に顔を出してみんなの口 に合うおかずをつくり、選手たちを慰労する。

3)女子バレーのために帰国した郎平

 「鉄の槌」として知られた郎平は今年三十五歳、かつて中国女子バレーボール が「四連勝」した頃の主力選手で、世界最優秀選手という称号を受けている。人 六年に中国女子バレーボールが五回目の世界チャンピオンになった時のコーチで もあった。

 郎平はハ七年に引退し、アメリカへ留学してもうハ年になるが、バレーボール の仕事は片時も休まなかった。彼女は前後してアメリカのニューメキシコ州立大 学と幾つかのバレーボールクラブのコーチをつとめながら、全米コーチ訓練班の コーチ、アメリカバレーボール協会全米訓練センターのヘッドコーチに招かれ、 更に日本ヤオハンプロチームの主任コーチと選手をもつとめていた。ヤオハンの コーチをしていた時に、彼女は優れた組織力と指導力を発揮し、その臨時編成チ ームが長足の進歩を遂げて当時の中国女子バレーボールチームと十五回の試合を 行い、九勝六敗の成績を収めた。また、彼女が世界中の一流選手からなる「世界 スーパー名選手チーム」を指導したとき、日本のマスコミ界は、これが世界最強 のチームで、郎平がその中で最も優秀なコーチだ、と評価した。

 この数年来、中国女子バレーボールは世界一流の地位を失ったばかりか、アジ ア一の地位も失つて世界第八位に落ち、主任コーチは辞任せざるを得なくなった 。国家体育運動委員会審査グループが真剣に検討した結果、郎平が最もふさわし い後任であると判断し、九五年二月二十一日に郎平を中国女子バレーチームのヘ ッドコーチに就任させると発表した。中国の女子バレーに失望していたファンた ちは、郎平が帰国してコーチになることを知ると気分が一変し、再び期待に燃え るようになった。

 郎平は中国女子バレーの最も困難なときに、多くの契約を解約し、あと三カ月 すれば体育管理学の修士試験が受けられるのも諦めて、中国女子バレーを再起さ せようと決心した。

 郎平は幸せな家庭を持つている。夫の白帆さんと三歳の愛娘の浪浪はアメリカ で暮らしているが、彼女が祖国に帰つてコーチになることは、夫も全面的に支持 している 。中国女子バレー再建のため、即平はコーチ就任により、長期間夫や と別居しなければならないだけでなく、莫大な経済的損失を受けることになる。 彼女がヤオハンから受け取っていた報酬は月額一万五千ドル、九五年にアメリカ で結んでいたいろいろな契約による年収入は十万ドルを超えていた。帰国によっ て豊かで快適な生活条件はすべて消えてしまった上に、大きなリスクと強いプレ ッシャーが待っていた。それに彼女は胃病と眼病を思っている。しかし彼女には うらみも悔いもない。彼女は就任するとすぐ中国女子バレーの努力目標を発表し た。まず当面の目標はアジア選手権で勝つてワールドカップへの出場権を獲得す るということ。次はオリンピックで好成績を挙げるという長期目標である。すで に当面の目標は達成し、いまはその長期目標の実現に向けて奮闘している。

 だが、現状は甘くない。「私は神ではなく人間です」「一年の時間はあまりに も短すぎる」と郎平は言つている。

   (月刊総合雑誌「人民中国」1996年7月号から転載  植字 瀚陽)

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【体育芸能】
オリンピック・メダル獲得一覧

 17日間にわたって熱い戦いを繰り広げたアトランタ五輪は、5日に幕を降り た。中国選手隊は金メダル16枚、銀メダル22枚、銅メダル12枚で合計50 枚のメダルを獲得し、素晴しい競技を見せてくれた。

各国のメダル獲得一覧は以下の通り。

COUNTRY              GOLD SILVER BRONZE TOTAL
United States         44    32     25    101
Russia                26    21     16     63
Germany               20    18     27     65
CHINA                 16    22     12     50
France                15     7     15     37
Italy                 13    10     12     35
Australia              9     9     23     41
Cuba                   9     8      8     25
Ukraine                9     2     12     23
South Korea            7    15      5     27
Poland                 7     5      5     17
Hungary                7     4     10     21
Spain                  5     6      6     17
Romania                4     7      9     20
Netherlands            4     5     10     19
Greece                 4     4      0      8
Czech Republic         4     3      4     11
Switzerland            4     3      0      7
Denmark                4     1      1      6
Turkey                 4     1      1      6
Canada                 3    11      8     22
Bulgaria               3     7      5     15
Japan                  3     6      5     14
Kazakhstan             3     4      4     11
Brazil                 3     3      9     15
New Zealand            3     2      1      6
South Africa           3     1      1      5
Ireland                3     0      1      4
Sweden                 2     4      2      8
Norway                 2     2      3      7
Belgium                2     2      2      6
Nigeria                2     1      3      6
North Korea            2     1      2      5
Algeria                2     0      1      3
Ethiopia               2     0      1      3
Britain                1     8      6     15
Belarus                1     6      8     15
Kenya                  1     4      3      8
Jamaica                1     3      2      6
Finland                1     2      1      4
Indonesia              1     1      2      4
Yugoslavia             1     1      2      4
Iran                   1     1      1      3
Slovak Republic        1     1      1      3
Armenia                1     1      0      2
Croatia                1     1      0      2
Portugal               1     0      1      2
Thailand               1     0      1      2
Burundi                1     0      0      1
Costa Rica             1     0      0      1
Ecuador                1     0      0      1
Hong Kong              1     0      0      1
Syria                  1     0      0      1
Argentina              0     2      1      3
Namibia                0     2      0      2
Slovenia               0     2      0      2
Austria                0     1      2      3
Malaysia               0     1      1      2
Moldova                0     1      1      2
Uzbekistan             0     1      1      2
Azerbaijan             0     1      0      1
Bahamas                0     1      0      1
Chinese Taipei         0     1      0      1
Latvia                 0     1      0      1
Philippines            0     1      0      1
Tonga                  0     1      0      1
Zambia                 0     1      0      1
Georgia                0     0      2      2
Morocco                0     0      2      2
Trinidad & Tobago      0     0      2      2
India                  0     0      1      1
Israel                 0     0      1      1
Lithuania              0     0      1      1
Mexico                 0     0      1      1
Mongolia               0     0      1      1
Mozambique             0     0      1      1
Puerto Rico            0     0      1      1
Tunisia                0     0      1      1
Uganda                 0     0      1      1

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 《華声和語》第98号 編集担当:呉  健@東京            校正担当:村木 毅@大和            技術担当:銭  飛@広島,横山隆志@広島            編集局長:村木 毅@大和            連 絡 先 com-l-request@come.or.jp            無料購読 Subject: subscribe-com            自動脱退 Subject: unsubscribe-com            HELP Subject: help            既刊購読 HELP参照
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