1.経緯
1)COM編集部の発足
「特定非営利活動法人COM編集部」の母体、コンピュータネットワーク上の日中民間交流を行う非営利、非政治、非宗教の任意団体「COM編集部」である。当団体の中日英表記は、それぞれ「日本COM編輯部」、「COM編集部」、「China Online Magazines」、略称COM、以下略称にて表記する。
平成6年11月1日、在日本中国人李拡建、徐剛、楊克倹、江浩と日本人村木毅、井上徹らが、日中相互交流を図る任意の非営利ボランティア団体COMを有志と発起した。ネットワーク社会の到来を念頭に置いた「コンピュータネットワークの活用による民間交流の促進」を狙い、当時漸く始まったパソコン通信サービスを利用してその実現をはかって、インターネット上で、日本語オンライン週刊誌「華声和語」を無料で配布し続けてきた。
COMの目的は、在日中国人また中国に関心を寄せる多くの日本人の人々に、中国関係の情報を提供するため、また在日中国人に意見交換の場を提供するため、またこれに関係するネットワークサービスを行うことである。
COMの運営は、アメリカで始まったボランティア団体の活動を参考に、有志の協力により自主的に今日まで行われてきている。財政的には編集者と読者の寄付による。
2)「東北風」編集部がCOMと合弁
COM創立の一ヶ月後、楊克倹は「華声和語」創刊の経験を活かして、東北大学他の5名の中国人留学生と一緒に、平成6年12月27日に、インターネットユーザに無料で配布する中国語オンライン月刊雑誌「東北風」を創刊した。3ヶ月後、平成7年3月10日、「東北風」編集部はCOMへ加入し、COMの月刊誌「東北風」として続けて無料でインターネットユーザに配布し続けてきた。
3)COM活動の展開
1995年9月広島電機大学助教授銭飛の協力により、COMはホームページを設立した。1996年9月に中国語インターネット技術誌「網絡技術文献」創刊、非定期的に無料でインターネットユーザに配布し続けてきた。1996年11月「東北風」双週間に移行、隔週発行になってきた。ホームページ及び他の有名サイトの転載からCOMを読む読者を除いても、2000年に、「華声和語」の定期読者総数1949人、「東北風」の定期読者総数5879人に上った。「華声和語」の日本人定期読者の中に、中国駐在員と中国でビジネスを進めている企業の担当者の他に、日本の著名な中国研究専門家教授学者もいる。
COMの雑誌は定期発刊の他に、「東北風」には「小説専輯」、「トウ小平逝世專輯1・2」、「COM編集部記念特集」、「毛丹青ロック文化特集」、「龍麗華日本随筆特集」、「中日関係特集」、「中国ユーゴ大使館被爆抗議特集」、「台湾震災募金特集」など、「華声和語」には「雲南地震専輯」、「釣魚島特集」、「トウ小平專輯1・2」、「中日関係特集」等の特集号を発行した。
2.趣旨
1)COMが実現してきたもの
COMが始めた市民活動でのコンピュータネットワークは、まさに20世紀末を出発点としてこれから大きく花開こうとしている世界的な流れの一つである。COMは日本や中国など世界各地に在って「中国」に関心を寄せる人々に、情報の交換と交流の場を提供する一つの重要な拠点となっている。以下、COMという場を通して、これまで実現してきた事柄を列挙する。
まず挙げられるのは「中国(大陸・台湾・香港・澳門・各国の華僑社会)」に関する情報提供・情報交換である。これから中国文化圏に赴任しようとする者、旅行しようとする者がCOMの雑誌とホームページから現地についての情報を得ることができる。更に、COMには中国と日本市民レベル草の根の交流を行って、中日友好のためいろいろな努力をしてきた。「華声和語」と「東北風」には中国関係のニュースを中心とするものの他に、日本企業の中国駐在員による現地報告の連載、在日中国人の滞在感想掲載など、また、中日市民が共同関心を寄せているホットなテーマ(香港回帰、釣魚島(尖閣)問題、中国の核実験、中日歴史問題など)に関する特集と読者世論調査を行った。また、朝日テレビの中日市民大討論・日中関係の未来などのホットな番組を中国の読者に紹介することなど、また、これらの事に関して中日読者の個人意見を載せて、インターネットで中日市民の交流の場を作った。このようなイベントを通じ、中日市民の相互理解に大きく貢献した。
また、中国での災害に対する罹被災者支援活動も、COMが成し得た大きな成果の一つであり、私たちの成長に欠かせないものであった。阪神大震災のときに、COMは雑誌で義捐金を呼びかけ、全世界の読者から、合計500,900円、745アメリカドル、200カナダドル、10イギリスボンドの募金を集めた。在日本中国大使館を通じて、阪神の中国留学生被災者の中国にいる家族に送金した。平成7年8月、中国東北部遼寧省を中心に発生した洪水は、史上まれにみる大規模な天災であった。洪水発生直後、COMは、義捐金呼びかけに参加し、他のボランティア団体と一緒に募金を遂行した。その結果、日本円にして40万円以上の義捐金を集め、在日本中国大使館を通じて遼寧省義捐委員会にその篤志を送金する事が出来た。
この災害支援活動を通じ、私たちの活動が中国国内で認知されるようになっただけでなく、それまでの中国国内のインターネットに対する認識、即ち有害な情報ばかりがあふれているのではないかという思いこみを改めさせるきっかけの一つとなったことを大いに誇りに思う。
以上のような成果を得る過程で、編集部・読者は、市民社会の構成要素の基本である自立した市民としての役割を意識する・しないに関わらず果たしてきた。
2)特定非営利活動法人としてのCOMの意義
以上見てきたように、「中国」というキーワードを縁として集う者のために、日常的な交流の場を確保し続けることは大きな意義があると私たちは確信している。COMに携わる私たちは、このようなの経緯の中で、意識するしないにかかわらず、さまざまな知識・経験を蓄積してきた。6年数ヶ月の間に蓄積された346期「華声和語」雑誌と146期「東北風」雑誌は、大きな財産である。また、今まで編集部のボランティア編集活動に参加した及び経験した中国人と日本人の数は百人近くになって、今COMのOBたちは日本、中国、アメリカ、カナダ、中国香港などいろいろな地域に散在し、引き続き中日友好のため活躍している。COMは政治的な枠組みや国籍・人種にとらわれず、集い、交流するなかで、文字によるコミュニケーションを起点として現実のコミュニケーションや個々人の社会生活のあれこれに活用されてきた。COMが今後どのような場面で誰にどのような貢献を成し得るかは、未知数である。しかし、個々のコミュニケーションの積み重ねが、参加者一人一人、日本や中国の社会、日中間、世界、地球のさまざまな問題の解決にも貢献することがあると考える。COMの自主平等の基本原則は、発足当初より一貫して変わるところはない。私たちは、COM運営を行ってきた上でのさまざまなノウハウや知識、経験、情報の蓄積により、この間の社会における情報化とネットワーク化の進展とともに実績を築き上げてきた。将来的にも、私たちの活動内容や特徴が、更なる交流と貢献の可能性を高めると自負している。
このように、COMの諸活動は、会員個々人の自発的参加によって成り立ってきた。このような特性に合致する「特定非営利活動法人」という新たな枠組みの中で、私たちはこれまでの基本的な価値観や方針、システムを大きく変えることなく、しかも新たな貢献の可能性を求め、新たな同好の士を求めて、ここに再発足することとしたい。
以上のような趣旨から、私たちは 日中共同声明、 日中平和友好条約、 日中共同宣言など、この間、日本国と中華人民共和国の両政府が結んだ日中関係の基本的な認識を遵守し、 日中の交流の場を提供し続けることを主たる目的とし、この度特定非営利活動法人の設立を決意した。
今後は、これまでおこなってきた「中国」に関わる情報交換・交流の場を提供する事業、災害支援事業に加え、自主平等という私たちの伝統に則って、日中の人々の人権擁護事業や同様の主旨を持つ団体同士の交流促進事業などを行うことにしたい。
3.申請に至るまでの経過
平成 6年11月 任意の非営利団体COMの活動を開始。
平成12年11月 特定非営利活動促進法の成立を期に、法人格を取得するための準備活動を開始。
平成13年 3月 設立総会を開き、「特定非営利活動法人COM編集部」の設立認証を申請することを満場一致で決議。
平成13年3月11日
今後は、NPO法に定められている事業を行うことにしたい。NPO法に従い、東京都、日本及びアジアの発展のため、「特定非営利活動法人COM編集部」という新しい団体を立ち上げたいと思う。
2001年03月11日
特定非営利法人COM編集部
設立代表者 住所又は居所
氏名 楊 克倹 印
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