第80号 

1996年(平成8年)4月1日発行    1994年(平成6年)11月 1日創刊

目 次●com/j1996/04a.txt next (j1996/04b) previous (j1996/03d)
新聞簡訊
両岸関係●今度は台湾が軍事演習を計画
両岸関係●台湾の国連復帰は非現実的
両岸関係●台湾省行政院長に、ノーベル賞化学者李遠哲氏か
時事新聞●狂牛病発生国からの牛肉輸入を禁止−中国
日中経済●<日中自動車協議>4月1日から東京都内で初会合
日中経済●和田代表が ヤオハン上海の社長兼務
歴史文物●17世紀の武将、鄭成功ゆかりの品
体育芸能●中国が優勝、大竹九段敗れ
体育芸能●喬紅が松下入り、劉偉はさくら銀行へ
小説連載●ニイハオ神戸の街(12) ------------------------ 栗田和成
義捐募金●遼寧洪水募金の最終報告--------------- 中国フォーラム 李擴建
校慶消息●交通大学の百年祭のお知らせ-------- 日本北方交大校友会 李擴建
【新聞簡訊】

★[03/31] 中国法制日報は三十一日、日本の大手スーパー・ダイエー系列で東京 にある中華料理店が、中国天津市の肉まんじゅうの老舗(しにせ)「狗不理」( 読みはこうぷり)の名称を店名に使い、勝手に日本で商標登録したとして、「狗 不理」経営会社の天津狗不理飲食集団公司がダイエー側を相手取り、日本で訴訟 を起こすことを決めたと報じた。

★[03/30] 時事通信による、ブラウン米商務長官は二十九日、一部記者団に対し 、米政府は中国に対する最恵国待遇(MFN)を再延長する意向だが、知的所有 権の侵害、パキスタンへの核関連技術供与の両問題に関しては「真剣な対応策」 を検討していると述べ、制裁発動の可能性があることを示唆した。

★[03/29] ドイツのVWD通信によると、ドイツ3大化学メーカーの1つBAS Fは29日、中国最大の化学メーカーSINOPECとの間で、南京にコンビナ ートを建設する契約を交わしたことを明らかにした。  投資総額は60億マルクの予定で、ナフサを原料としてエチレンから幅広い製 品を生産する。すでに一部設備の建設が開始されており、97年から生産を開始 する予定。その後2002年までに順次設備を整えてゆく。 

★[03/29] 新華社電によると、中国の北京国際空港で滑走路の補修のため、4月 から週400便が利用できなくなる。  補修工事の対象は同空港に2本ある滑走路のうち東側の1本で、工事期間は4 月から6月末まで。利用できなくなる400便に国際線が含まれるのかどうかは 明らかにしていない。また一部の便の発着は天津や河北省の石家荘の空港に振り 替えられるという。

★[03/28] 沈 酔氏(中国全国政治協商会議委員、元国民党特務機関幹部) 新 華社電によると18日、北京で病死、81歳。中国湖南省出身。1933年から 国民党軍統局上海特務処組長、保密局雲南少将站長など特務畑を歩んだ。国共内 戦末期の49年12月、雲南省の武装解除で共産党に協力。中華人民共和国成立 後、国民党統治時代を批判する「軍統内幕」「魔窟(くつ)の生涯」などの著書 を発表。81年から全国政治協商会議委員。

★[03/27] 三洋電機は二十七日、中国でAV(音響・映像)関連事業を手掛ける グループ五社を支援・管理する事業統括会社を広東省東莞市に設立したと発表し た。

★[03/27] 北京にこのほど届いた中国吉林省延辺朝鮮族自治州の延辺日報による と、州都延吉と韓国ソウルを結ぶ国際衛星電話回線が22日開通した。  韓国電気通信公社の無償援助により、吉林省郵電管理局が約400万元(約5 200万円)で延吉に地上局を建設、新設予定の270回線のうち、まず75回 線が開通した。延吉から韓国への通話が急増、回線がひっ迫していた。

★[03/27] 米総合電機大手のゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEパワ ー・システムズは26日、同社と三井物産が、中国黒竜江省に新設される発電所 向けにタービン発電機2基、総額約8500万ドルを受注したと明らかにした。  発注したのは中国技術進出口公司など2社。GEパワー・システムズは34万 キロワットのタービン発電機2基のほか、関連機器を納入し、保守サービスも提 供する。

★[03/27] 中国・揚子江(長江)の中流域の遺跡から、一万四千年前という世界 最古の土器が発見されたことが二十六日、京都市の国際日本文化研究センターで 開かれた日中共同国際シンポジウムで、中国・北京大の厳文明教授らによって発 表された。

★[03/25] 香港の衛星放送会社スターテレビは25日、香港企業2社と合弁で新 しい中国語衛星放送会社「フェニックス・サテライト・テレビ」を設立した、と 発表した。  新会社は中国国際テレビなど中国のテレビ局からの番組供給も受ける予定で、 日本の番組の吹き替えや台湾の番組の多かった従来のスターテレビの中国語チャ ンネルに代えて、自社制作番組の多い新しい中国語サービスを開始。衛星を通じ てアジア全域の中国語視聴者に提供する、としている。

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【両岸関係】
今度は台湾省が軍事演習を計画

 台湾紙・自由時報が三十日報じたところによると、台湾省軍は四月七日から十 日にかけて、中国大陸に近い台湾省支配地域の馬祖島付近で海空軍の実弾射撃演 習を実施することを計画している。この演習区域は、中国人民解放軍が二十五日 まで行っていた第三波軍事演習区域に近く、計画通り実施されれば、両岸に再び 緊張が高まりそうだ。  同紙によれば、この演習では陸軍が各種火砲や地対空ミサイルによる射撃訓練 を実施する見込み。また、四月十二日からは軍と民間が協力した防衛目的の演習 などが計画されている。

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【両岸関係】
台湾の国連復帰は非現実的

 米政府当局者は二十七日、台湾省の国連復帰は「現実的な選択ではない」と述 べ、否定的な見解を示した。匿名を条件にフランス通信(AFP)に語った。台 湾省総統に再選された李登輝氏は先に、国連復帰への努力を続ける姿勢を示して いた。  二十三日の台湾省総統選後、米国の立場が李総統に伝えられたかどうかについ て、同当局者は「われわれの対中政策に関して、中国政府にも台湾省当局にも理 解に欠けるところはないと思う」とだけ語った。

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【両岸関係】
台湾省行政院長に、ノーベル賞化学者李遠哲氏か

 台湾夕刊紙聯合晩報は二十九日、消息筋の話として、台湾の李登輝総統が次期 行政院長に民間人でノーベル賞受賞化学者の李遠哲氏(59)=中央研究院院長 =を内定した、と伝えた。  先の総統選で再選された李総統は、五月二十日の就任に伴い、副総統となる連 戦行政院長に代わる新行政院長を指名、組閣に当たる予定で人事が注目されてい る。  同紙によると、李遠哲氏は総統選前に李総統から院長就任を打診された際には 断ったが、現在は既に承諾しているという。最大野党民主進歩党も、李遠哲氏で あれば指名に同意するとみられている。  与党国民党は立法院で辛うじて過半数を維持している状態で、厳しい議会運営 を余儀なくされており、李総統は新内閣に野党勢力や野党が支持する無党派の人 材を取り込むとの見方が強まっていた。            李遠哲氏は一九六一年に台湾・清華大学を卒業後、渡米。シカゴ大学などで研 究活動していたが、八六年にノーベル化学賞を受けた。八七、八八年に訪中した 際には中国の最高実力者トウ小平氏、趙紫陽総書記(当時)らと会見している。

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【時事新聞】
狂牛病発生国からの牛肉輸入を禁止−中国

 中国中央テレビによると、このほど、「狂牛病」が発生した国の牛肉および牛 肉使用製品の輸入を禁止する措置を取った。英国で狂牛病が発生している可能性 のあることが分かったことから、欧米など多くの国が既に英国産牛肉の輸入を禁 じている。

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【日中経済】
<日中自動車協議>4月1日から東京都内で初会合     

 自動車産業政策について、日本と中国が政府レベルの協議を行う日中自動車産 業協調連絡会の第一回会合が四月一、二日、都内で開かれる。会合では、通産省 と中国の国家計画委員会が、両国の自動車産業政策や、日本が希望する合弁事業 の在り方などについて話し合う。中国側は自動車や自動車部品工業の第九次五カ 年計画について説明。また、中国で深刻な問題になりつつある交通渋滞対策や、 駐車場整備、不足がちなガソリンスタンドの整備などについて、警察庁や建設省 が提案を行う。

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【日中経済】
和田代表が ヤオハン上海の社長兼務

 ヤオハングループは二十七日、ヤオハン上海の田島正一社長が九日死去したこ とに伴い、ヤオハン上海会長を務めるグループの和田一夫代表が四月一日付で社 長を兼務する人事を決めた。  田島社長はグループが中国で展開する事業の現地統括責任者だった。今後は、 和田代表が香港のほかに上海にも居を構え、中国事業の陣頭指揮に当たる。

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【歴史文物】
17世紀の武将、鄭成功ゆかりの品

 中国中央テレビは二十六日夜のニュースで、広東省スワトー市の港付近の海底 から、明代(一三六八−一六四四年)末期の軍船が引き揚げられ、金属製の容器 など多くの文物が発見されたと報じた。この中に「国姓府」と彫られた金属製の 筒もあった。  「国姓府」とは、明代に皇帝の姓である「朱」を名乗ることを許された功臣の 役所。発見場所と年代からみて、明代末から清代初めにかけて台湾を基地に満州 族の清王朝と戦った鄭成功(別名・国姓爺、一六二四−六二年)やその一族ゆか りの品の可能性がある。鄭成功は漢民族の王朝だった明の武将、鄭芝竜と日本人 女性との間に生まれた人物。

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【体育芸能】
中国が優勝、大竹九段敗れ

 日中両国の棋士各七人による団体勝ち抜き戦「第十回日中スーパー囲碁・NE C杯」(日本棋院・中国囲棋協会など主催、朝日新聞社後援、NECグループ協 賛)の第十二戦が三十日、中国・北京の中国囲棋協会で行われ、百七十九手まで で中国の副将・馬暁春名人(31)が日本の主将・大竹英雄九段(53)に中押 し勝ちした。これで通算、中国の七勝五敗となり、中国は二年連続、六回目の優 勝を果たした。  優勝がかかる重要な対局らしく、序盤は慎重な布石だったが、黒番の馬名人が 黒45と仕掛けて下辺で激しい戦いに突入。その結果、中央に厚みを築いた大竹 九段の方が、おもしろい展開になった。  しかし、左上の白90が手損の形になってしまい、地を確実にかせぐ黒との差 が広がった。特に右下の黒地を大きく確定されて、白は地合いで及ばない形とな った。  日本側は、中国の常昊七段に五連敗して一勝六敗と大差をつけられたのが響き 、大竹九段が四連勝して追い上げたものの及ばなかった。  大竹九段の話 最後にだらしない碁を打ってしまった。途中まではまあまあだ ったが、急所で白90とよそ見をした。ほかの手なら勝負にな ったのだが。やり直したいぐらいだ。

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【体育芸能】
喬紅が松下入り、劉偉はさくら銀行へ

 松下電器女子卓球部は二十六日、一九八九年世界選手権シングルスの覇者で、 世界ランキング二位の喬紅選手(27)=中国=の入団を発表 した。中国代表選手として参加するアトランタ五輪の金メダル候補だ。また、世 界四位・劉偉(中国)のさくら銀行入りも明らかになった。

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【小説連載】
ニイハオ神戸の街(12)

栗田和成
(PXU06760@niftyserve.or.jp)

 仕事は型どおりに進んだ。午前中に仕事が済めば、昼はみんなで食事となる。 食事はその公司の食堂で行われた。中国式の円卓テーブルで、個室が用意してあ った。既に、一般従業員は適当に、たむろして昼食をとっており、奥田や秀麗達 が歩く姿を物珍しそうに見ている。その中を偉そうに奥田は歩いているように見 える。従業員の食事はアルミの食器にご飯を入れ、その上におかずをかけた粗末 なものであり、それをスプーンですくって食べていた。奥田も接待に慣れている らしく、すぐにテーブルについた。しかし、人数はさっき商談した人より三人ほ ど増えていた。国費の食事である。その辺は割り切っているのかも知れないし、 食事を社交の場として重視しているのかも知れない。とにかく、奥田が席につく と、一人の男がタバコを勧めてきた。中国の習慣である。自分が吸うときは必ず 相手に勧める。そうしないと、失礼になる。奥田はほとんどタバコを吸わないた め、断っていた。
 奥田にしてみたら、この時が、秀麗の存在が頼りになるときである。おまり、 中国語が話せないので、適当に秀麗に話してほしい。自分はただ、もくもくと食 べるだけである。いつも、中国側は日本のことを珍しそうに聞いてくる。しかし、 奥田はそれを中語で説明する能力がないのである。  誰かが、口にくわえた魚の骨をペッと床にはいた。別の人が床にビールの飲み かすを捨てた。みんな、テーブルの上は鳥の骨や豆の皮など食べ糟でいっぱいに なっていく。一般の日本人からみたら汚い光景である。奥田はこの状態を見なが ら、最近はだいぶん、ましになったと思った。以前であれば、もっと汚い食べ方 をしていた。
 昼食が終わって、ホテルまで送ってもらった。そして、日本へのおみやげを買 うため、陳艶の働くホテルまで歩くことにした。
 「日本におみやげといっても何も欲しいものはないね。」
 「お茶はどうですか?」
 「ウーロン茶か。あまり飲まないなあ。」
 「中国人はあまりウーロン茶は飲みませんよ。」
 「そう、じゃあ、何を飲むの?」
 「北の方はジャスミン茶が多いけど、この辺はみんな緑茶ですよ。それに、日 本のウーロン茶は出し殻のようで、まずいわ。」
 「ああ、あそこにも日本料理店があるな。上海では多くあるけど、ここでもあ るんだね。でも、ここは内陸に近いし、てんぷらぐらいは大丈夫だけど刺身なん かどうするのかなあ」
 そうこう言いながら歩いていると、向こうから一人の男性が歩いてきた。そし て、秀麗、親しそうに声をかけてきた。四、五分の立ち話の末、去っていった。
 「誰、今の人?」
 「大学時代の友達です。」
 「何、話してた?」
 「今、バイクの部品工場に勤めているそうです。誰か日本人で投資する人いま せんか?と聞かれました。知らないと答えたけど、また、別の日に会う約束をし ました。」
 秀麗は外国人と歩いていると思われたのである。外国人を見ると、すぐに、投 資の話をするなど、今の中国のバイタリティを感じさせるが、日本人にしてみた ら、知らない中国人に、知らない分野の投資をいわれること自体、面倒くさいこ とである。しかし、彼らはおかまいなしに、金儲けを強調して、最後に言うこと は、「少ない投資で大きな利益、絶対に安全」という言葉である。奥田は、中国 に行くとよくこの手の投資話に会うので、自分は全く中国語を話せないふりをし て、必ず自分の指定した通訳をいれることにしていた。中国側で通訳を連れてく ると、まず、ぐるになっていることが多く、正しく意志が通じないかである。ま た、自分が中国語が通じないふりをすると、簡単に嫌な仕事は断り易いものであ る。
 「ああ、陳艶の働いているホテルよ。」
 「ほんとだあ、近いなあ、南京は人口が五〇〇万人ぐらいいると聞いたけど、 南京の街は以外と小さく感じるね。中心部は歩いて十分に回れるよ。」

 ホテルに着くと、陳艶がフロントのカウンターの所にいてくれた。二人を見て 非常に喜ぶ仕草をする。仕事中でもあり、五、六分の立ち話で帰ったが、秀麗は 数日後に仕事が終わって会う約束をしていた。ついでにホテルでみやげ物も買う ことにした。中国の場合、ホテルを起点にするとなんでも便利である。そこから、 タクシーに乗って秀麗の家まで向かった。タクシーから眺める光景も歩くのとは ちょっと違う。まず、自転車が非常に多い、人も横断舗道を渡らない人が多い。 日本人で国際免許を持ってきても運転しないほうがいいと思った。車の運転は非 常に危険で高等技術を要する仕事である。自転車が道の中央まではみ出してゆっ くり進んでいる。当然、自動車はクラクションをならすが自転車は絶対に後ろを 振り向かない。慌てるでもなく、ゆっくりとペダルを踏み続け、そして優雅に道 を譲ってくれるのである。しかし、その間、クラクションはプープップッと鳴り っぱなしとなる。中国の自動車で一番傷み安いのはクラクションと聞いたことが あるが、うなずける話である。
 「自転車が多いね。でも、道ばたにも整然と自転車を止めているね。」
 「自転車は勝手なところに止めてはいけないんです。ちょっとだけ駐車料を払 っているんですよ。もし勝手に止めたら五元の罰金です。」
 「へええ、厳しいね。あ、危ない。」思わず、奥田の声が出た。
 対向車のタクシーがぶつかる寸前まで来て、避けていった。運転手は何もなか ったかのように平然と運転している。日本であれば、こんな時にクラクションを 鳴らすの、どうもこれぐらいは当たり前らしい。十分ぐらいで秀麗の家に着いた。 タクシー代は十四元で済んだ。日本円で二百円ぐらである。バスを利用すれば二 元ぐらいであるが、汚くてのろい。日本人にしてみたらタクシーを使っても大し た金額とは思えないし、便利である。
 秀麗の家は、日本で言えば五階建ての団地のような所で、そこの二階部分に住 んでいた。最近はこんな所にも、泥棒が出るそうで入り口は二重扉にしてあった。 誰もが貧しい時代は泥棒もいなかったが、急激に貧富の差ができ、いろいろな社 会不安や矛盾も起きてきているようである。
 入り口では両親共が迎えてくれた。喜んだ顔で、「どうぞ、どうぞ。」と言っ てくれる。本当に喜んでいるようだ。
 奥田は秀麗は父親似だと思った。背がスラッと高いのと、顔の輪郭と鼻筋の所 がよく似ていた。その点、母親の方は小柄でガッチリタイプだ。
 母親が作ってくれた料理を四人で食べた。美味しいと言うよりも、中国の家庭 料理を初めて食べる珍しさと、母親が精魂込めていることが解った。
 帰りには、特に母親から秀麗のことを「よろしく頼む。」と何度も言われた。

 ホテルに戻ったのは八時ちょっと過ぎであった。
 奥田が「まだ早いからカラオケに行こうか?」と誘った。
 「ごめんなさい。久しぶりの帰国でしょう。夜は一軒、親戚に挨拶に行かなけ ればならないの。」
 「残念だな。一人でホテルにいるなんて、寂しいよ。」
 秀麗はお茶の入れて、奥田が軽装に着替えるのを待っていた。秀麗は奥田がソ フアでくつろぐのかと思ってベットの横に腰掛けた。すると、奥田は秀麗の横に 座り、肩を抱いてきたのである。秀麗は特に抵抗するでもなく、
 「ここは、中国ですよ。日本のホテルのようにはできないわ。」
 「大丈夫だよ。」
 徐々に肩に回した手に力を込め、秀麗の耳元や首筋に唇を近づけてきた。秀麗 は思わず、
 「ああ。」となんとも言えぬ声を出し、「好きです。」と言ってしまった。秀 麗も奥田もキスしながら抱き合った状態でベットの上に寝転がってしまった。秀 麗は目をつぶったままである。ホテルの部屋は天井に電気がないせいか、全体と して薄暗く感じられた。奥田は秀麗の上におおいかぶさり、奥田の手が秀麗の胸 や腰を触り始めた、その時、ピンポーンとチャイムが部屋の中に鳴り響いた。秀 麗はハッとして起きようとしたが、奥田は止めようとしない。すると、今度はド アをコツコツ、コツコツとノックする音に変わり、次にドアの鍵を開ける音に変 わった。奥田は慌てて飛び起き、ドアの方へ行った。
 「ベットメークと風呂の点検してもいいですか?」
 奥田が「どうぞ。」と言うと、ハウスキーピングが入ってきて、ベットメーク を始めた。奥田は秀麗が作ってくれたお茶を飲みだした。今、二人が寝転がって いたベットのベットカバーがしわくちゃで秀麗は恥ずかしい気がした。
 「私、時間がないんで、帰ります。」
 「ああ、そう、お父さん、お母さんによろしくね。」
 奥田はフロアのエレベーターの所まで送ってくれた。次の日は劉佳東も朝から 来るし、南京での秀麗と二人だけの時間はこれが最後になった。

 奥田は南京に二日間、泊まって、上海まで飛行機で戻って行った。秀麗は上海 まで送りますと言ったが、奥田は趙英海が上海空港まで迎えに来ているからと言 って断った。

 秀麗が日本に戻る三日前に奥田は日本に戻っていた。奥田の会社での久しぶり のアルバイトである。奥田にお礼を言って、おみやげを手渡した。
 「中国に帰れて、嬉しかったです。これ、お父さんからのおみやげです。お父 さんも、お母さんも、家に来てもって非常に喜んでいました。」
 「そうか、今度、南京に行ったら、必ずまた寄るよ。」
 「それから、劉佳東はとても感謝していました。」
 「劉さんの契約書はできているよ。これを、中国語に翻訳して劉さんまで送っ て欲しい。それに、保証人として君がサインするところはここだよ。」
 「はい、解りました。佳東も頑張って会社をやってみると言っていました。大 丈夫だと思います。」
 「もし、劉佳東がお金を返すことが出来なかったらどうするんですか。」
 「君はうちで働いてもらっている、体で返したらいいじゃないか。」
 奥田は笑いながら応えた。

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【義捐募金】
遼寧洪水募金の最終報告

遼寧洪水募金者各位

NIFTY-Serve 中国フォーラム
http://www.come.or.jp/cf
李擴建 (li@come.or.jp)

 最近、中国駐日本大使館領事部劉玲領事経由、遼寧省賑災委員会より下記内容 の「栄誉証書」が届けられてきました。(http://www.come.or.jp/cf参照)

                   ★★★★★★★★★★★★★★★★★
                   ★     栄誉証書      ★
                   ★               ★
                   ★《中国論壇》:        ★
                   ★               ★
                   ★  在遼寧省遭受特大洪[シ労] ★
                   ★災害之際,慷慨解嚢,賑済災民,★
                   ★特発此証,以致謝意!     ★
                   ★               ★
                   ★       遼寧省賑災委員会★
                   ★       (印)     ★
                   ★        一九九六年一月★
                   ★★★★★★★★★★★★★★★★★
 本文の訳文:遼寧省が被った特大の洪水災害に際し,惜しみない援助を寄せら れ、罹災者救済に当たられた事に対して、とくに本証を発行して謝意を表します。 (大久保 忠宗訳)

 尚、「遼寧省国際賑災十年委員会」が発行された人民幣37,410元整 (435,000 円相当)の「専用領収書」(遼財会帳証49号(95)B、No: 0646884)も一緒に頂き ました。

 これをもって、中国フォーラムの遼寧洪水募金活動の最終報告としていたしま す。遼寧洪水募金委員会用のML(LN@daiho.co.jp)も4月1日をもって、停止さ せていただきました。

 最後、募金委員会を代表いたしまして、募金者の皆さん、広報に協力して下さ ったCOM編集部、「留学生新聞」などのご協力に再度感謝の意を申し上げます。 本当に有り難うございました。

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【校慶消息】
交通大学の百年祭のお知らせ

日本北方交大校友会 李擴建
(li@come.or.jp)

 交大校友の皆さん、こんにちは。

                             世界に交融せよ
                                   ●
                             古今を通達せよ
                                   ●
                         中華文化を大力に弘揚せよ
                                   ●
                   世界の先進科技を学習せよ
 1996年は、交通大学の百歳の誕生日を迎えます。北方交通大学と上海、西 安、西南、新竹の五所交通大学が、それぞれ自分の大学で百年祭を行われること になっています。

 北京の北方交通大学も、1996年4月14日、7月7日〜9日の間に「交通 大学百年校慶活動」が行われる予定です。五所交通大学の校友達も、北方交大の 兼任職員、名誉教授(顧問)も、北方交大と学術交流と合作関係のある大学、研 究機関と企業の皆さんも大歓迎です。

 参加される方は、下記の内容を記入した上、


  姓名        :
  性別        :
  何時畢業何校    :
  院系(専業)    :
  工作単位      :
  職務職称      :
  通訊地址      :
  電話        :
  郵編        :
  能否返校参加校慶活動:4月14日、7月7日〜9日
下記アドレスまでご連絡下さい。

  「日本北方交大校友会」
  KUO-JIAN LI(李擴建)
  BONSAI 484-4-303, OMIYA, 330 JAPAN
E-MAIL: li@come.or.jp

  or 「北方交大校慶弁公室」
  連絡先:北京市西直門外北方交通大学校長弁公室
  担当者:項国政
  電 話:(010)3240021 (010)3240031 (010)3240403
  FAX:(010)2245827 (010)2255551
  郵 編:100044

  or 「美洲交大校友総会」
LIANG-J. CHEN(陳亮潔)
68-41 Fleet St, Forest Hill, NY11375, U.S.A.


 《華声和語》第80号 編集担当:劉  軼@東京            校正担当:陳 黎明@東京            技術担当:銭  飛@広島       華声和語 編集局長:銭  飛@広島            無料購読 Subject: subscribe-com            自動脱退 Subject: unsubscribe-com            HELP Subject: help            既刊購読 HELP参照
  東北風 (本編集部の中国語月刊誌)       G B 版 comc-gb-request@come.or.jp       JIS版 comc-jis-request@come.or.jp       無料購読 Subject: subscribe       自動脱退 Subject: unsubscribe
  編集部 com@come.or.jp       総編集長 銭  飛@広島   WWW http://www.come.or.jp/   メール com-l-request@come.or.jp   ftp 日本:ftp.come.or.jp /pub/com       米国:cnd.org (132.249.229.100) /pub/e-pubs/com   BBS NIFTY-Serve 中国フォーラム(GO CHINA) MES8, DL2


本誌は、ボランティアによって非営利目的で運営されています。本誌の全ての 文章は、「COM」の見地を代表するものではありません。本誌文章の転載、 配布および印刷は非営利目的に限り自由です。
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(C)www-admin@www.come.or.jp (F.Qian),         Apr.2 1996