第289号

2000年(平成12年)01月11日発行  1994年(平成6年)11月1日創刊


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新聞簡訊●
総合報道●活仏カルマパ17世がインドに出国
国際関係●国防相が国交正常化以来初めて訪韓へ
中米関係●米大統領が中国への最恵国待遇恒久化の早期実現に意欲
中日関係●日本が中国の団体旅行を今春にも受け入れへ
国際経済●政府のWTO政策の概要が判明
国際経済●1999年の輸出が6%増加、貿易黒字は300億ドル
国際経済●対中投資契約額が2割減
国際経済●政府系ノンバンクに対する邦銀の債権回収不可能に
科学技術●人の臓器クローンの基礎技術開発に成功
教育事情●教育省が小中学生の教育負担軽減を申し合わせ
社会之窓●人民日報の部数が激減、党中央が購読運動
社会之窓●朱首相の月給は2万5千円
社会之窓●金の延べ板が人気・上海では2時間で完売
在日社会●福井の協組が中国人実習生に残業代放棄か、退職かを迫る

【新聞簡訊】 ★[01/11] 中国人民銀行11日発表の元レートは次の通り。(単位、元)   日本円(100円)       7.8995   米ドル(100ドル)    827.9400   香港ドル(100ドル)   106.4000 ★[01/11] 新華社通信によると、政府が長江の支流の清江で120億元を投じ、 160万キロワット級の新たな水力発電所を建設する計画だ。同発電所は清江流 域では3つめとなる水力発電所で、高さ233メートルのダムなどを建設する計 画。国家発展計画委員会が最近承認した計画によると、2006年に発電を開始 し、プロジェクト全体の完成は2009年。夏の長江の洪水シーズンの流量調節 の機能も果たすとしている。 ★[01/11] 解放日報によると、湖南省湘潭市にある香港系ホテル「金泉大酒店」 で火災が発生、宿泊客など12人が死亡した。死傷者に外国人が含まれているか どうかは明らかでない。原因は調査中だが、3階の美容室から出火し、一気に6 階まで広がったという ★[01/11] 新華社電によると、1999年の政府の関税収入は密輸取り締まり強 化が効果を上げたこともあり、前年比80.8%増の1589億6000万元 (約2兆円)と史上最高を記録した。99年の輸入総額は1657億2000万 ドル(速報値)で、前年比18.2%増だった。 ★[01/11] 共同通信によると、対外貿易経済協力省の張祥次官は十日、北京市内 で行われた記者会見で、世界貿易機関(WTO)による国際貿易体制の現状につ いて、「発展途上国の利益と要求を十分反映しておらず、明らかな欠陥がある」 と批判した。さらに次期多角的貿易交渉(新ラウンド)に関し、少数の先進国が 貿易ルールづくりを左右することに懸念を示し(1)発展途上国の経済発展目標 を尊重する(2)発展途上国間の協調を強め、グループとしての交渉能力を強化 する―など四点を、政府の方針として強調した。 ★[01/11] 時事通信によると、国務院直属のシンクタンク、国務院発展研究セン ターの王夢奎主任が堺屋経企長官との会談で、昨年の中国の国内総生産(GDP) 伸び率が7.1%だったことを紹介、今年については、昨年とほぼ同じ7%を目 標とする考えを示した。 ★[01/10] 人民日報は今年の経済動向を占う国内エコノミストの論文を掲載、人 民元の為替レートの動向について、「政府が国内経済問題に対応する余地を広げ るため、中央銀行は為替レートの変動の範囲を拡大することになろう」と予測し た。中国国際金融有限公司の許小年氏が執筆した。ただ、輸出拡大に転じた中国 の国際収支の動向などから切り下げの必要性は否定している。 ★[01/10] 星島日報は北京の消息筋の話として、共産党政治局員で広東省党委員 会書記の李長春氏(55)が副首相に昇格すると報じた。三月の全国人民代表大 会(国会)で承認されるという。 ★[01/09] 香港の人権団体「中国人権民主化運動ニュースセンター」によると、 昨年十二月二十日に中国へ返還され、香港と同じ「一国二制度」下に置かれたマ カオの当局は九日、香港からマカオへ船で到着した香港在住の女性民主活動家、 雷玉蓮氏(37)に対し、「歓迎できない人物に該当する」との理由で入境を拒 否した。返還後のマカオ当局は、香港在住者を含む民主活動家の入境に厳しい姿 勢で臨む方針と見られる。 ★[01/09] 新華社は労働社会保障省の統計として、国内の1999年末の都市部 の失業率は3.1%以下だったと報じた。同電は失業者の総数については触れて いない。実質的な失業者である国有企業からの一時解雇者については、昨年一年 間で四百九十二万人が再就職し、残った三百九十万人が今も職業訓練を受けてい るという。一時解雇者は失業者の統計には含まれていない。 ★[01/07] 新華社通信が、古代王朝である殷の都として世界的に有名な殷墟(河 南省安陽市)よりもさらに時代をさかのぼる三千三百年前の殷の都市遺跡が殷墟 の近接地で見つかったと伝えた。殷は紀元前十六世紀から同十一世紀まで続いた とされ、殷墟は殷代最後の都とされる。遺跡は地下約二・五メートルから出土し、 長さ約二キロに及ぶ城壁跡や住居跡、墓、陶器などが見つかった。調査に当たっ た中国社会科学院の考古学グループは「今世紀最後の重要な発見」としている。 ★[01/07] 新華社通信の報道によると、先月30年ぶりの記録的な寒波に襲われ た広東省では6万6000ヘクタールの農地で果物や野菜に霜害が発生するなど、 農作物に大きな被害が発生している。また大雪に見舞われた遼寧省でも、農産物 の生産が大幅に落ち込むと見込まれている。 ★[01/06] インタファクス通信によると、ロシアの元宇宙飛行士ベレゾボイ氏は、 中国が今年2月にも初の有人宇宙船を打ち上げる可能性があると語った。打ち上 げに成功すれば、米国、ロシアに次いで世界で3カ国目となる。 ★[01/06] 上海で催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会 議の日程は、2001年10月に決まった。6日開かれた政府の準備委員会初会 合で確認された。国内経済の中心として国の重点投資が続く上海の発展ぶりを、 集まる各国首脳に見せつけたい考えだ。新華社電によると、準備委主任を務める 唐家セン外相は「21世紀最初のAPECが上海で開かれる。中国にとって得難 いチャンスだ。会議を成功させよう」と語った。 ★[01/05] チャイナ・デーリーが報じた農業省の統計によると、国内の1999 年の穀物耕地面積は1億1306万ヘクタールと、前年比0・6%減少した。農 業省は、99年の穀物総生産量が5億トンに達する見通しであることを確認した。 穀物価格は5月以来、毎月下落。11月末時点で前年同月比11%低下し、94 年と同水準に落ち込んでいる。綿花収穫量は前年比15%減の383万トン、サ トウキビと砂糖大根は同13%減の8535万トンの見通し。 ★[01/05] 時事通信によると、三菱自動車工業は黒竜江省のハルビン飛機製造公 司(ハルビン市)に小型車の生産技術を供与する方針を明らかにした。同公司は 排気量1300−1500cc級の乗用車を生産する計画で、このほど政府に認可 申請した。三菱自は、今年末に稼働する同社の部品合弁会社(同)からエンジン も供給する。同公司の生産規模などは未定。三菱自は、湖南省で4輪駆動車「パ ジェロ」を合弁生産しているほか、福建省で商用車「デリカ」の生産技術を現地 メーカーに供与している。

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【総合報道】            活仏カルマパ17世がインドに出国  新聞各社によると、チベット仏教4大宗派の1つ、カギュー派の活仏(生き仏) として政府が承認したカルマパ17世がチベット自治区を離れ、インドに出国し た。  カルマパ17世がインド北部ダラムサラに亡命政府を置く同仏教最高位、ダラ イ・ラマ14世のもとにいることが7日明らかになった。亡命政府関係者は「彼 は5日にダラムサラに着いた。それ以上、何も言えない」と述べた。  報道によると、カルマパ17世は、数人の供とともにチベットから約10日間 歩いてダラムサラに着いた。ダラムサラで迎賓館に泊められ、ダライ・ラマ14 世と会談している、という。ダライ・ラマ14世も、1959年の「チベット動 乱」で、ヒマラヤを越えて陸路でインドに亡命した経緯がある。  カルマパは、カギュー派の最高位の活仏。現在の17世は先代の16世の死去 後、転生霊童(生まれ変わり)として見いだされ92年に就位した。チベット動 乱後、政府が初めて認定した活仏であり、中国側にとってチベット仏教を管理す る重要な1歩となった。故16世の側近が別の少年を「本物」とかつぐ騒ぎもあ ったが、ダライ・ラマも結局、現在の17世を追認している。  その17世が今回、ダライ・ラマの元に身を寄せたことになる。カギュー派信 者の多いインド北東部シッキム州の僧院では祝いの祭礼が行われているという。  共同通信によると、インド政府は、チベット仏教カギュ派の活仏カルマパ十七 世がインド入りしたことで、対中関係の悪化を懸念し、困惑している。  インド政府は八日、「十七世が到着したことに伴う状況(の変化)とその影響 を注視している」(外務省報道官)と発表したが、ある外務省当局者は「この件 には全く驚いた」と語り、インドにとっても予期せぬ事態だったことをうかがわ せた。  バジパイ・インド政権は核弾頭搭載可能な中距離ミサイルの開発を進めるなど、 一九六二年に国境紛争で軍事衝突を起こした中国への警戒は怠らない一方、昨年 四月には二年ぶりに国境問題合同作業委員会を再開するなど、関係改善にも力を 入れ始めている。  カルマパ十七世が政治亡命を求めてくれば、それを認めるかどうかで中国との 間で新たな外交問題に発展するのは必至で、頭の痛いところだ。  ダライ・ラマ十四世率いるチベット亡命政府があるインド北西部のダラムサラ では、四十年以上にわたる亡命政府の存在とそれに伴うチベット難民の流入で、 現地のインド系住民との対立・摩擦も強まっている。一方、読売新聞によると、 カルマパ十七世が、チベット自治区からインドへ密出国した事件について、政府 は九日現在、まだ公式に「亡命」とは決めつけておらず、出国事件が「第二のダ ライ・ラマ問題」へと発展することを慎重に避けている。  政府は七日に国営新華社通信を通じ、十七世が「ラサを離れた」との簡単な発 表を行って以降、公式には事件に関して何ら論評していない。主要各紙も八日付 英字紙「チャイナ・デーリー」と「人民日報海外版」を除いて報道しておらず、 しばらくは十七世の行動などを静観するとの当局の姿勢をうかがわせている。  チベット仏教界に大きな影響を持つ十七世のような高位の活仏は、通常、その 活動が当局の指導・監視下に置かれており、自由な出国などは許されていない。 このため、無許可でチベットを離れ、インド亡命中のダライ・ラマ十四世と面会 するという行為は共産党への反逆そのものであり、当局も、内部では今回の事件 を事実上の「亡命」と認識していることは間違いない。  しかし、政府の公式発表は、十七世が「歴代カルマパの黒帽、法器を入手する ための出国。国家や民族に対する謀反ではない」との置き手紙を残したと指摘し ているだけで、出国行為そのものについては一切批判していない。  朝日新聞によると、カルマパ17世が最高位活仏となっているチベット仏教カ ギュー派の米国拠点「カルマ・トリヤナ・ダルマチャクラ」(ニューヨーク)は 8日、17世がチベットを出る際に残した置き手紙には、出国の理由について 「何度も求めた出国の許可を政府当局が一貫して拒否してきたため」と記されて いた、と公表した。  カルマパ17世の今後について香港では9日、「台湾を訪問する」などと憶測す る報道が飛び交った。  カギュー派米国拠点のインターネットを通じた公表文によれば、17世の手紙 は「僧侶(そうりょ)あて」とされ、「いままで通りめい想や勤行に励むように」 とあった。政府が7日発表した「仏事用の楽器や歴代カルマパが用いた黒帽を取 りに国外に出る」や「国家や民族、寺院や指導者を裏切るものではない」という 文言はなかったという。「チベットの確かな筋」の情報としている。  また、9日の「明報」によれば、政府側は各種のパイプを使ったり、17世自 身との接触を図りながら、帰国するよう説得することに全力をあげている。  共同通信によると、チベットからインドに渡った活仏カルマパ十七世は九日、 インド・ダラムサラ近郊にあるダライ・ラマ十四世の亡命政府迎賓館を警護僧や インド政府当局者らとともに車で出発し、姿を消した。  行き先について亡命政府やインド政府は明らかにしていないが、AP通信は地 元警察筋やカギュ派関係者の情報として、カルマパ十七世がダラムサラ近郊の寺 院やダライ・ラマ十四世の公邸に身を寄せた可能性を示唆した。  亡命政府筋は七日、カルマパ十七世がインド北東部シッキム州のカギュ派ゆか りのルムテク寺院最高位に就任するとの見通しを示しており、同寺院に向かった 可能性もある。  十七世は五日にダラムサラに到着し迎賓館で休養。八日、ダライ・ラマ十四世 との会談の際に初めて報道陣に姿を見せた。  一方、十日付のインド英字紙エイシャン・エイジによると、チベット仏教の最 高指導者ダライ・ラマ十四世は、チベット仏教カギュ派の最高位活仏カルマパ十 七世がチベット自治区からインド入りしたことに伴い十七世の政治亡命を受け入 れるようインド政府に要請した。カギュ派に近い筋から得た情報として伝えた。  同紙は、インド政府は要請を受けて、内務省と外務省当局者をチベット亡命政 府が置かれているダラムサラに派遣したとしている。  インド政府は十日現在、亡命申請を受けたことを公式には認めていない。

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【国際関係】           国防相が国交正常化以来初めて訪韓へ  読売新聞によると、韓国国防省は11日、遅浩田国防相が19―23日の日程 で韓国を公式訪問すると発表した。国防相の訪韓は、九二年の国交正常化後、初 めて。  遅国防相は、金大中韓国大統領をはじめ、趙成台国防相、洪淳瑛外相と会談す る予定で、中韓間の軍事交流強化や、朝鮮人民共和国政策について、協議すると 見られる。  韓国軍の陸・空軍部隊のほか、韓国を代表する電子メーカーであるサムスン電 子の視察を予定している。遅国防相には、陸・海・空軍の代表が随行する。  中韓間の国防相交流は、金大中大統領が九八年の訪中で提案したもので、韓国 の趙国防相が九九年八月に訪中し、初の中韓国防相会談を行い、朝鮮半島の平和 と安定の重要性を確認し、軍事交流強化で合意した。

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【中米関係】        米大統領が中国への最恵国待遇恒久化の早期実現に意欲  朝日新聞によると、クリントン米大統領は10日、中国への最恵国待遇(MF N)を恒久化する法案について、「できるだけ早い時期に議会で採決にかけるべ きだ。そうすれば可決されるチャンスは非常に大きい」と述べた。昨年11月に 合意した中国の世界貿易機関(WTO)加盟をめぐって、米政府は議会の承認を 得ることを課題としている。大統領は、今後の議会対策の担当者としてデイリー 商務長官らを任命し、MFN恒久化に全力をあげる姿勢を示した。  中国へのMFNは、現在は毎年1回更新する形になっており、議会はそのたび に中国の民主化、人権、市場開放などの進展具合を審議している。WTO加盟合 意に伴い米政府はこれを恒久化する方針を示したが、一部議員は反対している。  クリントン大統領は10日、記者団に対し、中国がWTOに加盟すれば、農産 物や通信、自動車など様々な分野で米国経済の利益となると指摘し、「中国を一 夜で変えることは無理だが、我々は正しい方向に向かっている。中国の加盟は米 国の国益にかなう」「(MFN恒久化の)成功に向けてあらゆる手を尽くす」と 強調した。  MFN恒久化をめぐって情勢は流動化している。中国市場へのアクセス拡大を 歓迎する米商工会議所などビジネス界は、共和党議員に強いロビー活動を続けて おり、同党内の賛成派はかなり増えたと言われる。一方、鉄鋼関係などの労働組 合は、昨年のシアトルでのWTO閣僚会議が合意に至らず終わったことで気勢を あげており、民主党議員らへの説得を強めている。  恒久化法案の採決は「5月か6月ごろになるのではないか」(議会スタッフ) といわれているが、採決がずれこむほど秋の大統領選挙キャンペーンに巻き込ま れる度合いが増す。大統領側としては、ビジネス界の議会説得に期待を寄せつつ、 できるだけ早い時期に投票に持ち込みたい考えだ。

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【中日関係】           日本が中国の団体旅行を今春にも受け入れへ  毎日新聞によると、訪中している二階俊博運輸相は10日、何光(日韋)国家 旅遊局長と会談し、中国人団体観光客の日本受け入れに向けた両国政府の実務者 協議を2月にも開催することで合意した。順調に進めば今春にも受け入れが実現 する見通し。二階運輸相は日本観光売り込みのため、北京で「ジャパン・デー」 を開催する考えも伝えた。  政府は昨年1月、日本への団体旅行を解禁し、日本も受け入れを前提に国内の 意見調整を進めてきたが、法務、警察当局には不法滞在につながるとの懸念も根 強く、実現が遅れている。日本側は不法滞在者が出た場合のペナルティなど防止 策を盛り込んだ実施要領案をまとめ、中国側に示す考えだ。  また、会談では中国側から、日本の国公立学校の中国への修学旅行を増やすた めに規制緩和を進めてほしいとの要望が出て、二階運輸相も文部省などへの働き かけを約束した。  日本から中国への観光客は年間160万人(1998年)に達しているが、中 国から日本への観光客は団体旅行が認められていないため、27万人(同)にと どまっている。

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【国際経済】          政府のWTO政策の概要が判明  共同通信によると、世界貿易機関(WTO)への加盟後、米国など先進国と対 抗するため、発展途上国のリーダーとしての地位確立を目指すことなどを打ち出 した政府のWTO政策概要が十日、政府部内の経済対策資料で明らかになった。  政策概要は「WTO加盟は、中国型の社会主義市場経済と西側諸国の干渉主義 の大競争を意味する」と指摘。電気通信分野で華僑を軸に香港や東南アジア各国 との企業連合をつくるなどの青写真を盛り込んだ。国内向けに加盟の効果を訴え、 二十一世紀の「富強国家」実現に向け経済大国化への意志を明確にしている。  WTO加盟後の中国の包括的通商政策の内容が判明したのは初めて。概要は 「世界経済が西側諸国の強権政治に基づく経済政策に操られる中、途上国は中国 加盟で大国と対抗する能力を備え、平等な権利と利益を得ることができる」と強 調、中国の加盟意義を誇示している。  米国との合意に基づき、加盟二年後に外資の資本比率を五○%に引き上げるこ とを受け入れた電気通信分野については「中国企業を主体とした多国籍企業集団 をつくることが(先進国の)少数支配に対抗する有効な手段」と位置付けた。  その上で「中国語の通信連合」を提唱し、香港の関連企業への資本参加や買収 などを通じて国際的な活動に向けた拠点を確保。その後に範囲を東南アジア諸国 に拡大していく構想を示し、シンガポールやマレーシアなどの華僑資本が視野に あることを示唆した。  米シアトルでのWTO閣僚会議決裂については「経済のグローバル化の名の下、 少数の先進国が(WTOを)牛耳っている」とし、欧州連合(EU)や日本、米 国を名指しで批判。「先進国は、途上国に自国経済の保護を放棄させ、サービス 貿易や情報産業などで外国企業支配を要求している」と、先進国への警戒感をあ らわにしている。  世界貿易機関(WTO)政策概要の要旨は次の通り。  一、中国はWTO加盟で発展途上国のリーダーの地位を確立する。  一、世界経済が西側諸国の強権政治に基づく経済政策に操られる中、途上国は 中国の加盟で大国と争う能力を備え、平等な権利と利益を得られる。  一、中国加盟で西側諸国の干渉主義は社会主義市場経済との大競争に入る。  一、中国、ロシアなど多くの発展途上国は世界の多極化に努力。 超大国が騒ぎ立てる経済のグローバル化と少数の国家による支配を食い止めなけ ればならない。  一、中国の電信企業を主体とした多国籍企業集団をつくることが(先進国の) 少数支配に対抗する有効な手段。  一、香港の電信関連企業への資本参加や買収を通じて中国語の通信連合の拠点 を確保。その後、範囲を東南アジア諸国に拡大する。  一、先進国が最も心配しているのは中国が東南アジアの覇者になることだ。  一、米シアトル閣僚会議は少数の先進国が経済のグローバル化の名の下で牛耳 った。先進国は途上国に自国経済保護を放棄させ、サービス貿易や情報産業など で外国企業支配を要求している。

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【国際経済】       1999年の輸出が6%増加、貿易黒字は300億ドル  朝日新聞によると、中国の1999年の輸出は1950億ドルで、前年比6% 増になるとの見通しを、国家発展計画委員会が4日明らかにした。輸入は同約1 8%増の1650億ドルで、貿易黒字は300億ドルになる。同委員会の曽培炎 主任は「人民元の為替レートを引き下げる必要はない」と強調している。  98年の輸出は、前年比0.5%増にとどまった。このため政府は、輸出製品 に対する税の還付率アップ、メーカーの輸出自主権拡大、輸出手続きの簡素化な ど振興策を連発。アジア各国の景気が回復し始めたことも追い風になって、輸出 は99年7月から前年同月比でプラスに転じた。

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【国際経済】             対中投資契約額が2割減  共同通信によると、1999年の中国への海外からの直接投資の契約総額が、 1月−11月累計で前年同期比18.9%減の356億4000万ドルと大幅に 落ち込んだことが分かった。消息筋が6日明らかにした。通年でも400億ドル を下回る見通しで、92年以降最低になるのは確実。  93年には年間1000億ドルを突破した外資契約金額が、天安門事件の後遺 症で外国投資が低迷した90年代初頭の水準まで後退することを示す深刻な数字 だ。政府は、この統計を公表していない。  99年の投資契約は今年実行されるケースが多く、国内の経済成長のけん引役 を果たしている外資流入の先細りは避けられない。7%の成長目標を掲げる今年 の国内経済に早くも暗雲が漂い始めた。  消息筋によると、政府は事態を重視し、昨年12月22日に北京で担当者を集 めた緊急対策会議を秘密裏に開催した。  外国企業の間では(1)広東省直轄のノンバンク広東国際信託投資公司(GI TIC)の破産に伴う信用収縮(2)アジア危機の後遺症(3)突然の政策変更 など国内の投資環境の悪さ−−などを背景に中国市場からの撤退や事業規模縮小 の動きが出ている。会議では、この対応が協議されたもようだ。  今年の直接投資は、実行総額で、昨年の380億ドル(推計値)を下回る可能 性が高い。政府が、世界貿易機関(WTO)への正式加盟を待たずに、市場開放 や投資環境整備の加速を迫られるのは必至だ。

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【国際経済】        政府系ノンバンクに対する邦銀の債権回収不可能に  朝日新聞によると、経営不振に陥り、整理・統合の対象になった国内の政府系 ノンバンクに対する邦銀などの債権回収が、事実上、不可能になった。中国最高 人民法院(最高裁)が「債権者の訴えをしばらく受け付けず、すでに回収を認め た判決の執行も凍結する」という内部通達を出したため。対象は大連国際信託投 資公司(DITIC)など13社を「第一陣」とし、今後増える見通し。これら ノンバンクに対しては邦銀もかなり融資しており、外資にとって最後の対抗手段 といえる法的措置が、当局の都合で奪われることになり、中国での商売はリスク が高まっている。  融資している邦銀や北京の日本大使館は、通達が出たとの情報を受け、「裁判 所自ら法を守らない、というのでは中国への信頼はなくなる」と最高裁や対外貿 易経済協力省に抗議したが、大使館によると、「中国側は通達の存在さえ認めな い」という。さらに「内部通達は秘密扱いで、内容を追及すると、どこでその通 達を見たのか、と逆に中国側に責められかねない」とジレンマに陥っている。  通達は「信託投資公司の整理整とんにおける関係問題に関する通知」。昨年末、 31ある省・自治区・直轄市の高級人民法院(高裁)あてに出された。  具体的には、「再編、廃業が決まった信託投資公司を被告とする経済紛争事件 は、しばらく訴えを受理しない。判決執行が完了していないものはしばらく、執 行しない」と指示。凍結解除については「別に通知する」としている。その一方、 ノンバンク側が原告として債権を取り立てる訴えは受理・審理するとし、差別的 な扱いをしている。  今回対象となったのは大連国際、大連、大連華信、大連経済技術開発、広州国 際、広州科技、広州対外経済貿易、海南省国際、海南省、海南港澳国際、海南匯 通国際、中国対外経済貿易、中国人保の各信託投資公司。この13社に対する邦 銀の融資額ははっきりしないが、これらノンバンクは合計239社あり、総資産 750億ドル相当、対外債務は約80億ドルといわれ、邦銀の融資は半分近くを 占めると見られる。  国内の金融機関の整理・統合は、1997年夏のアジア金融危機をきっかけに、 朱鎔基首相の指示で始まり、98年6月、海南省の海南発展銀行とノンバンクの 中国新技術創業投資公司が業務停止となった。  同年10月には広東国際信託投資公司(GITIC)が国内外に負債43億ド ル相当を抱え破たんした。中国人民銀行は当初、「GITICは外資に優先的に 債務を返済する」と表明したが、「損失が予想よりはるかに多かった。外資を優 先すると、国内の債権者が被害を受ける」として99年1月、裁判所での破産手 続きに持ち込んだ。中国人民銀行の戴相竜総裁はさらに「政府は債務を肩代わり しない」と表明。これを機に、中国の対外信用は低下し、邦銀は新規融資を止め た。さくら銀行はその後、広州支店を閉めるなどの波紋が広がっている。

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【科学技術】          人の臓器クローンの基礎技術開発に成功  新華社通信などによると、上海市遺伝子操作研究センターの成国祥博士らによ る共同研究グループが、人の臓器移植に用いる臓器をクローン技術によって作り 出すための基礎技術開発に成功した。実用化されれば臓器移植の難題である患者 の拒絶反応やドナー不足を解決できるとして、新華社は「重大な突破だ」と伝え ている。  グループは、卵子になる前の卵母細胞から核を取り出し、これに病人の体細胞 の核を移植。一定の処理を施して胚(はい)に発育させることに成功したという。 今後、成博士らと共同研究を進める上海第2医科大学のグループが、このクロー ン胚から胚性幹細胞(ES細胞)と呼ばれる特殊な細胞を作り、体外で皮膚、軟 骨、心臓、肝臓、腎臓などの組織や器官に生成させる実験に取り組む。最終的に 成功すれば、できあがったクローン臓器を元の患者に移植するという計画で、3 年から5年以内の成功を目指す。  こうした治療目的のクローン技術は、医療分野だけでなく動物への応用も可能 で、牧畜業や製薬などの分野での活用も期待できるという。国内では国家レベル の重点基礎研究プロジェクトとなっている。  成博士は「治療目的クローン技術にとって重要な進展だが、臓器クローンの実 用化にはまだ長い道のりを歩まなければならない」と語っている。

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【教育事情】         教育省が小中学生の教育負担軽減を申し合わせ  毎日新聞によると、教育省(文部省)は7日、「小中学生の過重な負担を軽減 するためのテレビ会議」を開催し、「小学1、2年生には基本的に宿題を出さな い。それ以上の小中学生は1日1時間以内」などを申し合わせた。すでに緊急通 達として、全国に対し早急に徹底するよう指示した。  国内では「一人っ子政策」の浸透や生活レベルの向上などで、親の我が子に対 する教育熱は上がるばかり。一方で、補助教材費や宿題の多さを理由に、義務教 育中でも退学せざるを得ない児童・生徒が少なくない。教育省は学習時間や費用 負担を減らすことで、全体の底上げに動き出した。  通達は宿題時間の制限ほか、(1)国語や算数などで使うのは指定の教科書1 冊だけとする(2)休日や夏・冬休みを減らしてまで授業を増やしてはならない (3)小学生は100点満点方式の成績評定はしない――など。  陳至立教育相はテレビ会議で「人材育成のルートを広げなければならない。指 導・監督を強化し、違反行為は厳重に処罰する」と強調した。

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【社会之窓】         人民日報の部数が激減、党中央が購読運動  朝日新聞によると、共産党中央委員会の機関紙・人民日報は、本紙の発行部数 が激減しているため、党中央が組織を挙げて、購読運動を展開し始めた。同時に タブロイド判の週刊紙の創刊に力を入れ、国際ニュースを扱う「環球時報(グロー バルタイムズ)」に続き、今月6日には「健康時報」を発刊した。国内では文化 大革命や天安門事件など長い「政治の時代」を経てきた反動で、読者は「建前」 の話にあきあきしている。同社は今、生き残り戦略を練っているところだ。  人民日報は創刊51年。部数は79年にピークの約600万部を記録したが、 その後、減少がとまらず、昨年12月20日時点の契約数は155万部で、約4 分の1に減っている。国内の報道機関の頂点に立っているが、紙面は党中央の意 向を反映した建て前の記事が多い。購読しているのは党や政府機関、国有企業な どが軸だが、山東、黒竜江、重慶など9つの省・直轄市では、昨年前半より1割 以上落ちている。  部数問題については江沢民総書記や胡錦涛政治局常務委員らも重大な関心を寄 せ、党中央宣伝部は昨年12月末に会議を開き、徐光春副部長が「緊急動員して 部数を増やせ」と、げきを飛ばした。  一方、週刊紙として93年から出してきたタブロイド判24ページの「環球時 報」は好調で、発行部数は約148万部と、本紙に迫る勢い。昨年1年間で、約 100万部のばした。ロシアのエリツィン大統領辞任など国際時事を、タイムリー で刺激的に伝え、支持を得ている。1部1.5元。  2匹目のドジョウを狙って、16ページの「健康時報」を発刊。金融のタブロ イド紙も発行する予定。いずれも国民の興味を計算して計画してきたという。本 紙ではなかなかくだけた内容の記事が載せられないので、姉妹紙をつくって大衆 路線を走っている。

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【社会之窓】             朱首相の月給は2万5千円  十日付の南京紙服務導報によると、朱鎔基首相は北京で七日開かれた経済情勢 報告会議で、自分の基本給は月額で二千元(約二万五千円)だと明らかにした。  首相は、今年を期限としている国有企業の改革が達成されることを条件に、昨 年秋に平均約三○%引き上げた公務員の月給を今後さらに引き上げ、三年後には 現在の二倍にすると言明。その例として、首相の月給は現在二千元だが、来年は 二千六百元、再来年は三千四百元近くになり、三年後は四千元になると述べた。  同紙は、公務員の給料引き上げの理由について、内需刺激のほか、公務員の汚 職を防ぐためとしている。

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【社会之窓】         金の延べ板が人気・上海では2時間で完売  共同通信によると、金取引が規制されている国内で、北京、上海、広州などで 昨年暮れ、金の延べ板が建国以来初めて一般に売り出され、上海では販売開始二 時間余りで完売、一月になっても再販売を求める声が絶えない。  「ミレニアム記念」と銘打たれた延べ板は、五百グラム、二百五十グラム、百 グラム、五十グラムの四種類。金装飾品より割安の一グラム当たり百十元(約千 三百九十円)で、計千五百キロが売り出された。  上海では販売開始日の十二月二十八日未明には長蛇の列ができ、大きい順に売 れた。中国人民銀行が上海地区での独占販売権を与えた老鳳祥公司によると、購 入者の大半は一般市民。離婚後に九百元の月収で生活している女性教師も「子供 に残したい」と百グラムを購入したという。  今回の販売価格は国際価格より約三○%高く、当局の大きな収入になったのは 確実。購入者が売却する際の統制価格は一グラム当たり約七十七元だが、低金利 に加え株価も低迷気味な中で、将来的に財産保全ができる金の魅力は高かったよ うだ。

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【在日社会】       福井の協組が中国人実習生に残業代放棄か、退職かを迫る  共同通信によると、福井県の繊維関係業者で組織する「武生コンフィクソン協 同組合」(青木宣二理事長)が、中国人実習生の貯金通帳を無断で管理したり、 不当な低賃金で残業させていた問題で、実習生が昨年十二月、未払いの残業代を 受け取らずに働き続けるか、受け取って退職するか―の二者択一を組合側から迫 られていたことが十一日までに分かった。  実習生の支援団体などによると、昨年十二月二十九日に青木理事長を含む組合 側四人と実習生の女性三人が面談した際、組合側が未払いの残業代を要求しない 代わりにこのまま働き続けるか、残業代を受け取り退職するか選択を迫ったとい う。  実習生三人は「残業代がもらえなくなる」と考え、退職願を提出、昨年六月か ら十月までの未払いの残業代など計十六万五千八百七十円をそれぞれ現金で受け 取った。  青木理事長は取材に応じないが、支援団体によると「強要はしていない」と話 しているという。  昨年十一月の問題発覚後、組合が実習生に陳謝し、武生労働基準監督署が労働 基準法に基づき、組合メンバーの各業者に是正勧告している。

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